報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“戦う社長の物語” 「吉塚広美の秘密研究所」

2018-03-09 19:35:17 | アンドロイドマスターシリーズ
[1月13日10:30.天候:晴 静岡県富士宮市下条 吉塚家]

 元KR団日本支部幹部、吉塚広美の家を捜索している敷島達。
 彼女は既に故人であり、遺族の許可をもらって家内を捜索している。
 本来ならKR団本部が手にするはずの研究成果を、特にアリスが漁っていた。

 アリス:「これは萌の設計データだわ!Hum Hum...これでどうやら、萌の量産化ができそうよ!」
 敷島:「商売に走る気か」
 シンディ:「まあ、ファンシーキャラでもありますから、色々と用途はありそうですねぇ……」
 敷島:「いずれにせよ、ここでは黒いロボットの情報は無さそうだ。次に行くぞ」
 アリス:「次って、どこへ?」
 敷島:「今度は仏間を調べる」

 仏間には殆ど何も残っていなかった。
 敷島と平賀が訪れた時はまだ立派な仏壇があったのだが、あの後で運び出されたらしい。

 敷島:「えーと……あった。これだ」

 ライトを照らすと、確かに仏壇のあった場所に違和感があった。
 遺族の言っていたように、仏壇の後ろの壁が妙に新しくなっているのだった。

 敷島:「ここだけ、他と少し色が違うの分かるか?後から何かしたんだよ、きっと」

 敷島はライトを左右に振った。

 アリス:「この壁の奥に何かが隠されているのね!シンディ!この壁を破壊しなさい!」
 シンディ:「かしこまりました!」

 シンディは右手の拳を大きく振り上げた。

 敷島:「ちょっと待てや!」
 シンディ:「は、ははっ!」
 敷島:「いくら空き家とはいえ、人んち壊すバカがどこにいる!もう1度よく調べるんだ!」
 アリス:「何をどう調べろって言うのよ?」
 敷島:「シンディ、この壁をスキャンしてみてくれ。何か反応があるか?」
 シンディ:「少々お待ちください」

 シンディの左目が緑色に光る。
 そして、カメラのフラッシュのようにその壁をピカッと照らした。


 シンディ:「金属反応があります。……ここに、穴があります」

 シンディが指さした所に……。

 アリス:「OK!穴ね!」

 アリスがドライバーを出して壁に突っ込んだ。

 敷島:「こ、こら、アリス!人の家を……!」

 そこから現れたのは正方形の穴。
 大きさは一辺が1cmちょっと。
 PCのキーの大きさくらいだろうか。

 敷島:「何だぁ、この穴は?」
 アリス:「フムフム。ここにクランクを差して回すのね」
 敷島:「クランクだって?どうしてそんなことが分かるんだ?」
 アリス:「だって“Resident Evil”じゃ、よくこういうのあるじゃない」
 敷島:「レジデント・イービル?」

 意味の分からぬ敷島に、シンディがそっと耳打ちする。

 シンディ:「“バイオハザード”の海外版ですよ」
 敷島:「そ、そうなのか!」

 アメリカで商標登録をしようとした際、既に“バイオハザード”が使われていた為、“Resident Evil”になったとのこと。
 タイトルが違うだけで、中身は日本版とほぼ同じ(グロテスクなシーンやお色気シーンなどで表現規制に差が有り)。

 アリス:「クランクを探して来なきゃ!どこかに無いかしら?」
 敷島:「研究室の中の道具箱とかに入ってそうなものだけどな」
 アリス:「それもそうね!」

 アリスは急いで研究室に戻った。

 敷島:(……えーと、待てよ。確かこのゲーム、リンとレンもやってたな……。ここでもそうなんだが、次へ進む為のキーアイテムとして、クランクがあるわけだな。で、大抵そういうキーアイテムは中ボスが持っていたり、或いは普通に見つけたりするものなんだけど……)

 敷島は嫌な予感がした為、アリスの後を追って研究室に戻った。

 敷島:「アリス、ちょっと待て!もしこれが某ゲームの展開なんだとしたら、そういうキーアイテムは……!」

 だが、既に遅かった。

 アリス:「Wow!こんな所にクランク隠してる!」

 アリスは机の下からクランクを引っ張り出した。

 アリス:「ほら、これでしょ!?」

 ガターン!(天井のダクトの金網が落ちてきた)

 アリス:「な、なに!?」

 ダクトから現れたのは……。

 黒いロボット:「ざび?ザビィ!」

 黒いロボット、クランクを手にしたアリスに両目のライトを向ける。

 敷島:「うわっ、やっぱりだ!見え見えの展開になってしまったーっ!」
 シンディ:「お任せを」

 シンディはすぐに黒いロボットに駆け寄り、

 黒いロボット:「ザビビビビビ!!」

 拳を何発か打ち込んでバラバラにしてしまった。

 敷島:「無敵だな」
 シンディ:「もちろん、自爆される前にバッテリーを破壊しておきましたよ」
 アリス:「さすがね。それじゃ、早速これでギミックを暴くわよ」
 敷島:「大丈夫かなぁ?」

 研究室を出ると、既に廊下には黒いロボットが何機か配置されていた。
 いつの間に?と思うだろうが、この敵側にとって都合の良い配置法がアクションもののベタな法則なのである。
 もちろんこれとてシンディの敵ではなく、特に後ろを向いている個体にあっては不意打ちを食らわしてやった上、

 シンディ:「うりゃっ!」

 首と胴体を引きちぎってやった。
 電子頭脳からの信号が自爆装置に伝わらなくなる為、その方法は少々乱暴に見えるが、自爆攻撃を阻止するという意味では正しい。

 アリス:「よし。廊下のヤツは倒したみたいね」
 敷島:「新手が来る前に、さっさとクランク使ってしまおう」
 アリス:「OK」

 アリスはクランクを差し込み、これを回してみた。

 アリス:「んん〜!重いぃぃぃぃ!」
 敷島:「どれ、貸してみろ!」

 敷島も強く回した。
 すると、壁の向こうで何やら機械が唸るような音が聞こえた。

 敷島:「おっ、よし!何かが作動するみたいだぞ!」

 ガコン!(床に突然、大きな穴が開く)

 敷島:「はいーっ!?」
 アリス:「Oh my god!!」
 シンディ:「しまった!トラップ!?」

 3人は突然床に開いた穴に落ちてしまった。
 この後、誰の話が聞きたい?

 1:敷島
 2:アリス
 3:シンディ
 4:敷島とシンディ
 5:敷島とアリス
 6:アリスとシンディ
 7:3人一緒がいい

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