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報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「成田から東京へ」

2023-05-25 21:16:27 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月24日10時5分 天候:雨 千葉県成田市三里塚 成田国際空港第1ターミナル]

 
(撮影した時間は異なるが、成田空港第1ターミナルのホテル送迎バス乗降場)

 降りしきる雨の中、私達を乗せた送迎バスは成田空港第1ターミナルのバス乗り場に到着した。
 観光バスタイプと違い、路線バスタイプなので、中扉からも乗降できる。
 1泊分の荷物しか無い私達は手荷物程度のものだが、沖縄から来て何泊もする絵恋さん達は大きなキャリーバッグである。
 それはバス車内の荷物置き場に置かれていた。

 アメリカ人旅行客「【運転してくれてありがとう!御礼に1ドルやるよ!受け取ってくれ!】」(と、英語で言っている)
 運転手「あっ、お客様!日本ではチップは要りませんよ~!大丈夫です!お気遣い、感謝致します」
 我那覇絵恋「アメリカのシャトルバスの運転手は、運転乱暴、接客適当でもチップを要求してくるのにねぇ……」
 愛原「お国柄の違いだろう」

 尚、当のアメリカでもチップのやり取りを煩わしく感じる向きはあるらしく、廃止の方向に動いている地域もあるそうな。
 但し、それとて賛否両論であり、如何ともしがたいのが実情のようだ。
 差別の国でもあるので、同じ仕事をしても、白人男性はチップを弾まれるのに対し、黒人やアジア系などはチップすら出してもらえないとか……。
 車道には屋根が無いので、雨を避けながらターミナルの中へと入った。

 愛原「まずは京成線で京成八幡まで行って、そこから都営新宿線に乗り換える。それで浜町まで行くという予定だよ」
 リサ「妥当だと思う」
 高橋「先生の御命令は絶対」
 愛原「てか、命令じゃねーよ」

[同日10時28分 天候:雨 同地区 京成電鉄成田空港駅→京成本線10A06電車先頭車内]

 成田空港駅はJRと京成が共同使用している。
 もちろん改札口やホームはそれぞれ専用であるが、ホームは隣り合っている。

 
(京成本線ホーム。京成成田スカイアクセス線とは別のホームである。尚、ダイヤ改正前の写真である為、ホームの発車標の時刻は現在とは異なる。10時48分発の特別快速、上野行きは現在……ん?特快?京成線に特快なんて種別あったっけ?……って、これ中国語じゃん!紛らわしいんじゃ、ボケ!!漢字は日本語だけでいいだろが!……失礼。中国語では特快だが、日本語では『特急』である。公明党の議員が国土交通大臣になったせいで、全く……)

 愛原「何か、頭上がうるさいな」
 高橋「作者がまた何か騒いでるんですよ」
 愛原「ふむ……」
 リサ「先生、この電車に乗るの?」
 愛原「そう」

 

 ホームには既に8両編成の電車が停車していた。
 あまり賑わいを見せていないのは、どうしても京成スカイライナーや成田スカイアクセス線の方に客が流れるからだろう。
 もちろんこれでも、都内に近づけば近づくほど客は増えて行く予定である。
 私達は先頭車に乗り込んだ。

 

 乗務員室後ろにも座席はあるが、2人掛けなので、そこには座れない。
 長い方の座席に座った。

〔「この電車は10時28分発、京成本線回り、特急、上野行きです。成田スカイアクセス線ではございませんので、ご注意ください。途中の停車駅は空港第2ビル、成田、公津の杜、宗吾参道、酒々井、大佐倉、佐倉、勝田台、八千代台、津田沼、船橋、八幡、高砂、青砥、日暮里、終点上野の順に止まります。途中の成田で快速、都営浅草線直通、西馬込行きに。津田沼で普通、上野行きに。高砂で普通、上野行きにお乗り換えできます。京成本線経由、特急、上野行きです。まもなく発車致します。ご乗車になりまして、お待ちください」〕

 発車間際になっても、あまり客は増えない。
 羽田空港とは偉い違いだ。
 もっとも、羽田空港は他の鉄道がモノレールしか無いというのもあるが。

〔♪♪♪♪。まもなく2番線から、京成本線経由、特急、上野行きが発車致します〕

 JR線側と違い、京成線側は普通の発車ベルが流れる。
 そして、ドアが閉まった。
 駆け込み乗車は無かったか、再開閉することは無い。
 そして、運転室から発車合図のブザーが聞こえてきたかと思うと、ハンドルを操作する音が聞こえてくる。
 それから、エアの抜ける音がして、電車が走り出した。
 地下トンネル内にインバータ制御のモーター音が響く。

〔京成電鉄をご利用頂きまして、ありがとうございます。この電車は、京成本線経由、特急、上野行きです。次は空港第2ビル(成田第2・第3ターミナル)、空港第2ビル(成田第2・第3ターミナル)です。お出口は、右側です〕

 発車すると車内に自動放送が流れる。
 東京メトロの車内放送の声優さんと同じ人かもしれない。

 リサ「ねぇ、先生」
 愛原「何だ?通勤電車にトイレは無いぞ?」
 リサ「そうじゃなくて、浜町までどのくらい掛かる?」
 愛原「八幡まで軽く1時間弱掛かるからな。それから乗り換えたりすると、1時間半くらいにはなるだろ」
 リサ「お昼ご飯は?」
 愛原「もう昼飯の算段かよw」
 高橋「人食い鬼が」
 斉藤早苗「!」

 高橋は当然リサに言ったのだが、何故かその言葉に斉藤早苗が反応した。
 私はそれに気づかないフリをした。

 愛原「善場主任に今、電車に乗ったってメールしたら、検査は午後からだって言ってたよ。で、昼飯は適当に食べて来てくれって」
 高橋「何スか、それ。姉ちゃん奢ってくれよって感じっスね」
 愛原「こらこら。……とはいうものの、もしかしたら主任、その辺も考えてくれるかもしれないから、追って指示を待とう」
 高橋「分かりました」
 愛原「そういうオマエはオマエで、何だかスマホがフル稼働しているようだが?」
 我那覇絵恋「さっきからLINEの着信音がうるさいのよ」
 愛原「着信音は切っとけよ」
 高橋「あ、はい。サーセン」
 愛原「何だぁ?昔の族仲間から、『クリスマス暴走開催のお知らせ』かぁ?」
 高橋「い、いや、そっちの方がまだマシっスよ」
 愛原「は?」
 高橋「あ、い、いえ、何でも……。も、もちろん、2度と暴走行為なんてしないっスよぉ……ハハハ……」
 絵恋「何か怪しいわねぇ……」
 高橋「うるせっ!」
 リサ「先生、クリスマス・イブだよ。クリスマスパーティーやらないの?」
 愛原「オマエ達のウィルス検査の結果が分からなかったら、どうにもならないさ。ヘタすりゃキミ達、全員藤野送りだで?」
 リサ「ええーっ!」
 絵恋「ええーっ!」
 早苗「藤野……?」
 リサ「やだァ!」
 絵恋「で、でも、リサさんと一緒だったら、別にいいかも……」

 絵恋さんだけまんざらでもないもよう。
コメント
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