報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「愛原の夢、成田の朝」 2

2023-05-23 20:28:52 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月24日08時15分 天候:雨 千葉県成田市取香 ホテル東横イン成田空港新館1階ロビー(朝食会場)]

 愛原「超高層ビルの屋上から、白井が落ちる夢だ。そこには私と高橋とリサの他、別の夢の中に出てきた登場人物と、その関係者らしき者もいた」
 高橋「その登場人物は、俺と先生が昔見た埼京線の幽霊電車で会った、芸能事務所の社長でしたね?」
 愛原「そうだ」
 斉藤早苗「……それでしたら、私のは少し違いますね」
 愛原「えっ、違う?!」
 早苗「私の場合は、魔女のような人物が何人かいました。1人は男でしたが、あとは金髪や黒髪の白人でした。全員、黒や緑のローブを羽織って、フードを被っていました」
 愛原「ありゃ?そこが全然違う。俺の場合はその社長さん以外に、何だか人間そっくりのロボットが登場したぞ?」
 高橋「ロックマンみたいなヤツですか?」
 愛原「そう、だな……。強いて言うなら、確かにその世界線で登場しそうな……」

 私は首を傾げた。

 愛原「ロックマンもそうだし、鉄腕アトムにも登場するかもしれん」
 高橋「何だかSFっスねぇ……」
 愛原「そうだな。早苗さんの場合は、ファンタジーか……」
 早苗「そうですね」
 愛原「だが、夜の超高層ビルの屋上から何故か白井が落ちそうになっていて、俺達が駆け付けたら落ちたんだ。落ちたというか、落とされたって感じだな。そのロボットに」
 早苗「私の場合は、金髪の魔女に雷を落とされて、そのショックで落ちたって感じです」
 高橋「ライディーンかよw 『魔法使い』じゃなくて、『勇者』が唱える呪文だぜ?」
 愛原「いや、分からんぞ。サンダガとかサンダラかもしれないだろ?それなら、魔道士が使えるで?」
 高橋「さ、さすが先生。FF派でしたか」
 愛原「今はスクエニなんだから、どっちでもいいだろうが」
 高橋「いや、ちょっとそれは……」
 愛原「カプコン製のヘリは墜落してナンボと言われているが、スクエニ製も大概だぞ?」
 高橋「た、確かに。FFⅦリメイクのヘリとか……」
 リサ「先生、それより早く朝ごはん食べたい」
 愛原「おっ、そうだったな。とにかく、食べながら話そう」

 私達は朝食を取ることにした。
 このホテルでも、朝食はバイキング方式となっている。
 予想通り、リサは皿に山盛りに料理を盛っていた。

 我那覇絵恋「さすがはリサさん!とってもワイルド~
 リサ「いえい
 愛原「はい、撮るよ~」

 私は手持ちのデジカメで、3人の少女を撮影した。

 絵恋「先生、先生!私のスマホでも、リサさんとのツーショット撮ってくださーい!」
 愛原「はいはい」
 高橋「何気に友達を1人シレッとハブるんじゃねーよ。これだから女は……」
 早苗「いえ、いいんですよ。『魔王様』は特別ですから」
 愛原「早苗さんは優しいねぇ」

 私は絵恋さんのスマホで、リサと絵恋さんのツーショットを撮影した。

 愛原「はい、撮ったよ」
 絵恋「ありがとうございます!……消毒消毒」
 高橋「おい、先生に頼んでおきながら、あからさまに消毒してんじゃねー!」
 愛原「まあまあ。コロナ禍なんだから、これくらい当然だよ」
 高橋「は、はあ……」
 早苗「それより愛原先生。昨夜は、魔王様と『お楽しみ』だったんですか?」
 愛原「ええっ!?」
 絵恋「ええーっ!?」
 高橋「やっぱり?!」
 リサ「先生と『楽しみ』たかったんだけど、先生すぐ寝ちゃったんだよ~」
 絵恋「なーんだ……」
 高橋「先生!次は俺を御指名くださいね?!」
 愛原「それは……どうだろう?」

 何気にバイセクシャルの高橋と一緒に寝るより、リサと一緒に寝た方が今は逆に安全かもと思うようになった。
 前者は私の(違う意味で)貞操の危機、後者は(本当の意味で)貞操の危機&命の危機がある。
 だが、それでも何故か今は、後者の方が安全なような気がしてしまうのだ。

[同日09時45分 天候:雨 同ホテル・エントランス車寄せ→送迎バス車内]

 
(撮影した時間は異なるが、愛原達が乗車した送迎バス。復路は一般路線バス型)

 朝食の後、少しゆっくりした後で、ホテルをチェックアウトした。
 取りあえず、まずは一旦空港に戻ることにする。
 空港の地下から京成線に乗って、都内を目指す感じである。
 エントランスで待っていたのは、一般の路線バスと同じ車種であった。
 都営バスと同じ、ノンステップバスである。
 これでは大きな荷物を積む荷物室が無いだろうと思ったが、乗り込んでそれが分かる。
 前扉と中扉の間。
 通常、優先席が設置されている場所にそれはあった。
 座席は撤去され、その代わり、荷物を置く棚が設置されている。
 まともに座れるのは、反対側の1人席と中扉から後ろの席であった。
 それとて恐らく、車椅子の乗客が来たら、座席が折り畳まれるのだろう。
 今回はそういった客はいなかった。
 再び私達は、1番後ろの座席に横並びに座った。
 もっと早い時間帯は混雑するというから、座席は満席になり、吊り革に掴まる乗客とかも出て来るのだろう。

 運転手「それでは出発しまーす!」

 ピークは過ぎているものの、それでも殆どの座席に乗客が座っている状態であり、ほぼ満席と言える。
 やはり、もっと早い時間帯は吊り革に掴まる客も出るだろうな。
 発車の時間になり、バスはホテルを出発した。

 高橋「どこまで乗って行くんスか?」
 愛原「第1だな。そこだと、京成線の始発駅だ」
 高橋「なるほど」

 相変わらず雨は降っており、大きなフロントガラスの上を、大きなワイパーブレードが左右に動いている。

 斉藤早苗「アメリカのラクーン市のバイオハザード事件の時、天気は雨だったそうです。霧生市も雨でしたか?」
 愛原「俺達は何日かいたが、雨の日もあったな。ずっと雨ではなかったよ。どうしてだ?」
 早苗「いえ……。愛原先生が霧生市から生還された『英雄』だと聞いていたものですから」
 高橋「分かってんじゃねーか」
 リサ「うん。先生はわたしの『英雄』だと思う」

 リサはそう言って、隣に座る私の腕にしがみ付いた。

 絵恋「ちょっ……!リサさん!私も!私もギュッってして!」
 リサ「ん」

 リサはもう片方の手で、絵恋の腕を組んだ。

 絵恋「も、萌えぇえぇぇえっ!」
 リサ「おー!久しぶりの萌え声」
 高橋「うるせーだけだ」
 早苗「フフフ……」

 私は早苗がどうして、先ほどの質問をしてきたのか分からなかった。
 少なくとも、このバスにウィルスばら撒くというわけではないようだが……。
 そ、そういえば昔、どこかの国の空港でもウィルスがばら撒かれて、ゾンビターミナルになったことがあったんだっけ……。
 だ、大丈夫だろうな?
コメント
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