報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「愛原の夢、成田の朝」

2023-05-22 20:17:39 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[期日不明 時刻不明(夜間) 天候:晴または曇 場所不明(但し、何がしかの超高層ビルの屋上)]

 ???「おーい!おーい!助けてくれー……」
 愛原「!?」

 私はどこか豪勢な部屋にいた。
 まるで超高級ホテルのスイートルームみたいな部屋……いや、違うな。
 どこかの国の大統領の執務室のような部屋と言った方が良いか?
 とにかく、何故か私はその部屋にいた。
 私だけではない。
 近くには高橋とリサもいた。

 高橋「先生!外から、誰かの助けを呼ぶ声がします!」
 愛原「ああ。行ってみよう」

 どうやら部屋の外はテラスになっているようだった。

 愛原「ああっ!?」

 テラスの向こうには、何故か墜落して炎上しているヘリコプターがあった。
 そのヘリのボディには、見たことがないロゴマークが描かれている。
 そのテラスの縁に建っている鉄柵の一部が壊れており、そこから助けを求める声と、そこに座り込む誰かの姿があった。

 ???「助けてくれ……」
 敷島「無様だな。そろそろ年貢の納め時だ」

 誰だ?
 近づいてみると、屋上の縁に座って下を覗き込んでいる男と、そこに掴まって今にも落ちそうになっている男がいた。
 落ちそうになっているのは……。

 愛原「白井だ!」
 敷島「年貢を納めてもらおうか?」

 縁に立っている男……。
 どこかで見たことあるような……?

 白井「だ、脱税した法人税なら、ちゃんと払うから!だ、だから、頼む!助けてくれ!」
 愛原「あいつ!法人税の脱税までしてたのか!?」
 高橋「社長でもないのに?!」
 敷島「節税くらいにしとけば良かったんだよ。それくらいなら、社長やってる俺だってやってる」
 愛原「思い出した!あの人、昔、埼京線の幽霊電車で会った人だ!」
 高橋「ああっ!」
 リサ「え???」
 愛原「リサが来る前の話だから、オマエは知らんだろう。ちょ、ちょっと待ってくれ!」

 私は昔の埼京線の幽霊電車で会った人……確か、名前を……どこかの芸能プロダクションの社長だとか言ってた……。
 確か、名前が……敷島!
 下の名前は忘れたが、敷島さんという人だ!

 愛原「待ってくれ!」

 私が敷島社長に駆け寄ろうとした時だった。

 愛原「うわっ!」

 私の行く手に、マシンガンが掃射された。

 愛原「な、何だ!?」

 上空を見上げると、そこには……。

 シンディ「邪魔はさせないよ。さあ、さっさと戻りな!」

 金髪の長い髪をポニーテールにし、両足からジェットエンジンを吹かして飛んでいる女の姿があった。

 高橋「あ、ありゃ、ロボットか!?」
 愛原「ちょ、ちょっと待ってくれ!俺達は、そこの白井に用が……」

 と、その時だった。

 白井「ぎゃああああっ!!」

 別の場所から銃声の音がした。
 銃声からしてショットガンだ。
 白井はそれに被弾した。

 エミリー「シンディ。まだるっこしいぞ。さっさと撃て」
 シンディ「姉さんこそ、気が早いのよ」

 今度は赤い髪をショートボブにした女が空を飛び、右手をショットガンの形にしていた。

 白井「ぎゃあああああああっ!!」

 白井は超高層ビルの屋上から、真っ逆さまに落ちて行った。

[12月24日07時00分 天候:雨 千葉県成田市取香 ホテル東横イン成田空港新館9階客室]

 愛原「白井ぃーっ!」

 私はそこで目が覚めた。

 愛原「ゆ……夢……!?」
 リサ「先生……?」

 と、同時に枕元に置いたスマホがアラームを鳴らす。
 私は手を伸ばしてアラームを止めた。

 愛原「うーん……」
 リサ「先生、おはよ」
 愛原「ああ、おはよう」

 リサは隣のベッドで寝ていた。
 さすがに夜中、私のベッドに潜り込んでくることはなかった。
 あれだけ昨夜、強く言っておいたからだな。

 リサ「どうしたの?悪い夢でも見た?」
 愛原「そうかもしれんな。とにかく、起きよう……」
 リサ「わたし、トイレだけ先に行くから、その後で先生、顔洗ってきて」
 愛原「リサはどうするんだ?」
 リサ「わたしはシャワーを使う。寝汗かいたから」

 微かにだが、リサの体からは体臭がした。
 これは恐らくこいつ、昨夜はオナニーでもしたのかもしれない。

 愛原「そうかよ」

 私が頷くと……。

 リサ「んしょっと」

 リサは着ていたホテルのナイトウェアを脱ぎ捨てた。
 その下は黒いスポブラと、同じメーカーのショーツを穿いている。
 その後で、バスルームに入った。
 それにしても、変な夢だった。
 埼京線の幽霊電車での出来事ですら、何らかの夢のような話だったというのに、今回もそうだった。
 どこかで、別世界とリンクしているのだろうか。
 そうだ。
 今の夢、私以外に高橋やリサも登場していた。
 この2人は同じ夢を見たのだろうか?
 トイレの水が流れる音がして、リサが出てきた。

 リサ「お待たせ」
 愛原「なあ、リサ」
 リサ「ん?」
 愛原「リサは昨夜、変な夢を見たりはしなかったか?」
 リサ「ううん。特に見てない」
 愛原「そうか……」

 あとは高橋に聞いてみたいが、もしかしたら、高橋も見ていないかもな。

[同日08時00分 天候:雨 同ホテル1階ロビー(朝食会場)]

 朝食会場は賑わっていた。
 しかしながらピークなのは、朝食開始時間から7時台までであるという。
 送迎バスも、7時台から8時台が最も混雑するのだそうだ。

 高橋「えっ?昨夜、変な夢っスか?」
 愛原「そうだ」
 高橋「先生と【イチャイチャ】【ラブラブ】する夢だったら見ましたけど……」
 愛原「あー、そういのいいから」

 こういうこともあるから、却ってリサと同じ部屋の方が安全かもしれない。
 尚、夢の中に登場しなかった我那覇絵恋さんや斉藤早苗は対象外とする。
 ……のだが!

 斉藤早苗「変な夢でしたら、私、見ましたよ」
 愛原「えっ?夜の超高層ビルの屋上が舞台だぞ?」
 早苗「そうです。その屋上から落ちそうな人がいましたね」
 愛原「ええーっ!?」

 何で斉藤早苗が私と同じ夢を見てるんだ!?
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“私立探偵 愛原学” 「成田で一泊」 2

2023-05-22 16:24:36 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月23日22時00分 天候:雨 千葉県成田市取香 東横イン成田空港新館]

 私とリサはツインルームに入った。

 愛原「もう深夜帯だ。早く風呂に入って寝ろ」
 リサ「まずはバスタブにお湯を溜めなきゃ」
 愛原「ああ、そうだな。リサが先に入っていいぞ」
 リサ「え?一緒に入るんじゃないの?」
 愛原「何でだよw」
 リサ「『夫婦が一緒に入るのは当然だっちゃ』って、あるアニメのキャラが言ってたよ」
 愛原「やめなさい、そういうネタ!後でクレーム来るから!とにかく、先に入っていいから!」
 リサ「はーい」

 リサは窓側のベッドの脇に荷物を置くと、バスルームに向かった。
 そして、バスタブにお湯を溜める音が聞こえる。

 愛原「風呂に入る前に、お茶でも入れるか」
 リサ「あっ、わたしが入れてあげる」
 愛原「そうか?」

 このホテルの客室には、電気ケトルがある。
 リサは一旦、風呂の水道を止めると、水に切り替えて電気ケトルに水を入れた。
 そして、それを持ってきて電源を入れる。
 再びお湯を入れ始めて、また戻って来た。

 愛原「それで……どうだった?斉藤早苗は?」
 リサ「間違いなくBOW。他のリサ・トレヴァーと同じ臭いがした」
 愛原「そうか」
 リサ「エレンと一緒の部屋にして大丈夫なの?」
 愛原「もし絵恋さんが襲われるんだったたら、沖縄にいる間に襲っているだろう。だから、絵恋さんに関しては何を今さらだと思うんだ」
 リサ「なるほど。先生はどうする?」
 愛原「善場主任に報告するさ。オマエが風呂に入ってる間に」
 リサ「どうしてわたしがお風呂に入ってる時に?」
 愛原「オマエは俺と善場主任がどんな話をしたのか、全く知らない方がいい。後で、斉藤早苗に聞かれた時にな」
 リサ「なるほど」
 愛原「それと、ついでに見張り」
 リサ「見張り?」
 愛原「お前のような奴は、天井のダクトを使って侵入てかできるんだろ?もしかしたら、早苗もそんなことができるかもしれない」
 リサ「なるほど。わたしなら、そんな奴らが近づいてくればすぐ分かるから……」
 愛原「そういうことだよ」
 リサ「そういうことなら……」
 愛原「頼んだぞ」
 リサ「任せて。……あ」
 愛原「どうした?」
 リサ「お風呂上がりのジュース、買ってない」
 愛原「任せろ。俺にいい考えがある」

 私は自分のスマホを取り出した。
 そして、高橋にLINEする。

 愛原「高橋に買ってきてもらう」
 リサ「なるほど」
 愛原「リサは何がいい?」
 リサ「オレンジジュース」
 愛原「分かった。高橋に買いに行かせよう」

 私は高橋にLINEした。
 これには1つ理由がある。
 高橋をここに呼ぶ口実を作る為だ。
 そして、高橋にも斉藤早苗のことは伝えておくわけである。

 リサ「はい、お茶」
 愛原「ありがとう」

 リサは私に煎茶を入れてくれた。

 リサ「着替え、着替え」

 リサは自分の荷物の所に行き、そこから黒いスポブラとショーツを取り出す。
 リサは寝る時、上にはスポブラを着ける習慣がある。
 他には体育がある時とか。

 リサ「わたしの着替え、見る?」
 愛原「バスルームで着替えろよw そろそろお湯が溜まる頃なんじゃないのか?」
 リサ「ちょっと見て来る」

 リサはバスルームに向かった。

 リサ「もうちょっとみたい」
 愛原「そうか」

 それから少しして……。

 絵恋「ぎゃっ!何すんのよ!?」

 部屋の外から、絵恋の叫び声が聞こえた。

 リサ「エレン!?」

 そして、部屋のドアがノックされる。

 愛原「リサ、気をつけて開けろよ?」
 リサ「分かってる」

 リサは右手の爪を長く鋭く伸ばした。
 それだけでなく、パチッと火花を散らして放電の準備を始めた。
 そして、ドアを開けた。

 高橋「何か、不審者がドアスコープ覗いてたんで、ボコしときましたが?」
 絵恋「ううう……」
 リサ「お兄ちゃんだったの……」
 高橋「頼まれた飲み物、買ってきましたよ」
 愛原「ああ、ありがとう」
 リサ「エレン!先生が早く寝ろって言ってたでしょ!」
 絵恋「だってぇ……」
 愛原「もう夜も遅いから、明日にしなさい」
 高橋「そうだそうだ。ガキは寝る時間だぞー」
 リサ「エレン。先生の命令は絶対」
 絵恋「はーい……」

 リサは絵恋を部屋から出した。

 リサ「ちょうど、お風呂のお湯が溜まった」
 愛原「よし、入ってこい。ゆっくり入っていいからな?」
 リサ「はーい」
 高橋「先生を差し置いて1番風呂とは……」
 愛原「俺が先に入れって命令したんだ。文句あるか?」
 高橋「い、いえ……。先生の御命令は絶対ですから」
 愛原「だろ?」

 私は飲み物を部屋の冷蔵庫に入れた。

 愛原「せっかくだ。オマエも茶、飲んでけ」
 高橋「ありがとうございます!」
 愛原「ちょっと、話がある」

 私は高橋にも、斉藤早苗のことを話した。

 高橋「……なるほど。そういうことですか」
 愛原「今のところ、彼女は何もする気はないようだが、しかし俺達が怪しんでることに気づいたら、何かしてくるかもしれん」
 高橋「ですが、明日はウィルス検査っスよね?それでバレるんじゃないスか?」
 愛原「それについて、彼女が何を思っているのかは分からん。とにかく明日、検査が始まるまでは、何も起こらないようにしたい」
 高橋「分かりました。要は、俺も何もするなってことですね?」
 愛原「まあ、そうだな。もし仮に彼女と話をする機会があったとしても、オマエは普通の女子高生と話している感じで接してほしいんだ」
 高橋「分かりました。お任せください」
 愛原「頼んだぞ」
 高橋「向こうが正体を現して襲ってきたら、マグナム撃ち込んでいいんスね?」
 愛原「それは……正当防衛だからな。それでいいと思う」
 高橋「了解っス」

 その後、私は善場主任にメールを送った。

 高橋「姉ちゃん、このホテルにいるんスかね?」
 愛原「分からんな……」

 取りあえず善場主任からは、了解の旨の返信が来た。
 ホテル内には既にBSAAが潜り込んでいるらしい。
 私達は何食わぬ顔で、過ごしてほしいとのことだった。
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“私立探偵 愛原学” 「成田で一泊」

2023-05-22 11:24:34 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[12月23日21時45分 天候:雨 千葉県成田市取香 東横イン成田空港新館]

 成田空港第2ターミナルを出発したバスは、予定通り、第1ターミナルに到着した。
 ここでも乗客を乗せて来る。
 大型バスで運行して当然だと思うくらいの乗客数になった。
 満席ではないものの、2席まるっと空いている所は無いのではないかと思うほど。
 そしてようやく、バスはホテルへと向かう。
 この送迎バス、空港からホテルに向かう際、変わったルートを通る。
 それは、本来のルートであれば国道295号線の取香橋交差点を右折すれば良いのだが、あえてそこを左折する。
 少しうら寂しい住宅街のような所を少し進むと、駐車場らしき空地へとバスは入る。
 しかし、周りを見渡しても、ホテルらしき建物は見当たらない。
 まさか、ここから歩けというのだろうか?
 そうではない。
 バスは再び通りに出ると、来た道を戻り始めた。
 そして、先ほどの取香橋交差点に差し掛かり、今度は直進する。
 何故このような『3段階右折』をするのかというと、取香橋交差点の特殊な構造による。
 別に、右折が禁止されているわけではない。
 ところが、右折先の橋が狭い上に鋭角カーブになっている為、大型車では曲がり切れないからである。
 その為、東横インでは左折先の空き地を転回場として確保し、そこで転回した上で、ホテルに向かうという方法を取っているのである。
 なので、右折禁止ではないが、大型車のみそれは禁止されている。
 さて、そんな『3段階右折』を経て、バスはようやくホテルへと到着した。

 

 運転手「はい、お疲れさまでしたー」
 我那覇絵恋「これで運賃を取らないなんて、凄いわね。チップくらい払った方がいいのかしら?」
 愛原「外国じゃないんだから……」
 絵恋「昔、アメリカ旅行に行った時に乗ったシャトルバスなんか、それはもうヒドいものでしたわ。運転は乱暴だし、車内で音楽は掛けまくるし、食べながら運転するし、おまけに走りながらナンパしてるし……」
 愛原「メキシコのバスの間違いじゃない?」
 絵恋「テキサス州でした」
 愛原「あー……うん。メキシコに近いな」

 バスから荷物を降ろし、私達はホテルの中に入った。

 リサ「大きいホテル……!」
 愛原「ああ。全国にある東横インの中では、大規模だろうな」

 本館と新館が隣接しているが、私達が泊まるのは新館の方。
 本館はどことなくリゾートホテルのような外観をしているが、新館は全国にある東横インの建物の外観とほぼ同じ。
 バスの乗客が一斉にフロントに向かったので混雑しているが、私は自動チェックイン機を使用する。

 高橋「先生。どういう部屋割りになるんスか?」

 当然高橋は、自分が私と同じ部屋であると思っていたらしい。

 愛原「オマエだけ喫煙室だから、別の部屋な」
 高橋「ええっ!?」
 愛原「あとは俺達、禁煙だから」
 絵恋「ですよねー!」

 絵恋さんは明らかに、高橋に侮蔑するような目を向けた。

 高橋「そんな殺生な!」
 絵恋「うるっさいわね!だったら禁煙しなさいよ!タバコ臭い!」
 高橋「うるせっ!」
 リサ「わたしは誰と同じ部屋?」
 絵恋「当然、私ですよねぇ!?」
 愛原「いや。リサは俺と同じ部屋だ」
 高橋「ファッ!?」
 絵恋「はい!?」
 リサ「おー!」
 斉藤早苗「……!?」
 高橋「危険じゃないですか!こんな人食い鬼!」
 リサ「先生は私のダーリンだもんね!当たり前!」
 絵恋「どうしてですか?!私がリサさんと同じ部屋じゃないんですか!?」
 高橋「絵恋さんは早苗さんと同じ部屋で寝てもらう」

 私の部屋割りに、リサ以外の全員が納得していない顔だった。
 但し、早苗さんだけが無表情で、どういう考えをしているのかまでは分からない。

 愛原「それじゃ、これがカードキーな。朝食は朝6時半から9時までらしいから、朝食食べたかったら寝坊しないように。それじゃ」
 リサ「先生!一緒に行こっ!」

 リサは喜び勇んで、私の右腕を組んできた。

 絵恋「ちょっと!どういうことなの?」
 高橋「俺だって知らねーよ!まさかリサのヤツ、俺が留置場に入ってる間に先生とヤッたんじゃねーだろうな?」
 絵恋「ええっ!?留置場!?」
 高橋「ああ。ちょいとサツにパクられて……」
 絵恋「近づかないで、犯罪者!弁護士呼ぶわよ!」
 高橋「元・金持ちの御嬢様はサツじゃなくて弁護士かよ!」
 愛原「おい、何やってるんだ?早く来い!」
 高橋「は、はい!……くそっ!先生の御命令は絶対だからな。逆らえねぇ……」
 絵恋「私だって、リサさんの命令は絶対だからね。逆らえないわよ……」
 早苗「さすがは『魔王様』ね」
 絵恋「そうよ!」
 高橋「そして、我らが愛原先生は、そんな『魔王』を退治する『勇者』であらせられる!」

 何言ってるんだか……。

 愛原「ここからアメニティを持って行くんだ」
 リサ「はーい」

 エレベーターホール付近にクリーニング済みのナイトウェアや、アメニティが置かれている。
 インスタントのお茶なんかもここにある。

 愛原「それじゃ行こう」

 東横インの中でも大規模な店舗ということもあり、エレベーターも4基あった。
 小規模の店舗だと1基しかない所もある中、これだけでも圧巻だ。

 愛原「俺達は9階な?」
 リサ「そこそこ高い」
 愛原「そうだな」

 私達はエレベーターに乗り込んだ。
 喫煙可の部屋の高橋だけ、別のフロアだ。

 リサ「やった!先生と同じ部屋……同じ部屋……!」

 リサはやたら興奮している。

 絵恋「リサさん、部屋に遊びに行くからね!?」
 リサ「いや、来なくていいよ」
 絵恋「そんなぁ……!」
 愛原「もう夜も遅いんだから、早く寝なよ」
 リサ「先生の命令は絶対」
 絵恋「ううう……」

 『女の友情』は、時には恋愛や結婚の足枷になるとは、よく言ったものだ。
 私とリサは、自分の部屋に入った。

 リサ「先生!早速ヤろ!?」
 愛原「いや、そんなつもりで一緒の部屋にしたんじゃないんだよ」
 リサ「ええーっ!?」

 ヤるだけだったら、ラフボに行くわい。
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