報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「いわき市で一泊」 4

2023-05-05 20:23:32 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月12日21時00分 天候:晴 福島県いわき市平四町目 ホテルルートインいわき駅前]

 スナックで再び酒を飲んだ私は、同じくカラオケで歌いまくったリサを連れてホテルに戻った。
 いくらリサがヤクザに絡まれていた店員を助けたからといって、全部タダにしてもらうのは気が引けたので、リサが歌ったカラオケ代は払っておいた。
 それからホテルに戻る。

 愛原「さーて、風呂入って、明日に備えて寝るか」
 リサ「大浴場だね」
 愛原「そうだ」
 リサ「わたしも入る」
 愛原「おーう。一緒に行こう」

 私達はエレベーターに乗って、まずは自分の部屋に戻った。

 愛原「それじゃあ、浴衣に着替えたら一緒に行こう。タオル忘れるなよ」
 リサ「はーい」

 私とリサは部屋に入った。
 部屋に戻った私は、トイレに立ち寄ってから甚平に着替えた。
 浴衣ではなく、甚平がこのホテルのナイトウェアのようだ。
 それに着替えて、部屋の外に出る。
 すぐにリサも出てきた。

 愛原「もっと、胸元隠して」

 リサの胸元からは、黒いスポブラがチラッと見えていた。

 リサ「着慣れないからねぇ……」

 それまで着ていた私服の下は、普通のブラだったのだろうが、着替えるに当たって、下着も換えたようである。

 愛原「直したら行くぞ」

 そして、エレベーターに乗って最上階に向かった。

 リサ「ラジウム人工温泉、『旅人の湯』……」
 愛原「さすがに、天然温泉というわけにはいかなかったか」

 もちろん、男女別である。

 愛原「こらこらこら」
 リサ「えっ、混浴じゃないの?」
 愛原「LGBTの湯か!ンなわけねーだろ」

 何か最近、日本の温泉では一部のLGBTが暴走して、体が男の癖に、『心は女だから』という理由で、女湯に入ってトラブルが起きているらしいが?

 愛原「体は女なんだから、オマエは女湯だ」
 リサ「はーい」

 リサは分かっていたかのような返事をした。

 リサ「じゃあ、上がったらそこの休憩所で待ち合わせね?」
 愛原「ああ、そうしよう」

 リサが指さした所には、男女共用の湯上り処がある。
 マッサージチェアや自販機の他、コインランドリーもあった。
 私は男湯に入った。
 高橋がいたら、歌舞伎の役者みたいな口上で私の背中を嬉々として流してくれるのだろうが、さすがに今日は無理だ。
 あいつが出所したら、またどこかの温泉に行こうかとも思う。
 それにしても……。
 洗い場で体を洗い、湯船に浸かってふと思う。
 展望風呂と謳われているが、けして露天風呂があるわけではない。
 湯船の所に窓があり、それで外の景色が見れるというだけであった。
 ただ、最上階にあるだけあって、確かにその窓からは、いわき市の夜景が見えた。
 私がふと思ったというのは、上野医師と斉藤玲子は、こういうホテルに泊まったのだろうかということだ。
 恐らく、今から50年前であれば、そんなにチェーンホテルも無かった頃だろう。
 また、逃走資金については、潤沢には無かっただろうから、節約の為にホテルよりも、民宿に泊まったかもしれない。
 逆に当時は、ホテルよりも民宿の方が多かったのではないか。
 中には大浴場があって、場合によって混浴的な所もあったかもしれない。
 何しろ、1970年代という今よりも大らかな時代だ。
 先ほどかましたリサのボケが、ボケじゃなくて済んだかもしれないのだ。
 もしかしたら、本当に上野医師と斉藤玲子は、そういう所でイチャラブしたのかもなぁ……。

[同日21時45分 天候:晴 同ホテル最上階]

 考え事をしていたら、ゆっくり浸かり過ぎてしまった。
 せっかくスナックで奢ってもらった酒も、ここで汗と共に流れてしまった感がある。
 また、飲み直したくなった。
 確か、先ほどの休憩所に自販機があったな。

 リサ「あ、先生」
 愛原「おお、リサ」

 脱衣所を出ると、リサもちょうど出てくる所だった。

 リサ「わたし達、気が合うね?」

 リサはニッと笑った。
 風呂上がりの為、マスクはしておらず、笑ったリサの口元からは牙が覗いた。

 愛原「そうだな。ちょっと、水分補給して行こう」
 リサ「ジュースジュース」

 休憩所に行く。
 私はビールの自販機へ……。

 リサ「また飲むの?」
 愛原「下の350ml缶だよ」

 上の段は500ml缶だった。

 愛原「リサはジュースな。何がいい?」
 リサ「レモンスカッシュ」
 愛原「あいよ」

 ここで私は氷結を買った。
 そして、テレビの前の椅子に座ってそれを開ける。
 テレビはニュース番組をやっていて、郡山市での爆弾テロのことをやっていた。
 どうやら、東京でクルド人2人がヴェルトロのメンバーであったことが分かったらしい。
 BSAAからヴェルトロは、その組織そのものが国際指名手配を受けていて、メンバーは漏れなく全員BSAAからの拘束対象になる。
 つまり、ヴェルトロという組織に所属しているというだけで逮捕されるということである。
 やはり、海外は厳しい。
 確か、マフィアに入っているというだけで逮捕される国もあるんじゃなかったかな。
 日本は、指定暴力団に入っているというだけでは逮捕されないんだから、本当に優しい国だね。
 テレビは成田空港に移送されるクルド人達を映していた。
 何でも彼らはBSAAに引き渡されることが決定し、ヴェルトロの捜査権を持つ欧州本部に移送されるという。

 アナウンサー「……尚、警視庁では、クルド人容疑者と共に行動していた日本人についても、関与が無かったがどうか、調べを進めています」
 愛原「ぶっ!」
 リサ「それって、お兄ちゃんのことじゃ?」

 関与が無かったと明らかになってほしい。

 愛原「そもそも何であいつら、斉藤玲子の実家を爆破したんだろうな?」
 リサ「そうだねぇ……」

 まさか、ヴェルトロと何かの関係があったのだろうか?
 まさかな……。
 ヴェルトロはそんな、50年前から存在していたとは思えない。
 一体、何だろう?

 リサ「ねぇ、先生」
 愛原「何だ?」
 リサ「この後、先生の部屋に行ってもいい?」
 愛原「オマエなぁ……」
 リサ「マッサージしてあげる」
 愛原「俺、酒飲んじゃったから、血は吸えないぞ?」
 リサ「うん。それはいいよ」

 酒を飲んだ私の血を吸っても、リサは酔っ払うことが明らかになっている。

 愛原「まあ、そういうことなら……」
 リサ「やった!じゃあ、早く飲んで行こうね!」
 愛原「うーん……」
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“私立探偵 愛原学” 「いわき市で一泊」 3

2023-05-05 15:03:12 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月12日19時00分 天候:晴 福島県いわき市某所 某繁華街]

 私とリサは夕食を終え、焼き鳥屋を出た。

 リサ「ふー、お腹いっぱいだっちゃ」
 愛原「そりゃあ、良かった」

 焼き鳥なら安いだろうと思ったのだが、リサがガッツリ食べたので、それほど予算が抑えられたわけでもなかった。

 愛原「それじゃ、ホテルに戻るぞ」
 リサ「うぃーっす」

 ホテルの道すがら、繁華街を歩く。

 客引きA「今なら飲み放題5000円ポッキリでーす!」
 客引きB「カラオケいかがっスかー!」

 客引きの引く手を避けながら歩いていると……。

 女性「や、やめてください!」
 酔っ払い「いーじゃねーか?おぉ?」

 路地裏から、女性の声と男の声が聞こえた。

 愛原「何だ?」

 私が覗いてみると、恐らく夜の店の店員と思しき女性と、派手なスーツを着た男がいた。

 女性「い、いい加減にしてください!」
 酔っ払い「ンなこと言ってええんか?大河原組から助けてやった恩あるやろー?」
 女性「で、でも……!」
 酔っ払い「ええから、チューしよ!チュー!」
 女性「やめてください!」

 夜の街ではたまに見かける光景だが、さすがにこのまま見過ごすわけにはいかないな。
 私はスマホを取り出し、警察に通報しようとした。
 だが!

 リサ「ちょっと、やめなよ!オジさん!」
 愛原「ええっ!?」

 何と、リサが直接止めらに言った。

 酔っ払い「何や、このガキ?」
 リサ「女の人、困ってるよー?」
 愛原「り、リサ!そういうのは危険過ぎるから!」

 私がリサを羽交い絞めにして、引っ込もうとすると、男がこちらを向いた。
 紫色のスーツに金色のバッジが光っており、髪はオールバックにしている。
 顔にも傷跡があり、歳は私と大して変わらない。
 ヤックザさんか!?

 酔っ払い「オマエのガキかい?余計な首突っ込まんよう、躾するんやな!」
 女性「危ない!」

 ヤクザの拳が私に飛んでくる。

 愛原「うわっ!」

 私は間一髪避けた。
 だが、拳の風圧で私の帽子が飛ばされる。

 ヤクザ「ようかわしたのー?だが、次はそうはいかん……」

 ザシュッ!

 ヤクザ「いっでーっ!」

 ヤクザの顔に爪痕が走り、そこから血が出る。
 見るとリサが正体を現し、両手の爪を長く鋭く伸ばしていた。
 本当なら、あんな傷では済まないはずだ。

 リサ「先生を殴ったーっ!!」

 リサ、ヤクザに飛び掛かる。

 リサ「だぁーっ!!」
 ヤクザ「何すんねん!」

 リサ、ヤクザに卍固めをすると……。

 リサ「おらぁーっ!」

 バリバリバリバリバリバリバリ

 ヤクザ「ぎゃああああああっ!!」

 リサ、久しぶりに電撃を放つ。

 愛原「り、リサ!もうこの辺でいいから!」

 私は何とかリサを制した。

 ママ「ちょっと、どうしたの!?何の騒ぎ!?」
 女性「ママ!」

 近くの店から、スナックのママと思しき女性が出てきた。

[同日19時30分 天候:晴 同市内 某スナック]

 ママ「うちのコ、助けてくれてありがとね。御礼に好きなだけ飲み食いしてかからね?」
 愛原「あ、ありがとう」
 リサ「わたしもマティーニ!」
 愛原「だから、オマエはダメだって!……あの男はヤクザなんですか?」
 ママ「ええ。若頭さんよ」
 愛原「若頭って言ったら、組のナンバー2とかだろうに、あんな体たらくなのか」
 ママ「普段は若頭らしく、しっかりした人なんだけど、お酒が入るとね……」
 愛原「クズ男に対する女性からの評価、だいたいそんなもんなんだよな」

 どう見ても最低DV野郎なのに、『普段は優しい』とか、『イケメンだから許す』とか、『キモヲタよりマシ!』とか言うんだよなぁ。

 愛原「真面目に生きてる男をもっと評価しろや、女様!」
 リサ「わたしは評価するよ!」
 愛原「それはありがと」

 しばらくすると、ママから通報を受けた組の若い男達が若頭を迎えに来た。

 組員A「カシラ、大丈夫ですか!?」
 組員B「アニキ、しっかりしてくだせぇ!」
 若頭「く、くそっ……!」
 ママ「言っとくけど、こんなカタギの人達にボコボコにされるなんて、メンツ丸潰れもいい所だからね!?こんなこと、親分さんに知られたら大変なことになるよ!」

 随分煽るママだなぁ……。

 若頭「さ、先ほどは申し訳ありませんでした」

 さすがにママに言われたからなのか、若頭と呼ばれたあの酔っ払いは、完全に酔いが覚めた様子で、私達の所に来て土下座した。

 若頭「落とし前は後でキッツリ付けさせてもらいますんで、今回の所は、どうか1つ……」
 愛原「まあまあ。私自身は何も無かったですから」
 若頭「寛大なお言葉……!」

 だいたい、今回はリサが物凄く強かっただけだ。
 普段はこの若頭も、戦闘力は強いのだろう。
 だが、酔っ払っていたのと、それとラスボスも張れるリサが相手では、運が悪すぎた。

 愛原「それより、ちょっと1つ聞きたいことが……」
 若頭「な、何でしょう?」
 愛原「あなたはどこの組の人ですか?」
 若頭「は、はい!」

 若頭は立ち上がると、懐から名刺を取り出した。

 若頭「奥州虹元組で若頭やっとります驫木(とどろき)と申します」
 愛原「驫木さんね。その……奥州虹元組さんは、50年前からこの町を仕切っておられるの?」
 若頭「は?」
 リサ「先生?」

 上野医師は警察だけではなく、ヤクザにも追われていた。
 その理由は、上野医師が当直中、病院に担ぎ込まれたヤクザを治療ミスで死なせてしまったからである。
 その報復で追われていたのだという。
 しかし、広域暴力団であればともかく、そうではない地域暴力団が、広域捜索を単独で行うのは難しい。
 その場合は、その地域を仕切る暴力団に協力依頼をするはずである。
 もしも上野医師を追っているヤクザが、この虹元組に協力を仰いだのであれば、知っている人がいるかもしれないのだ。

 驫木「50年前どころか、もっと昔からうちは存在してますよ。50年前って言ったら、ちょうどうちのオヤジ(組長)が、新しく親分になったばかりでしたから」
 愛原「なるほど。それじゃ、その組長さんは、50年前の事を御存知なんですね?」
 驫木「は?」
 愛原「50年前、東京のヤクザが、虹元組に捜査協力の依頼をしたことは御存知ですか?」
 驫木「い、いえ、知りません。そんなことがあったんですか?」

 やはり、私と同じ年代の若頭程度では知らないか。

 愛原「恐らく、組長さんなら覚えているかもしれない。組長さんに会って、話を聞けませんか?」
 驫木「オヤジですか?しかし、カタギの人間を会わせるのは……」
 愛原「ママさん、組長さんに、おたくの若頭さん、たかが女子高生にボコボコにされたと通報しといてください」
 ママ「あいよ」
 驫木「あーっ!わ、わわ、分かりました!俺から話通しておきます!」
 愛原「できれば早い方がいいんで、明日の午前中にでもお邪魔させてもらえませんか?」
 驫木「わ、分かりました。午前中ですね」
 愛原「こちらの住所の組事務所に行けば宜しいの?」

 私は驫木の名刺に書かれている住所を指さした。

 驫木「は、はい。そうです」

 恐らく上野医師達がいわき市から桧枝岐村に移動したのは、警察かヤクザ、どちらかに見つかったからだ。
 そして、海がダメなら山へ逃げようと思ったのかもしれない。
 しかし、私は警察ではなく、ヤクザに見つかったのではないかと思った。
 地元の新聞どころか、全国紙にまで載ってしまったことで、上野医師を追っていたヤクザも、彼らがいわき市に潜伏していることを突き止めたのだろう。
 そして、市内中を隈なく探して、彼らを見つけたに違いない。
 隈なく探す為に、虹元組に協力を仰いだ可能性は高い。
 あとは、そこから情報を得れれば……だ。
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“私立探偵 愛原学” 「いわき市で一泊」 2

2023-05-05 11:32:40 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[11月12日17時05分 福島県いわき市平四町目 ホテルルートインいわき駅前]

 私達はいわき市の繁華街の中にあるビジネスホテルに到着した。

 リサ「ツイン?それともダブル?」
 愛原「シングル2部屋に決まってんだろうが」
 リサ「えーっ!わたしのこと、しっかり監視する為には、同じ部屋の方がいいよ!?ほら、わたしが暴走して脱走したら、先生の責任になるんでしょ?」
 愛原「そしたらBSAAが出動してきたり、大変なことになるだろうな」
 リサ「でしょ?でしょ?」
 愛原「そしたら、オマエは捕まって大嫌いな研究所送り。最悪、射殺」
 リサ「わたし、死なないもーん」
 愛原「オリジナルのリサ・トレヴァーは、洋館の自爆に巻き込まれて死んだじゃないか」
 リサ「そうだけど……」
 愛原「部屋は隣同士だから」
 リサ「ホント!?」

 というわけで私は、フロントに行って、チェック・インをした。

 愛原「ほら、カードキー」
 リサ「私のゴールドカードキーでは……」
 愛原「開くわけねーだろ」

 エレベーターに乗って、客室フロアに向かう。

 愛原「えーと、ここだな……」

 エレベーターを降りて、客室に向かう。

 愛原「俺がこっちで、リサはそっちだな。隣同士だろ?」
 リサ「うん。後で遊びに行くね?」
 愛原「オートロックで鍵が掛かってんぞ?」
 リサ「うん、天井裏からダクト通って行く」
 愛原「ウーズか!モールデッドか!」
 リサ「そんなザコ共と一緒にしないでよー」
 愛原「全く……」

 私は取りあえず、部屋に中に入った。
 部屋はオーソドックスなシングルになっている。
 荷物を置いて、まずはお茶でも一杯飲んで落ち着こうと思った。
 しばらくすると、部屋のドアがノックされた。
 どうやらリサのヤツ、本当にドアから来るらしい。
 私がドアスコープから外を覗くが、普通は見えるはずの廊下が見えない。
 何だか、赤黒いような……?
 ドアスコープが汚れているのだろうか?
 それにしても、全く外が見え無さ過ぎた。
 何かに塞がれている?
 分かった。
 リサのヤツ、手でスコープを隠しているんだな?
 しょうがないヤツだ。
 私がドアを開けると……。

 愛原「うわっ!?」

 リサがドアに張り付いていた。
 そして、ドアスコープから逆に私の部屋の中を覗いていたのだった。
 ということは、私がドアスコープから見た景色というのは……。

 愛原「オマエの目か!」

 リサは右目だけ、『鬼の目』をしていた。
 白目が赤黒くなり、瞳孔の部分は白い、三白眼。

 リサ「バレた?」

 リサは右目を戻しながら言った。

 リサ「先生の部屋、覗けるよ?」
 愛原「覗くなっちゅーに!」
 リサ「それより入っていい?」
 愛原「ったく、しょうがないな」
 リサ「わー、お邪魔しまーす」

 リサを中に入れると、ちょうどお湯が沸くところだった。

 リサ「お湯沸かしてるの?」
 愛原「お茶でも一杯飲もうと思ってね」
 リサ「わたしが入れてあげる」
 愛原「そうか?じゃあ、頼むよ」
 リサ「うん」

 リサは私の為に煎茶を入れてくれた。

 リサ「はい」
 愛原「ありがとう」

 私がお茶を飲んでいると、リサは辺りを見回した。

 リサ「お風呂一緒に入ろう」
 愛原「ぶっ!」
 リサ「そこにあるでしょ?」
 愛原「あのなぁ。どうして、俺がこのホテルを選んだか分かるか?」
 リサ「ん?」
 愛原「このホテルの最上階には、大浴場がある。それを狙ったんだよ」
 リサ「そうなの?」
 愛原「ユニットバスの狭いバスタブよりは、大浴場で足を伸ばして入りたいもんだ」
 リサ「先生は温泉が好きだねぇ」
 愛原「もちろんだ」
 リサ「露天風呂付きの部屋とか、あるでしょ?」
 愛原「高級旅館とかに行けば、そういうのあるな」
 リサ「先生と一緒に、そこに泊まって……あとはイチャラブしたい
 愛原「オマエなぁ……」
 リサ「先生も好きでしょ?そういう動画、ダウンロードしてたよね?」
 愛原「ギクッ!またオマエ、俺のパソコンを!パスワード変えたのに!」
 リサ「甘いよ。『JK美少女といけない温泉旅行』なんて……」
 愛原「こらこら!お茶飲んだら、さっさと夕飯食いに行くぞ!」
 リサ「そうしよ。さっき、お腹の中身を出したらね、お腹空いちゃったの」
 愛原「そうなのか」

 するとリサ、私の耳元まてでやってきて、そっと囁いた。

 リサ「わたしのお尻の穴からね、ぶっといのが3本も出てきたの」
 愛原「ぶっ!そういうことは、黙っていなさい!」
 リサ「だってぇ、先生。『JK美少女浣腸!脱糞!』って……」
 愛原「ダウンロードしてないから!」

 こりゃ早いとこ飲んで、夕食に行かなくては。
 そこにいる鬼娘が欲情して、私が襲われる。

[同日18時00分 天候:曇 同市内某所]

 案外、市街地にはファミレスの類は無いようだ。
 リサは肉類を好んだので、繁華街の中にある焼き鳥屋に入った。

 愛原「オマエはアルコールダメだぞ」
 リサ「えー……」
 愛原「えーじゃない」
 リサ「じゃあ、焼き鳥盛り合わせ。生で」
 愛原「それ、『焼き』鶏じゃねーよ!」
 リサ「ビールも生で」
 愛原「だから、あと3年待て」
 リサ「エッチも生で」
 愛原「妊娠したら学校行けなくなるぞ」
 リサ「えー……」

 私はビール。
 リサはウーロン茶を注文した。
 あとは、焼き鳥盛り合わせ。

 リサ「お母さん達も、こうやって食事したのかな?」
 愛原「逃亡中でも、腹は減るだろうからな。でもさすがに、酒はダメだろう」
 リサ「だよね」
 愛原「上野医師は飲んだかもしれないけどな」
 リサ「そして、酔った勢いでぇ……」
 愛原「どうだろう?」

 私は首を傾げた。
 いわきの海岸に潜伏していた上野医師達が、その後、桧枝岐村まで移動した理由は何なのだろう?
 まあ、1つ考えられるものはあるがな。
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