報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「リサのピンチ」

2020-08-10 21:59:35 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[7月23日16:00.天候:雨 伊豆諸島某離島 村役場 視点:愛原リサ(リサ・トレヴァー)]

 ネメシス:「ウガ……」

 リサを抱えていたネメシス。
 役場の奥の応接室に連れてくると、その片隅にリサを降ろした。

 リサ:「ん……」

 一瞬、気を失っていたリサが意識を戻す。

 ネメシス:「ウガウガ」
 リサ:「『気が付いたか?』だって?なに勝手なことしてんの?」
 ネメシス:「ウガウガ。ウガガ」
 リサ:「『人間の魔の手から助けてやった』だって?だから、勝手なことすんなって。私は別にあの人達に悪い事されてたわけじゃないよ。もういい。私は帰る」

 リサが立ち上がって、部屋の外に出ようとした。
 だが!

 ネメシス:「ウガッ!(待てっ!)」

 ネメシスに腕を掴まれた。

 リサ:「何よ!?放してよ!」
 ネメシス:「ウホッ!ウガガーッ!(ウホッ!俺好みの美少女!)」
 リサ:「はあ!?悪いけど、私は他に好きな人いるし!じゃあね!」

 リサが何とか手を振り解いて部屋の外に出ようとするが、またもや掴まれる。

 リサ:「いい加減にして!怒るよ!?」

 リサは牙を剥き、金色の瞳を赤く光らせてネメシスを威嚇した。
 だが!

 ネメシス:「ウホホーッ!ウガガーッ!(うほほーっ!たまらーん!)」

 ネメシス、却って別の意味で悶絶した。

 ネメシス:「俺ト交尾スル!子孫作ル!」

 ついに片言の人語を使ってきた。

 リサ:「わぁーっ!」
 ネメシス:「ハァ……ハァ……」(*´Д`)

 ネメシス、まさかの発情期!
 リサ、再び部屋の隅に追いやられた!

 リサ:「誰か助けてーっ!」

 まさか展開に、さすがのリサ・トレヴァーも恐怖の方が勝る。
 と、その時、応接室のドアがドンドンと叩かれた。

 リサ:「先生、助けに来てくれた?!」

 バァン!(ドアがこじ開けられる)

 ゾンビA:「アァア……!」
 ゾンビB:「ウゥウ……!」
 ゾンビC:「オォオ……!」

 だが、入って来たのは島民の成れの果てと思しきゾンビが3体であった。

 リサ:orz
 ネメシス:「ウガーッ!(邪魔すんな!)」

 ネメシス、右手を触手に変化させ、自分の体細胞の一部をゾンビ達に寄生させた。

 ゾンビA:「ガァァァ……!」

 頭部が触手の生えたグロテスクな覆面のようになったゾンビ達は、錯乱しながら部屋の外に出て行った。

 ネメシス:「ウガ……。(邪魔者はいなくなったぜ、子猫ちゃん?)」
 リサ:「こんな化け物に処女喪失なんてサイテー……」

 リサ、半分諦めの状態になる。
 だが、外から爆発音が聞こえて来た。

 ゾンビA:「ギャアーッ!」

 その爆発に巻き込まれたゾンビ達が断末魔を上げる。

 リサ:「今度は何?」
 愛原:「リサ、大丈夫か!?」
 リサ:「先生!」

 リサの顔がパッと明るくなる。
 が、すぐに切羽詰まった顔になった。

 リサ:「……と思ったけど、やっぱ逃げて!危ない!」
 ネメシス:「ウガーッ!(邪魔すんな!)」

 ネメシスがツカツカと愛原の所に歩いて行き、右手を振り上げた。
 愛原を殴り殺そうというのだ。

 愛原:「……あれ、いない!?どこ行ったんだよ、もう!……すまん、リサ!もうちょっと頑張ってくれ!戦略的撤退!」

 愛原、脱兎の如く逃げてしまった。
 どうやら先ほどの爆発、愛原が拾った手榴弾でも使ってゾンビを一掃したらしい。

 リサ:「…………」
 ネメシス:「ウガ?ウガ……。(何だ、あいつ?……まあいい)」

 ネメシス、再びリサに向き直る。

 ネメシス:「今度コソ、オ前ト夫婦ノ契リ結ブ」
 リサ:「キモッ!これ以上近づくな!」
 ネメシス:「ウガガ……。オ前トハ二人キリ……クフフフフフ……」
 リサ:「いやあぁあぁぁあ……」

 リサ、絶望の声を上げる。
 リサの顔に自分の顔を近づけたネメシスだったが、何故かその動きが止まった。

 リサ:「……?」

 リサが下を見ると、ネメシスの腹から一本の腕が伸びているのが分かった。
 変異にしても、随分と変な変異……ではなかった。

 タイラント:「…………。(リサ御嬢様を襲ったのは、こいつで宜しいでしょうか?)」

 タイラントがネメシスの背中から拳を突き入れ、それが貫通して腹から出たのだった。

 リサ:「タイラント君!」
 ネメシス:「ウゥゥ……!(テメェ、何を……!)」

 ゴッ!(タイラントの拳がネメシスの脳天を直撃する)

 タイラント:「…………。(うるさい)」

 タイラントはネメシスの頭を西瓜割りの西瓜のように割ると、中から脳みそやら何やら引きずり出して、後はもう【グロいのでカット致します】。

 愛原:「さすがはタイラント!アメリカじゃ、G成体にやられてたけどな!」

 詳細は“Biohazard Re:2 クレア編”をプレイして頂きたい。

 愛原:「ネメシスよりは強かったか!」
 リサ:「愛原先生!怖かったーっ!」

 リサは愛原に抱き付くと、わあわあ泣いた。

 愛原:「そうかそうか。でも、よく頑張ったな。……ちょっと、苦しいんだが?……オマ、いま第一形態……鬼の力……放せ……」

 ガクッ!(愛原、リサに強い力で抱きしめられてダウン)

 愛原:Ω\ζ°)チーン
 リサ:「あ、ゴメンナサイ……」
 タイラント:「…………。(それでは御嬢様、私めに何卒御命令を)」
 リサ:「ああ、そうか。分かった。あなたを連れて来たのは愛原先生ね。ネメシスを倒せるのはタイラント君だけだもんね」
 タイラント:「…………。(倒し方をどうしようか考えるのに苦労しました。完全に背中を見せてくれていて良かったです。それより、早く御命令を)」
 リサ:「取りあえず、外に出よう。あなたは愛原先生を担いで」
 タイラント:「…………。(かしこまりました。御嬢様)」

 タイラントは、愛原をまるでズダ袋を背負うかのように背負った。

 リサ:「もうちょっと丁寧に運んであげてね!」

 応接室を出て役場の外に向かう。
 途中でネメシスや愛原に倒されなかったゾンビ達が呻き声を上げて近づいてきたが、リサの敵ではなかった。

 リサ:(このタイラント君、後でどうしよう?命令を与え続けないと、暴走するんだよなぁ……)
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“私立探偵 愛原学” 「ネメシス現る!」

2020-08-10 17:06:31 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[7月23日15:00.天候:曇 伊豆諸島某離島 村立病院駐車場→村役場前]

 愛原:「キーが付いてる車が軽トラだけだと!?」

 駐車場に行くと、離島だからか、軽自動車がやたら止まっていた。
 それはいいのだが、キーが付いていて、今すぐ動かせる車が軽トラしか無かった。

 善場:「しょうがないですね。これで行きましょう。私が運転しますので、愛原所長は助手席に。リサ・トレヴァーは荷台で、敵襲来に備えてください」
 愛原:「わ、分かった」

 私は助手席に、第二形態から第一形態に戻ったリサは荷台に乗り込んだ。
 善場主任はエンジンを掛けて、すぐに軽トラを出した。
 軽トラはMT車だったが、普通に善場主任は運転していた。
 いくら大型免許が必要だったといっても、装甲車を病院に突っ込ませたのはワザとじゃなかったのか。
 一旦、エントランスの前を通ると、生き残ったゾンビ達がわらわらと出て来たが、もちろん走る軽トラを捕まえることはできない。

 愛原:「リサ!タイラントやネメシスの気配を察知したら、すぐに教えてくれ!」

 私は窓を開け、荷台にいるリサを振り向いて言った。

 リサ:「うん、分かった!」

 来た道を戻るだけだ。
 途中で跋扈していたであろうゾンビ等は、既にBSAAが掃討してくれている。
 だから、途中でそのようなクリーチャーと遭遇することはなかった。

 愛原:「あれ?途中に分かれ道が……?」

 Y字路交差点があった。
 元々交通量が少ないせいか、信号機は無い。

 善場:「市街地……村役場の方に行くか、港の方に行くかで分かれているみたいですね。HQは港の方です」
 愛原:「なるほど」

 どちらも舗装されているが、道幅はそんなに広くない。
 装甲車のような大型車が来たら、すれ違いは不可能だろう。
 だが、少し進んで私達は進路を阻まれた。

 愛原:「これは……!」

 道を倒木で塞がれていた。
 それも、何本とかいうわけではない。

 リサ:「私が退かそうか?」

 リサが言った。
 確かにリサが変化したらできるかもしれない。

 善場:「いえ、別の道を行きましょう」

 別の道は市街地を通って行くルートか。
 善場主任は軽トラをUターンさせると、さっきの分かれ道に行き、今度は村役場の方へハンドルを切った。

 愛原:「それにしても、ネメシスといい、タイラントといい、どこへ行ったんだ?」
 善場:「HQの跡地にいるか、或いはこれから通る市街地かもしれませんね」
 愛原:「ええっ!?」

 市街地に差し掛かる。
 ここでも大惨事の後であることが分かった。
 火災に見舞われたのが、黒焦げの廃車や全焼した建物がある。
 それどころか、役場の庁舎にはBSAAのヘリコプターが墜落して突っ込んでいた。
 役場は2階建てである。

 愛原:「こりゃひょっとすると、BSAAは全滅か?」
 善場:「もしそうだとしても、増援が来るはずですよ。もっとも、離島ですから少し時間が掛かるかもしれませんが」
 リサ:「ねぇ!あれ見て!」

 リサが指さした所を見ると、役場の屋上に巨漢の者が立っていた。
 そして、BSAAの隊員達の頭を片手で握り潰したのである。

 愛原:「うわ……エグ……!」
 善場:「ここは危険です。急いでHQに行きましょう。タイラントがいる可能性もありますが、こちらにはリサ・トレヴァーがいます。ネメシスよりは安全です」
 愛原:「確かに」
 リサ:「あっ、こっちに気づいた」
 愛原:「だ、大丈夫だろ。ネメシスの目的はBSAAを全滅させることにあるんだろ?だったら、俺達に用は無いはずだ」

 ところが、だ。
 ネメシスがこちらに気づいたかと思うと、2階から飛び下りてダッダッダッと走って来た。

 リサ:「用があるみたいだよ?」
 愛原:「冗談じゃない!」
 善場:「逃げます!」

 善場さんは軽トラを急発進させた。
 だが!

 リサ:「あっ!」

 その弾みでリサが荷台から投げ出された。

 愛原:「善場さん!リサが!」
 善場:「リサ・トレヴァーなら大丈夫でしょう!後で回収します!まずはHQに……」
 愛原:「そのHQにタイラントがいたら、リサのいない私達はあっという間に襲われますよ!?」
 善場:「! そうでした!」

 善場主任は今度は急ブレーキ。
 シートベルトをしていなかったら、フロントガラスに突っ込んでいたところだ。

 愛原:「ウソだろ!?」

 私が振り向くと、リサはネメシスに拉致されようとしていた。

 リサ:「放せ!放せ!」

 リサはジタバタと暴れているが、ネメシスはそんなこと気にしていない。

 愛原:「り、リサを放せ!」

 私は軽トラから降りると、ショットガンの銃口をネメシスに向けた。
 だが、ネメシスは全く動揺しない。
 完全にスルーしている。

 愛原:「撃つぞ!」

 そう言って、私はネメシスにショットガンを発砲した。
 それはネメシスの背中に当たったが、ヤツにとっては小石が当たった程度にしか感じていないらしい。
 やはり、ダメか。
 アメリカでは変化に変化を重ね、やっとこさ超電磁砲(レールガン)で倒されたというのだから。

 愛原:「追いましょう!」
 善場:「危険です!あいつはBSAAを全滅させた上級BOWです!」
 愛原:「でもこのままだと、リサが殺される!」

 そうだ。
 BOW同士、仲間意識は実は無い。
 斉藤絵恋さんがBOW化したものの、それが免れた時、リサはホッとした。
 その理由が、『サイトーがBOWになったら、ライバルになるから』だそうだ。

 善場:「私はHQに戻ってBSAAの増援を待ちます。それが来次第、役場に向かいます。どうか愛原所長、無理をなさらぬように」
 愛原:「分かってるよ」

 私は銃を抱えて、役場の正門を潜った。

 愛原:「普通に庁舎の中に入って行きやがったな……」

 ネメシスはリサをどうするつもりなのだろう?
 まさか、食べる気じゃないだろうな?
 ゾンビ同士は共食いすることもあるらしいが、BOWはどうなのだろう?
 私は距離を取りながら、奴の後ろを付いて行った。
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“私立探偵 愛原学” 「この病院ステージのボス戦は逆さ女……もとい、サスペンデッド!」

2020-08-10 10:14:23 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[7月23日15:00.天候:曇 伊豆諸島某離島 村立病院]

 屋上からエレベーターに乗り、地下階へと向かう。
 ドアが開くと、そこは血の惨劇だった。

 隊員A:「これは何という……」

 BSAA隊員の死体やゾンビの死体があちこちに転がっており、その荒れ具合は地上以上だった。
 壁や天井には弾痕が沢山残っており、BSAA隊員が発砲しまくったのは想像に難くなかった。

 愛原:「リサ!タイラントの気配は分かるか!?」
 リサ:「……分からない。多分、もうここにはいない」
 愛原:「何だって!?」

 第一形態の『鬼娘』の姿をしているリサの一本角が鈍く光った。
 多分この角が、今のリサの弱点なのだろう。
 弱点と思しき場所をBOWは光らせることがあるので、とても分かり易い。
 が、リサの場合、弱点の範囲が角一本部分と、とても狭すぎる。

 隊員A:「非常階段のドアがこじ開けられている!」
 愛原:「ここから出て行ったのか!?」

 私達は非常階段を登った。

 ゾンビ:「アァア……」

 途中の階段で、まだ死に切れていないゾンビが呻き声を上げて這いつくばっている。
 このゾンビには下半身が無かった。
 なので、スルーしても特に問題は無い。
 BSAAでも弾を節約したい、だがクリーチャーからの追尾は阻止したいという場合、足を狙うのだそうだ。
 足を部位破壊させることで、這いつくばってでしか移動できないようにすれば、素早く追って来ることもなくなるし、ドアをこじ開けて追い掛けてくることもないということだ。
 但し、今回は初期型のゾンビウィルスだからいいが、最近の物では必ずしも当てはまらない個体が出て来たので注意が必要だ。

 愛原:「1階のドアが破壊されている」
 隊員A:「ここから逃げたようですね!」

 非常階段の外に出ると、そこは先ほど入って来た病院のロビーだった。

 隊員A:「こうなったら、まずはHQに戻りましょう。もしかしたら、生き残りがいるかもしれません」
 愛原:「分かりました」

 私達がエントランスから外に出ようとした時だった。

 リサ:「危ない!」

 リサが天井を見て叫んだ。
 が、既に遅かった。

 隊員A:「ぐわーっ!」

 天井から一本の鎗が伸びて来て、それが隊員の頭を貫通した。
 頑丈なヘルメットを被っているにも関わらずだ。
 そして、屈強な隊員を軽々と天井に持ち上げ、乱暴に放り投げる。
 そこに、わらわらとリッカーの群れが現れた。

 愛原:「り、リッカーだ!」

 私は天井を見上げた。
 そこにいたのは……。

 サスペンデッド:「見ィつけたぁァァァァ……!」
 愛原:「さ、逆さ女!?」

 リッカーもサスペンデッドも、ゾンビの成れの果てだ。
 ゾンビの中で多くの生き物を捕食できた強い者が、それに変貌を遂げる。
 そして、その中でも更に変異した者がリッカー達を束ねる『女王』サスペンデッドになるのだ。
 そう、何故かサスペンデッドは元は人間の女性だった者しか変異しないという法則がある。
 リッカーが天井やら壁やら床やら自由自在に動き回るのに対し、サスペンデッドは天井から動こうとしない。
 但し、リッカーよりも更に長く鋭い舌で獲物を串刺しにし、その血を吸い上げるのだという。

 サスペンデッド:「私のォ……御馳走ォォォォォォ……!!」
 愛原:「くっ……!」
 リサ:「だぁーっ!!」

 リサは更に第2形態に変化した。
 辛うじて人型を保っているものの、手足が長くなり、しかもその手は触手のように伸びてリッカーの舌のように自在に伸びたり、鎗のように串刺しにしたりする。
 私はサスペンデッドの攻撃である長い舌攻撃から交わす為に、立ち止まることができなかった。
 立ち止まったら、それは即座に串刺しにされることを意味する。
 しかし、立ち止まらないとヤツを撃つことができない。
 どうしたらいいんだ!?
 幸いリッカークラスでも、タイラントを手なずけるリサの敵ではないらしい。
 リッカーがリサに長い舌を伸ばして来ても、逆にそれをリサが掴んで、リッカーを振り回すほどだ。
 元は人間の少女の、どこにそんな力があるのかと思うほどだ。

 愛原:「リサ!そいつを逆さ女にぶつけろ!」

 尚、私はサスペンデッドを勝手に『妖怪・逆さ女』と名付けている。
 因みに霧生市で見た者の正体は分からなかったが、こちらはまだ白衣の切れ端が残っていることから、医師か看護師の成れの果てなのかもしれない。

 リサ:「ん!」

 リサがリッカーの一匹をサスペンデッドにぶつけた。
 その弾みでサスペンデッドが天井から落ちた。

 愛原:「今だ!」

 私はサスペンデッドに向かって、手持ちのショットガンを撃った。
 軍用のせいか、やたらと反動が大きい。
 全く。これなら猟銃の方が良かったよ。
 サスペンデッドはすぐにまた天井へと上がる。

 リサ:「もう一回ぶつける!」
 愛原:「頼む!」

 リサの姿もなかなかどうして化け物なのだが、ここにいるリッカー達はリサを仲間だとは誤認しないんだな。
 私が手こずっている間、5~6匹はいたリッカーが、既に残り1匹になっていた。
 リサが再びリッカーをぶつけると、サスペンデッドは床に落ちた。
 すぐに倒さないと、また天井に上がられてしまう。
 と、その時だった。

 愛原:「あっ!?」

 ガッシャーンと音がして、エントランスから装甲車が突っ込んで来た。
 あれは私達が乗って来た装甲車!?

 サスペンデッド:「ギャアァァァァァァァッ!!」

 サスペンデッドは天井に上がる間もなく、装甲車に轢き殺された。
 その装甲車に乗っていたのは……。

 善場:「お、お迎えに上がりました」
 愛原:「あ……どうも」

 装甲車の中で留守番していた善場主任だった。

 善場:「遅いので迎えに行こうとしたんですが、この車、特殊な運転技術が必要みたいで……」

 といっても、見た目はただのMT車のようだが……。

 善場:「どうやら大型免許が必要な車だったみたいですね」
 愛原:「善場さん、もしかして普通免許しか持ってません?」
 善場:「ヘリコプターの操縦免許ならあるのですが」
 愛原:「……もしこの島に、まだ飛べるヘリがあったら、操縦お願いしますよ」

 と、そこへ……。

 リサ:「まだ、奥から来るよ!」

 ゾンビの呻き声が、ドアの向こうから聞こえた。

 愛原:「ここにはタイラントもネメシスもいませんでした。長居は無用です。まずはHQまで戻りましょう」
 善場:「外の駐車場に普通の車も止まっていましたから、それで行きましょう」

 私達は外に出た。
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