[7月22日23:30.天候:曇 東海汽船 橘丸5F客室]
外洋に出たのか、少し船の揺れ具合が大きくなったような気がした。
それでも大きく揺れるというほどのものではない。
私は大丈夫だが、それでも船酔いをする者は発生するかもしれない。
愛原:「次、シャワーどうぞ」
部屋備え付けのシャワーを使った私は、浴衣に着替えてシャワールームを出た。
霧崎:「それでは次、リサ様か御嬢様、どうぞ」
リサ:「サイトー、先に入……」
斉藤:「リサさん、一緒に入りましょ!」
斉藤さんは鼻息を荒くしてリサに迫った。
愛原:「いや、2人は狭いよ?」
シャワールームの広さは、電話ボックスより一回りか二回り大きいくらい。
明らかに1人用だ。
斉藤:「リサさん、体洗ってあげるから!」
リサ:「サイトーがそこまでしてくれるというのなら……」
愛原:「おいおい、マジかよ」
霧崎:「仲がよろしいことで」
この2人の場合、仲の良さが友情レベルを超えてしまっているからな。
別の意味で監視対象なのだが、霧崎さんは特に気にしていない。
因みに備え付けの浴衣は大人用しか無い為、これを着れるのは私と霧崎さんだけである。
その為、JC2人は独自に寝巻を用意する必要がある。
リサ:「サイトー、かわいいパジャマ!」
斉藤:「萌えへへへ……。ありがと」
リサに褒められて、斉藤さんは照れ笑いを浮かべた。
リサの方はというと、シンプルに白い半袖のTシャツに黒い一分丈スパッツである。
斉藤:「リサさんのは涼し気ね」
リサ:「愛原先生が、『動き易い服装で』って言うから」
愛原:「いや、悪いな……」
リサにもかわいいパジャマ、買ってあげた方が良かったかな?
リサの私服とかは高野君に任せているのだが、実は寝巻関係まではタッチしていないのかもしれない。
リサ:「そうと決まったら、早速入ろう。メイドさん、待たせてる」
斉藤:「そ、そうね」
霧崎:「いえ、どうぞ、私のことはお気になさらずに……」
リサは私の前で脱ぎ始めた。
斉藤:「ちょっ……、リサさん!?」
愛原:「俺は部屋の外に出てるよ」
既にリサは上半身裸になっているが、全く気にする様子は無い。
確かにこいつ、家の中では平気で裸になるようなコだ。
BOW自体が裸でいる奴が多く、服を着てターゲット達を追い回す輩は数えるほどしかない。
汚い服とはいえ、それでもリサ・トレヴァーは数少ない服を着ているBOWのはずだが……。
斉藤:「リサさん、中で脱ぎましょうよ!」
斉藤さんもさすがに驚いた様子で、リサの背中を押すようにシャワールームに飛び込んだ。
霧崎:「愛原さん……?」
さすがの霧崎さんも、驚いた様子で私を見た。
愛原:「は、ははは……。こ、こんな感じでね、リサとはフレンドリーに過ごしてます」
いつもはリサが私の前で脱ぐ度に高橋君が注意してくれるのだが、今回はその高橋君がいなかったので油断した。
今回は斉藤さんが止めてくれたので良かったが、もし誰も止めなかったら、リサは平気で全裸になっていただろう。
私は気を取り直して、冷蔵庫に保管しておいた缶ビールを取り出した。
そして、自動販売機で買ったおつまみの袋を開ける。
愛原:「うむ。風呂上りのビールは格別だ」
霧崎:「さようで……」
霧崎さんはシャワールームに一瞬入ると、リサ達の脱いだ服を一気に回収した。
斉藤:「きゃっ!リサさん、冷たい!」
リサ:「サイトー、ゴメン」
その時、シャワールームからJC達の仲の良い声が聞こえた。
霧崎:「マサから何か連絡はありましたか?」
愛原:「いや、全然」
ビールを口に運びながら答えた私は、ふとあることに気が付いた。
確か、この船には公衆電話が搭載されている。
恐らく、衛星通信を利用したものになっているのだろう。
今の高橋は、公衆電話なら電話に出る。
ふーむ……。
[7月23日00:00.天候:曇 橘丸4F案内所]
リサと斉藤さんが仲良くシャワーから出て来た。
その後で霧崎さんがやっと入るわけだ。
私は霧崎さんがメイド服を脱いでシャワーに入るまで、部屋の外に出ることを強く申し出た。
リサ達はまだ子供だからという言い訳ができるが、20歳を過ぎたばかりの霧崎さんにはその言い訳は通用しない。
しかし、それは表向き。
霧崎さんがシャワーを使っている間、高橋と連絡を取るのが理由だった。
急いて4階に下りた私は、早速1台だけある公衆電話の受話器を取った。
すぐに100円硬貨を入れて、高橋のケータイに電話を入れる。
真夜中に不謹慎かもしれないが、私達の近況と高橋の近況の交換はしておきたい。
高橋:「もしもし……?」
愛原:「高橋!良かった。俺だ。愛原だ」
高橋:「先生!?どうしたんです、こんな時間に?」
愛原:「今、船で八丈島に向かってる。オマエは今どこだ!?」
高橋:「船で八畳島に向かってんスか!?え、どうしてです!?」
愛原:「どうしてもこうしてもあるか!オマエが離島に逃亡しているから、心配して向かっているんだろうが!」
高橋:「俺は東京にいますよ!?」
愛原:「だから!伊豆諸島も東京都だから、『東京から出ていない』という言い訳は分かった!問題は、オマエの目的だ!オマエは一体、何から逃げてるんだ!?もし警察とかヤクザだったら、俺から斉藤社長や善場主任に頼んで、経済と政治から圧力掛けてもらう!」
高橋:「先生こそ、どうして八丈島に!?」
愛原:「オマエが八丈島行きの飛行機に乗って、しかもそこから別の離島に向かったっていう情報を得たんだ。だから……」
その時、私のスマホが震えた。
リサからのメッセージで、もう霧崎さんがシャワーから出たらしい。
早いとこ戻らないと怪しまれる。
愛原:「いいか!?また後で電話する。絶対、着信拒否するなよ!?」
高橋:「あ、あの、先生……」
私は電話を切った。
急いで戻らないと、霧崎さんにナイフで拷問される!
外洋に出たのか、少し船の揺れ具合が大きくなったような気がした。
それでも大きく揺れるというほどのものではない。
私は大丈夫だが、それでも船酔いをする者は発生するかもしれない。
愛原:「次、シャワーどうぞ」
部屋備え付けのシャワーを使った私は、浴衣に着替えてシャワールームを出た。
霧崎:「それでは次、リサ様か御嬢様、どうぞ」
リサ:「サイトー、先に入……」
斉藤:「リサさん、一緒に入りましょ!」
斉藤さんは鼻息を荒くしてリサに迫った。
愛原:「いや、2人は狭いよ?」
シャワールームの広さは、電話ボックスより一回りか二回り大きいくらい。
明らかに1人用だ。
斉藤:「リサさん、体洗ってあげるから!」
リサ:「サイトーがそこまでしてくれるというのなら……」
愛原:「おいおい、マジかよ」
霧崎:「仲がよろしいことで」
この2人の場合、仲の良さが友情レベルを超えてしまっているからな。
別の意味で監視対象なのだが、霧崎さんは特に気にしていない。
因みに備え付けの浴衣は大人用しか無い為、これを着れるのは私と霧崎さんだけである。
その為、JC2人は独自に寝巻を用意する必要がある。
リサ:「サイトー、かわいいパジャマ!」
斉藤:「萌えへへへ……。ありがと」
リサに褒められて、斉藤さんは照れ笑いを浮かべた。
リサの方はというと、シンプルに白い半袖のTシャツに黒い一分丈スパッツである。
斉藤:「リサさんのは涼し気ね」
リサ:「愛原先生が、『動き易い服装で』って言うから」
愛原:「いや、悪いな……」
リサにもかわいいパジャマ、買ってあげた方が良かったかな?
リサの私服とかは高野君に任せているのだが、実は寝巻関係まではタッチしていないのかもしれない。
リサ:「そうと決まったら、早速入ろう。メイドさん、待たせてる」
斉藤:「そ、そうね」
霧崎:「いえ、どうぞ、私のことはお気になさらずに……」
リサは私の前で脱ぎ始めた。
斉藤:「ちょっ……、リサさん!?」
愛原:「俺は部屋の外に出てるよ」
既にリサは上半身裸になっているが、全く気にする様子は無い。
確かにこいつ、家の中では平気で裸になるようなコだ。
BOW自体が裸でいる奴が多く、服を着てターゲット達を追い回す輩は数えるほどしかない。
汚い服とはいえ、それでもリサ・トレヴァーは数少ない服を着ているBOWのはずだが……。
斉藤:「リサさん、中で脱ぎましょうよ!」
斉藤さんもさすがに驚いた様子で、リサの背中を押すようにシャワールームに飛び込んだ。
霧崎:「愛原さん……?」
さすがの霧崎さんも、驚いた様子で私を見た。
愛原:「は、ははは……。こ、こんな感じでね、リサとはフレンドリーに過ごしてます」
いつもはリサが私の前で脱ぐ度に高橋君が注意してくれるのだが、今回はその高橋君がいなかったので油断した。
今回は斉藤さんが止めてくれたので良かったが、もし誰も止めなかったら、リサは平気で全裸になっていただろう。
私は気を取り直して、冷蔵庫に保管しておいた缶ビールを取り出した。
そして、自動販売機で買ったおつまみの袋を開ける。
愛原:「うむ。風呂上りのビールは格別だ」
霧崎:「さようで……」
霧崎さんはシャワールームに一瞬入ると、リサ達の脱いだ服を一気に回収した。
斉藤:「きゃっ!リサさん、冷たい!」
リサ:「サイトー、ゴメン」
その時、シャワールームからJC達の仲の良い声が聞こえた。
霧崎:「マサから何か連絡はありましたか?」
愛原:「いや、全然」
ビールを口に運びながら答えた私は、ふとあることに気が付いた。
確か、この船には公衆電話が搭載されている。
恐らく、衛星通信を利用したものになっているのだろう。
今の高橋は、公衆電話なら電話に出る。
ふーむ……。
[7月23日00:00.天候:曇 橘丸4F案内所]
リサと斉藤さんが仲良くシャワーから出て来た。
その後で霧崎さんがやっと入るわけだ。
私は霧崎さんがメイド服を脱いでシャワーに入るまで、部屋の外に出ることを強く申し出た。
リサ達はまだ子供だからという言い訳ができるが、20歳を過ぎたばかりの霧崎さんにはその言い訳は通用しない。
しかし、それは表向き。
霧崎さんがシャワーを使っている間、高橋と連絡を取るのが理由だった。
急いて4階に下りた私は、早速1台だけある公衆電話の受話器を取った。
すぐに100円硬貨を入れて、高橋のケータイに電話を入れる。
真夜中に不謹慎かもしれないが、私達の近況と高橋の近況の交換はしておきたい。
高橋:「もしもし……?」
愛原:「高橋!良かった。俺だ。愛原だ」
高橋:「先生!?どうしたんです、こんな時間に?」
愛原:「今、船で八丈島に向かってる。オマエは今どこだ!?」
高橋:「船で八畳島に向かってんスか!?え、どうしてです!?」
愛原:「どうしてもこうしてもあるか!オマエが離島に逃亡しているから、心配して向かっているんだろうが!」
高橋:「俺は東京にいますよ!?」
愛原:「だから!伊豆諸島も東京都だから、『東京から出ていない』という言い訳は分かった!問題は、オマエの目的だ!オマエは一体、何から逃げてるんだ!?もし警察とかヤクザだったら、俺から斉藤社長や善場主任に頼んで、経済と政治から圧力掛けてもらう!」
高橋:「先生こそ、どうして八丈島に!?」
愛原:「オマエが八丈島行きの飛行機に乗って、しかもそこから別の離島に向かったっていう情報を得たんだ。だから……」
その時、私のスマホが震えた。
リサからのメッセージで、もう霧崎さんがシャワーから出たらしい。
早いとこ戻らないと怪しまれる。
愛原:「いいか!?また後で電話する。絶対、着信拒否するなよ!?」
高橋:「あ、あの、先生……」
私は電話を切った。
急いで戻らないと、霧崎さんにナイフで拷問される!