[7月23日15:00.天候:曇 伊豆諸島某離島 村立病院駐車場→村役場前]
愛原:「キーが付いてる車が軽トラだけだと!?」
駐車場に行くと、離島だからか、軽自動車がやたら止まっていた。
それはいいのだが、キーが付いていて、今すぐ動かせる車が軽トラしか無かった。
善場:「しょうがないですね。これで行きましょう。私が運転しますので、愛原所長は助手席に。リサ・トレヴァーは荷台で、敵襲来に備えてください」
愛原:「わ、分かった」
私は助手席に、第二形態から第一形態に戻ったリサは荷台に乗り込んだ。
善場主任はエンジンを掛けて、すぐに軽トラを出した。
軽トラはMT車だったが、普通に善場主任は運転していた。
いくら大型免許が必要だったといっても、装甲車を病院に突っ込ませたのはワザとじゃなかったのか。
一旦、エントランスの前を通ると、生き残ったゾンビ達がわらわらと出て来たが、もちろん走る軽トラを捕まえることはできない。
愛原:「リサ!タイラントやネメシスの気配を察知したら、すぐに教えてくれ!」
私は窓を開け、荷台にいるリサを振り向いて言った。
リサ:「うん、分かった!」
来た道を戻るだけだ。
途中で跋扈していたであろうゾンビ等は、既にBSAAが掃討してくれている。
だから、途中でそのようなクリーチャーと遭遇することはなかった。
愛原:「あれ?途中に分かれ道が……?」
Y字路交差点があった。
元々交通量が少ないせいか、信号機は無い。
善場:「市街地……村役場の方に行くか、港の方に行くかで分かれているみたいですね。HQは港の方です」
愛原:「なるほど」
どちらも舗装されているが、道幅はそんなに広くない。
装甲車のような大型車が来たら、すれ違いは不可能だろう。
だが、少し進んで私達は進路を阻まれた。
愛原:「これは……!」
道を倒木で塞がれていた。
それも、何本とかいうわけではない。
リサ:「私が退かそうか?」
リサが言った。
確かにリサが変化したらできるかもしれない。
善場:「いえ、別の道を行きましょう」
別の道は市街地を通って行くルートか。
善場主任は軽トラをUターンさせると、さっきの分かれ道に行き、今度は村役場の方へハンドルを切った。
愛原:「それにしても、ネメシスといい、タイラントといい、どこへ行ったんだ?」
善場:「HQの跡地にいるか、或いはこれから通る市街地かもしれませんね」
愛原:「ええっ!?」
市街地に差し掛かる。
ここでも大惨事の後であることが分かった。
火災に見舞われたのが、黒焦げの廃車や全焼した建物がある。
それどころか、役場の庁舎にはBSAAのヘリコプターが墜落して突っ込んでいた。
役場は2階建てである。
愛原:「こりゃひょっとすると、BSAAは全滅か?」
善場:「もしそうだとしても、増援が来るはずですよ。もっとも、離島ですから少し時間が掛かるかもしれませんが」
リサ:「ねぇ!あれ見て!」
リサが指さした所を見ると、役場の屋上に巨漢の者が立っていた。
そして、BSAAの隊員達の頭を片手で握り潰したのである。
愛原:「うわ……エグ……!」
善場:「ここは危険です。急いでHQに行きましょう。タイラントがいる可能性もありますが、こちらにはリサ・トレヴァーがいます。ネメシスよりは安全です」
愛原:「確かに」
リサ:「あっ、こっちに気づいた」
愛原:「だ、大丈夫だろ。ネメシスの目的はBSAAを全滅させることにあるんだろ?だったら、俺達に用は無いはずだ」
ところが、だ。
ネメシスがこちらに気づいたかと思うと、2階から飛び下りてダッダッダッと走って来た。
リサ:「用があるみたいだよ?」
愛原:「冗談じゃない!」
善場:「逃げます!」
善場さんは軽トラを急発進させた。
だが!
リサ:「あっ!」
その弾みでリサが荷台から投げ出された。
愛原:「善場さん!リサが!」
善場:「リサ・トレヴァーなら大丈夫でしょう!後で回収します!まずはHQに……」
愛原:「そのHQにタイラントがいたら、リサのいない私達はあっという間に襲われますよ!?」
善場:「! そうでした!」
善場主任は今度は急ブレーキ。
シートベルトをしていなかったら、フロントガラスに突っ込んでいたところだ。
愛原:「ウソだろ!?」
私が振り向くと、リサはネメシスに拉致されようとしていた。
リサ:「放せ!放せ!」
リサはジタバタと暴れているが、ネメシスはそんなこと気にしていない。
愛原:「り、リサを放せ!」
私は軽トラから降りると、ショットガンの銃口をネメシスに向けた。
だが、ネメシスは全く動揺しない。
完全にスルーしている。
愛原:「撃つぞ!」
そう言って、私はネメシスにショットガンを発砲した。
それはネメシスの背中に当たったが、ヤツにとっては小石が当たった程度にしか感じていないらしい。
やはり、ダメか。
アメリカでは変化に変化を重ね、やっとこさ超電磁砲(レールガン)で倒されたというのだから。
愛原:「追いましょう!」
善場:「危険です!あいつはBSAAを全滅させた上級BOWです!」
愛原:「でもこのままだと、リサが殺される!」
そうだ。
BOW同士、仲間意識は実は無い。
斉藤絵恋さんがBOW化したものの、それが免れた時、リサはホッとした。
その理由が、『サイトーがBOWになったら、ライバルになるから』だそうだ。
善場:「私はHQに戻ってBSAAの増援を待ちます。それが来次第、役場に向かいます。どうか愛原所長、無理をなさらぬように」
愛原:「分かってるよ」
私は銃を抱えて、役場の正門を潜った。
愛原:「普通に庁舎の中に入って行きやがったな……」
ネメシスはリサをどうするつもりなのだろう?
まさか、食べる気じゃないだろうな?
ゾンビ同士は共食いすることもあるらしいが、BOWはどうなのだろう?
私は距離を取りながら、奴の後ろを付いて行った。
愛原:「キーが付いてる車が軽トラだけだと!?」
駐車場に行くと、離島だからか、軽自動車がやたら止まっていた。
それはいいのだが、キーが付いていて、今すぐ動かせる車が軽トラしか無かった。
善場:「しょうがないですね。これで行きましょう。私が運転しますので、愛原所長は助手席に。リサ・トレヴァーは荷台で、敵襲来に備えてください」
愛原:「わ、分かった」
私は助手席に、第二形態から第一形態に戻ったリサは荷台に乗り込んだ。
善場主任はエンジンを掛けて、すぐに軽トラを出した。
軽トラはMT車だったが、普通に善場主任は運転していた。
いくら大型免許が必要だったといっても、装甲車を病院に突っ込ませたのはワザとじゃなかったのか。
一旦、エントランスの前を通ると、生き残ったゾンビ達がわらわらと出て来たが、もちろん走る軽トラを捕まえることはできない。
愛原:「リサ!タイラントやネメシスの気配を察知したら、すぐに教えてくれ!」
私は窓を開け、荷台にいるリサを振り向いて言った。
リサ:「うん、分かった!」
来た道を戻るだけだ。
途中で跋扈していたであろうゾンビ等は、既にBSAAが掃討してくれている。
だから、途中でそのようなクリーチャーと遭遇することはなかった。
愛原:「あれ?途中に分かれ道が……?」
Y字路交差点があった。
元々交通量が少ないせいか、信号機は無い。
善場:「市街地……村役場の方に行くか、港の方に行くかで分かれているみたいですね。HQは港の方です」
愛原:「なるほど」
どちらも舗装されているが、道幅はそんなに広くない。
装甲車のような大型車が来たら、すれ違いは不可能だろう。
だが、少し進んで私達は進路を阻まれた。
愛原:「これは……!」
道を倒木で塞がれていた。
それも、何本とかいうわけではない。
リサ:「私が退かそうか?」
リサが言った。
確かにリサが変化したらできるかもしれない。
善場:「いえ、別の道を行きましょう」
別の道は市街地を通って行くルートか。
善場主任は軽トラをUターンさせると、さっきの分かれ道に行き、今度は村役場の方へハンドルを切った。
愛原:「それにしても、ネメシスといい、タイラントといい、どこへ行ったんだ?」
善場:「HQの跡地にいるか、或いはこれから通る市街地かもしれませんね」
愛原:「ええっ!?」
市街地に差し掛かる。
ここでも大惨事の後であることが分かった。
火災に見舞われたのが、黒焦げの廃車や全焼した建物がある。
それどころか、役場の庁舎にはBSAAのヘリコプターが墜落して突っ込んでいた。
役場は2階建てである。
愛原:「こりゃひょっとすると、BSAAは全滅か?」
善場:「もしそうだとしても、増援が来るはずですよ。もっとも、離島ですから少し時間が掛かるかもしれませんが」
リサ:「ねぇ!あれ見て!」
リサが指さした所を見ると、役場の屋上に巨漢の者が立っていた。
そして、BSAAの隊員達の頭を片手で握り潰したのである。
愛原:「うわ……エグ……!」
善場:「ここは危険です。急いでHQに行きましょう。タイラントがいる可能性もありますが、こちらにはリサ・トレヴァーがいます。ネメシスよりは安全です」
愛原:「確かに」
リサ:「あっ、こっちに気づいた」
愛原:「だ、大丈夫だろ。ネメシスの目的はBSAAを全滅させることにあるんだろ?だったら、俺達に用は無いはずだ」
ところが、だ。
ネメシスがこちらに気づいたかと思うと、2階から飛び下りてダッダッダッと走って来た。
リサ:「用があるみたいだよ?」
愛原:「冗談じゃない!」
善場:「逃げます!」
善場さんは軽トラを急発進させた。
だが!
リサ:「あっ!」
その弾みでリサが荷台から投げ出された。
愛原:「善場さん!リサが!」
善場:「リサ・トレヴァーなら大丈夫でしょう!後で回収します!まずはHQに……」
愛原:「そのHQにタイラントがいたら、リサのいない私達はあっという間に襲われますよ!?」
善場:「! そうでした!」
善場主任は今度は急ブレーキ。
シートベルトをしていなかったら、フロントガラスに突っ込んでいたところだ。
愛原:「ウソだろ!?」
私が振り向くと、リサはネメシスに拉致されようとしていた。
リサ:「放せ!放せ!」
リサはジタバタと暴れているが、ネメシスはそんなこと気にしていない。
愛原:「り、リサを放せ!」
私は軽トラから降りると、ショットガンの銃口をネメシスに向けた。
だが、ネメシスは全く動揺しない。
完全にスルーしている。
愛原:「撃つぞ!」
そう言って、私はネメシスにショットガンを発砲した。
それはネメシスの背中に当たったが、ヤツにとっては小石が当たった程度にしか感じていないらしい。
やはり、ダメか。
アメリカでは変化に変化を重ね、やっとこさ超電磁砲(レールガン)で倒されたというのだから。
愛原:「追いましょう!」
善場:「危険です!あいつはBSAAを全滅させた上級BOWです!」
愛原:「でもこのままだと、リサが殺される!」
そうだ。
BOW同士、仲間意識は実は無い。
斉藤絵恋さんがBOW化したものの、それが免れた時、リサはホッとした。
その理由が、『サイトーがBOWになったら、ライバルになるから』だそうだ。
善場:「私はHQに戻ってBSAAの増援を待ちます。それが来次第、役場に向かいます。どうか愛原所長、無理をなさらぬように」
愛原:「分かってるよ」
私は銃を抱えて、役場の正門を潜った。
愛原:「普通に庁舎の中に入って行きやがったな……」
ネメシスはリサをどうするつもりなのだろう?
まさか、食べる気じゃないだろうな?
ゾンビ同士は共食いすることもあるらしいが、BOWはどうなのだろう?
私は距離を取りながら、奴の後ろを付いて行った。
これはネタ出しをする原作者が「車掌」で、そのネタを漫画にする漫画家が「運転士」のようなもの。
車掌が逮捕され、運転士だけが残されても列車の運行継続はできないということか。
漫画も小説も基本は「ワンマン」であるが、このようにツーマン運転をしている所もあり、片方が何かやらかしても運転打ち切りになるという例である。