[3月5日10:00.天候:不明 神奈川県相模原市緑区 (独)国家公務員特別研修センターB3F研究施設]
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
今日は政府機関管轄の秘密研究所にいる。
新型コロナウィルスのワクチンを、BOWであるリサが保有しているウィルスから作れないかを検査・実験する為である。
それまで日本アンブレラの研究所で監禁生活を強制的に送らされ、且つ非人道的な実験を受け続けていたリサにとっては、研究所はその単語すら聞きたくないほどのトラウマである。
政府機関にとっては用があるのは実質的にリサだけなのであるが、彼女を暴走させるわけにはいかず、私達もついでに検査という形でリサに同行し、彼女を落ち着かせる役目を仰せつかったわけだ。
高橋:「…………」
私達は検査着に着替え、まるで人間ドックのような検査を受ける。
高橋には別に思う所があったようだ。
高橋:「……何か、ムショに入る前の身体検査みたいっス」
検査技師A:「それに似てるかもしれませんね」
白衣を来た検査技師は微笑を浮かべながら言った。
高橋:「あー……」
今度は医師にペンライトで口の中や舌状、目を照らされる高橋。
高橋:「何だよ?今度はオツムの検査かぁ?俺の頭は至って正常だぜ、なぁ?」
今度はベッドに寝かされる高橋。
頭部にコードを装着される。
検査技師B:「それでは実験を開始します」
高橋:「俺もかよ!?」
そして高橋、左手に何やら注射された。
検査技師B:「少し……眠くなるかもしれませんよ」
愛原:「マジでやっちゃうんですか?」
善場:「申し訳ありません。刑務官に悪態をつくような方は眠っててもらいます」
少年刑務所に収監される際、高橋はかなり暴れたらしい。
国の機関なだけに、そういう情報は入ってくるのだろう。
愛原:「本当に高橋はついて来ただけか……」
看護師:「愛原さん、この紙コップにお小水を取ってきてください」
愛原:「はい」
看護師:「これが終わりましたら、次は心電図検査です」
愛原:「ますます人間ドックだなぁ……」
リサもリサで、最初は私達と同じような検査を受けていた。
検査技師C:「じゃあ、これは?」
リサ:「右!」
検査技師C:「凄い!両目とも2.0です!」
リサ:「いぇい」
これで第0形態(人間)の身体能力なのだから凄い。
これが第1形態(鬼娘)になったら……。
普通の人間ドックでありながら、ここの職員達がリサに気を使ったのは、リサから体液を取る時。
リサにも検尿や採血があったのだが、検尿を提出する窓口ではなく、防護服を着た職員が直接受け取るというものだ。
そして、それは採血も同じ。
善場主任がリサに第0形態でいさせたのは、体内に有しているウィルスが一番が弱い状態である為、少しでも感染のリスクを下げる為である。
それでもリサから体液を採取する時は防護服着用という念の入れよう。
私が見た限り、リサの血液は普通の人間と同じ赤色だった。
実はBOWも私が知っている限りでは、意外と血液の色は赤色であることが多い。
まだ生前は人間だったことが分かるゾンビも赤いし、爬虫類や両生類から作られたハンターも赤色である。
そしてボスキャラであるタイラントもそうだ。
だからこそ逆に怖いのだと思う。
これで血の色まで違えば、本当にただの凶悪な化け物を退治しただけだと割り切れるが、赤いことで、元は普通の人間だった者を殺してしまったという罪悪感が出てくる。
看護師:「愛原リサさーん、次の検査でーす」
リサ:「はーい」
これまでの流れからリサは軽く返事をしたが、連れて行かれた場所が明らかに隔離区画である。
だ、大丈夫かな……?
検査技師D:「愛原学さん、こちらへ。心電図検査です」
愛原:「あ、はい」
大丈夫だということを信じておこう。
[同日13:00.天候:不明 同施設内・職員食堂]
私達は昼食を取ることが許された。
どうやら職員達の後に取るらしい。
絵恋:「リサさん、大丈夫だった?」
リサ:「うん……。大丈夫……」
リサも何やら急に隔離施設に連れて行かれ、流れ作業的に実験を受けたので、何が何だか分からぬまま終わったという感じだったらしい。
もっとも、それがこの施設側のリサ暴走防止法なのだろう。
高野:「あ、食事が来たみたい」
因みに好きなメニューが頼めるのは職員だけで、私達は違うらしい。
やっぱり定食であった。
今日の昼食はビーフカレーにサラダ、オニオンコンソメスープにオレンジであった。
愛原:「あ、ここでカレーが出るのか」
高橋:「リサ達、昨日食ったよな?」
リサ:「いい。カレーも好きだし」
絵恋:「えぇえ?リサさんがそう言うなら吝かじゃないけどぉ?」
リサの口添えが無ければ、吝かであったということか。
高橋:「午後からはどんな検査なんですかね?」
愛原:「普通に食事ができるということは、血糖値だの大腸検査だの胃カメラとかは無いということだな。今日1日で終わるんじゃないか?」
予定は2泊3日ということになっている。
前泊も入れてだから、明日に帰ることになる。
食事は明日の昼食まで出ることになっているから、遅くとも明日の夕方までということになる。
恐らく私達はさっさと検査を終わらせて、リサの実験だけがそれまで掛かるということなんじゃないかな。
それまでリサの機嫌が持てばいいが……。
愛原:「この中ではリサが一番大変な実験を受けることになるからな。リサ、大丈夫か?辛くなったら俺に言えよ?」
リサ:「うん。大丈夫。……アンブレラの研究所よりはだいぶマシ。……今のところは……」
愛原:「そうか」
その頃、午前中の検査結果を確認していた職員達だが、ぶっちゃけ注目していたのはリサだけで、ついでに検査を受けただけの私達の方は見向きもされていなかった。
だが、たまたま見向きをした職員がある人物の結果を見て驚いたという。
その人物とは……。
1:愛原学
2:高橋正義
3:高野芽衣子
4:斉藤絵恋
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
今日は政府機関管轄の秘密研究所にいる。
新型コロナウィルスのワクチンを、BOWであるリサが保有しているウィルスから作れないかを検査・実験する為である。
それまで日本アンブレラの研究所で監禁生活を強制的に送らされ、且つ非人道的な実験を受け続けていたリサにとっては、研究所はその単語すら聞きたくないほどのトラウマである。
政府機関にとっては用があるのは実質的にリサだけなのであるが、彼女を暴走させるわけにはいかず、私達もついでに検査という形でリサに同行し、彼女を落ち着かせる役目を仰せつかったわけだ。
高橋:「…………」
私達は検査着に着替え、まるで人間ドックのような検査を受ける。
高橋には別に思う所があったようだ。
高橋:「……何か、ムショに入る前の身体検査みたいっス」
検査技師A:「それに似てるかもしれませんね」
白衣を来た検査技師は微笑を浮かべながら言った。
高橋:「あー……」
今度は医師にペンライトで口の中や舌状、目を照らされる高橋。
高橋:「何だよ?今度はオツムの検査かぁ?俺の頭は至って正常だぜ、なぁ?」
今度はベッドに寝かされる高橋。
頭部にコードを装着される。
検査技師B:「それでは実験を開始します」
高橋:「俺もかよ!?」
そして高橋、左手に何やら注射された。
検査技師B:「少し……眠くなるかもしれませんよ」
愛原:「マジでやっちゃうんですか?」
善場:「申し訳ありません。刑務官に悪態をつくような方は眠っててもらいます」
少年刑務所に収監される際、高橋はかなり暴れたらしい。
国の機関なだけに、そういう情報は入ってくるのだろう。
愛原:「本当に高橋はついて来ただけか……」
看護師:「愛原さん、この紙コップにお小水を取ってきてください」
愛原:「はい」
看護師:「これが終わりましたら、次は心電図検査です」
愛原:「ますます人間ドックだなぁ……」
リサもリサで、最初は私達と同じような検査を受けていた。
検査技師C:「じゃあ、これは?」
リサ:「右!」
検査技師C:「凄い!両目とも2.0です!」
リサ:「いぇい」
これで第0形態(人間)の身体能力なのだから凄い。
これが第1形態(鬼娘)になったら……。
普通の人間ドックでありながら、ここの職員達がリサに気を使ったのは、リサから体液を取る時。
リサにも検尿や採血があったのだが、検尿を提出する窓口ではなく、防護服を着た職員が直接受け取るというものだ。
そして、それは採血も同じ。
善場主任がリサに第0形態でいさせたのは、体内に有しているウィルスが一番が弱い状態である為、少しでも感染のリスクを下げる為である。
それでもリサから体液を採取する時は防護服着用という念の入れよう。
私が見た限り、リサの血液は普通の人間と同じ赤色だった。
実はBOWも私が知っている限りでは、意外と血液の色は赤色であることが多い。
まだ生前は人間だったことが分かるゾンビも赤いし、爬虫類や両生類から作られたハンターも赤色である。
そしてボスキャラであるタイラントもそうだ。
だからこそ逆に怖いのだと思う。
これで血の色まで違えば、本当にただの凶悪な化け物を退治しただけだと割り切れるが、赤いことで、元は普通の人間だった者を殺してしまったという罪悪感が出てくる。
看護師:「愛原リサさーん、次の検査でーす」
リサ:「はーい」
これまでの流れからリサは軽く返事をしたが、連れて行かれた場所が明らかに隔離区画である。
だ、大丈夫かな……?
検査技師D:「愛原学さん、こちらへ。心電図検査です」
愛原:「あ、はい」
大丈夫だということを信じておこう。
[同日13:00.天候:不明 同施設内・職員食堂]
私達は昼食を取ることが許された。
どうやら職員達の後に取るらしい。
絵恋:「リサさん、大丈夫だった?」
リサ:「うん……。大丈夫……」
リサも何やら急に隔離施設に連れて行かれ、流れ作業的に実験を受けたので、何が何だか分からぬまま終わったという感じだったらしい。
もっとも、それがこの施設側のリサ暴走防止法なのだろう。
高野:「あ、食事が来たみたい」
因みに好きなメニューが頼めるのは職員だけで、私達は違うらしい。
やっぱり定食であった。
今日の昼食はビーフカレーにサラダ、オニオンコンソメスープにオレンジであった。
愛原:「あ、ここでカレーが出るのか」
高橋:「リサ達、昨日食ったよな?」
リサ:「いい。カレーも好きだし」
絵恋:「えぇえ?リサさんがそう言うなら吝かじゃないけどぉ?」
リサの口添えが無ければ、吝かであったということか。
高橋:「午後からはどんな検査なんですかね?」
愛原:「普通に食事ができるということは、血糖値だの大腸検査だの胃カメラとかは無いということだな。今日1日で終わるんじゃないか?」
予定は2泊3日ということになっている。
前泊も入れてだから、明日に帰ることになる。
食事は明日の昼食まで出ることになっているから、遅くとも明日の夕方までということになる。
恐らく私達はさっさと検査を終わらせて、リサの実験だけがそれまで掛かるということなんじゃないかな。
それまでリサの機嫌が持てばいいが……。
愛原:「この中ではリサが一番大変な実験を受けることになるからな。リサ、大丈夫か?辛くなったら俺に言えよ?」
リサ:「うん。大丈夫。……アンブレラの研究所よりはだいぶマシ。……今のところは……」
愛原:「そうか」
その頃、午前中の検査結果を確認していた職員達だが、ぶっちゃけ注目していたのはリサだけで、ついでに検査を受けただけの私達の方は見向きもされていなかった。
だが、たまたま見向きをした職員がある人物の結果を見て驚いたという。
その人物とは……。
1:愛原学
2:高橋正義
3:高野芽衣子
4:斉藤絵恋