[1月2日11:57.天候:晴 静岡県富士宮市 JR富士宮駅→浅間大社]
〔「ご乗車ありがとうございました。富士宮、富士宮です。車内にお忘れ物、落とし物の無いよう、ご注意ください。今度の特急“ワイドビューふじかわ”5号、甲府行きは降りたホームでお待ちください。……」〕
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
今日は仕事で富士山の麓の町までやってきた。
けして、慰安旅行ではない。
愛原:「よし。無事に目的の町までは着いたな」
2両編成ワンマン運転電車からホームに降りた。
私達が乗った電車は、次の駅が終点だが、この駅で殆どの乗客が降りた。
富士宮市の市街地でもあるし、特急乗り換え駅でもあるからだろう(西富士宮駅には急行列車時代は停車したが、特急になってから通過するようになった)。
リサ:「先生。お腹空いた」
高野:「ちょうどお昼時ですわ、先生?」
愛原:「それもそうだな。ちょうどこれから浅間大社に行くわけだ。あの周辺なら参拝客目当ての店が空いてるだろうから、そこで食べるとしよう」
お目当てはB級グルメ、富士宮やきそばであるが……。
高橋:「先生。駅から神社までは近いです」
愛原:「そうなのか。で、どれくらい?」
高橋:「車で5分です」
愛原:「それじゃ歩いて行けるな」
私達は駅から出ると、浅間大社までの道を歩いた。
線路沿いに進む形になる。
高橋:「こんな所にもイオンモールがあるんですね」
愛原:「最果ての町にもあるくらいだ。こういう町にあったっておかしくはない」
高橋:「確かに……」
[同日12:30.天候:晴 同市内 浅間大社周辺の飲食店]
店員:「お待たせしました。富士宮やきそばでございます」
愛原:「おー、これがそうか」
見た目の特徴は、削り節が乗っているところだが……。
高野:「リサちゃん、足は崩していいから、もうちょっとお行儀良く座りなさい。そこは斉藤さんを見習って」
リサ:「はい」
私達は座敷に通されている。
絵恋さんは正座しているのだが、リサは片足を上げる形で座っていた。
恐らく幼少期を研究所で過ごしたので、そういう作法についての教育は受けなかったのだろう。
家では寛いでいいので、私もそこまでうるさくは言わない。
学校では座敷なんて無いから、そういう座り方についての教育も無いだろうし。
愛原:「絵恋さんはさすがに御嬢様だな。座り方についてもキチンとしている」
絵恋:「茶道なんかもやらされたので」
愛原:「なるほど」
とはいえそのことについては詳しく話してくれなかったので、本当に最低限の礼儀作法を身に付けただけだったのだろう。
空手については黒帯まで行ったのに。
リサ:「研究所では、こういう座り方が喜ばれたよ」
愛原:「何でだ?スカートはいてたら、中が……あっ!」
くそっ、それが目的か!
ロリコンどもめ!
私の偏見だが、理科系にそういうの多そうなイメージだ。
これならまだ、彼女らをガチの実験動物としか見ていなかったアメリカのアンブレラの方がまだ健全だったかも。
いや、奴らの研究内容自体が非常識だったがな。
旧アンブレラは全て潰れたが、その思想を継いだどこぞの組織がついに着目したらしい。
いたいけな少女を生物兵器そのものにするということを。
日本アンブレラでは実験段階ながら、それにほぼ成功した。
それが今、私の目の前で富士宮やきそばを食べている。
日本アンブレラはそれを正式に売り出す前に潰れてしまったが、今は政府の庇護下にあって、私が面倒を看ているわけだ。
日本アンブレラとしては外国に売るつもりであったようだが、政府は特殊任務専門のエージェントとして使いたいらしい。
外国の利益になるくらいなら、まだ日本の国益の為に使われる方がいいだろう。
高野:「とにかく、こういう所では斉藤さんと同じ座り方をすれば間違いないから」
リサ:「はーい」
[同日13:00.天候:晴 同市内 浅間大社]
愛原:「初詣って1回やったら、それでいいんじゃないか?」
高野:「今回は観光みたいなものですからね」
絵恋:「リサさん、ここの神社の御守もきれいだよ。何か買わない?こ、ここ、今度こそ……え、ええ、縁結びを……」
愛原:「やっぱ御守とか破魔矢とかは、巫女さんから買ってこそありがたみがあるよな」
高橋:「何ですか、先生?」
愛原:「神社によっては御守が自販機で売られてたりするんだ」
高橋:「マジっスか」
愛原:「有り得無いよな?」
高橋:「無ェっス」
愛原:「味気無いし、有難味も湧かない」
高橋:「そうっスね」
絵恋:「ええーっ!私、縁結びがいい!」
高野:「ダメです!せめてこの『無病息災』にしなさい」
絵恋:「ぶーっ!」
凄ェ、高野君。
あのワガママお嬢をいなしている。
高野:「これなら、リサちゃんとお揃いでいいですよ」
リサ:「おー、サイトーとお揃い」
愛原:「いや、リサには『無病息災』は必要無いんじゃないかな……」
リサの体の中には超強力なウィルスが潜んでいる。
日本アンブレラの実験記録ではインフルエンザはもちろんのこと、エボラ出血熱ですら、リサの体の中のウィルスに負けてしまったのだそうだ。
で、あるならリサの体のウィルスを応用して、それらに効く特効薬でも作れるのではないかと思われるのだが、しかし哺乳類をゾンビ化させるウィルスが素である為、その辺が何か問題であるらしい。
で、先述したロリキャラ生物兵器。
あれはウィルスではなく、特異菌と呼ばれるカビの一種を応用しており、研究対象がそちらに移ったのも原因であろう。
高野:「で、マサにはこれ。『交通安全』」
高橋:「またかよ!」
高野:「うるっさいわね、この免停野郎!今度やったら、免取になるからね!」
愛原:「高橋君、ここは素直に受け取っとけ」
高橋:「は、ハイ」
高野:「『縁結び』は、先生にこそ必要ですね」
愛原:「作者より先に結婚するようなことがあったら、この作品も更新終了だぞ?」
あの埼京線最終電車の怪現象は一体何だったのだろう?
〔「ご乗車ありがとうございました。富士宮、富士宮です。車内にお忘れ物、落とし物の無いよう、ご注意ください。今度の特急“ワイドビューふじかわ”5号、甲府行きは降りたホームでお待ちください。……」〕
私の名前は愛原学。
都内で小さな探偵事務所を経営している。
今日は仕事で富士山の麓の町までやってきた。
けして、慰安旅行ではない。
愛原:「よし。無事に目的の町までは着いたな」
2両編成ワンマン運転電車からホームに降りた。
私達が乗った電車は、次の駅が終点だが、この駅で殆どの乗客が降りた。
富士宮市の市街地でもあるし、特急乗り換え駅でもあるからだろう(西富士宮駅には急行列車時代は停車したが、特急になってから通過するようになった)。
リサ:「先生。お腹空いた」
高野:「ちょうどお昼時ですわ、先生?」
愛原:「それもそうだな。ちょうどこれから浅間大社に行くわけだ。あの周辺なら参拝客目当ての店が空いてるだろうから、そこで食べるとしよう」
お目当てはB級グルメ、富士宮やきそばであるが……。
高橋:「先生。駅から神社までは近いです」
愛原:「そうなのか。で、どれくらい?」
高橋:「車で5分です」
愛原:「それじゃ歩いて行けるな」
私達は駅から出ると、浅間大社までの道を歩いた。
線路沿いに進む形になる。
高橋:「こんな所にもイオンモールがあるんですね」
愛原:「最果ての町にもあるくらいだ。こういう町にあったっておかしくはない」
高橋:「確かに……」
[同日12:30.天候:晴 同市内 浅間大社周辺の飲食店]
店員:「お待たせしました。富士宮やきそばでございます」
愛原:「おー、これがそうか」
見た目の特徴は、削り節が乗っているところだが……。
高野:「リサちゃん、足は崩していいから、もうちょっとお行儀良く座りなさい。そこは斉藤さんを見習って」
リサ:「はい」
私達は座敷に通されている。
絵恋さんは正座しているのだが、リサは片足を上げる形で座っていた。
恐らく幼少期を研究所で過ごしたので、そういう作法についての教育は受けなかったのだろう。
家では寛いでいいので、私もそこまでうるさくは言わない。
学校では座敷なんて無いから、そういう座り方についての教育も無いだろうし。
愛原:「絵恋さんはさすがに御嬢様だな。座り方についてもキチンとしている」
絵恋:「茶道なんかもやらされたので」
愛原:「なるほど」
とはいえそのことについては詳しく話してくれなかったので、本当に最低限の礼儀作法を身に付けただけだったのだろう。
空手については黒帯まで行ったのに。
リサ:「研究所では、こういう座り方が喜ばれたよ」
愛原:「何でだ?スカートはいてたら、中が……あっ!」
くそっ、それが目的か!
ロリコンどもめ!
私の偏見だが、理科系にそういうの多そうなイメージだ。
これならまだ、彼女らをガチの実験動物としか見ていなかったアメリカのアンブレラの方がまだ健全だったかも。
いや、奴らの研究内容自体が非常識だったがな。
旧アンブレラは全て潰れたが、その思想を継いだどこぞの組織がついに着目したらしい。
いたいけな少女を生物兵器そのものにするということを。
日本アンブレラでは実験段階ながら、それにほぼ成功した。
それが今、私の目の前で富士宮やきそばを食べている。
日本アンブレラはそれを正式に売り出す前に潰れてしまったが、今は政府の庇護下にあって、私が面倒を看ているわけだ。
日本アンブレラとしては外国に売るつもりであったようだが、政府は特殊任務専門のエージェントとして使いたいらしい。
外国の利益になるくらいなら、まだ日本の国益の為に使われる方がいいだろう。
高野:「とにかく、こういう所では斉藤さんと同じ座り方をすれば間違いないから」
リサ:「はーい」
[同日13:00.天候:晴 同市内 浅間大社]
愛原:「初詣って1回やったら、それでいいんじゃないか?」
高野:「今回は観光みたいなものですからね」
絵恋:「リサさん、ここの神社の御守もきれいだよ。何か買わない?こ、ここ、今度こそ……え、ええ、縁結びを……」
愛原:「やっぱ御守とか破魔矢とかは、巫女さんから買ってこそありがたみがあるよな」
高橋:「何ですか、先生?」
愛原:「神社によっては御守が自販機で売られてたりするんだ」
高橋:「マジっスか」
愛原:「有り得無いよな?」
高橋:「無ェっス」
愛原:「味気無いし、有難味も湧かない」
高橋:「そうっスね」
絵恋:「ええーっ!私、縁結びがいい!」
高野:「ダメです!せめてこの『無病息災』にしなさい」
絵恋:「ぶーっ!」
凄ェ、高野君。
あのワガママお嬢をいなしている。
高野:「これなら、リサちゃんとお揃いでいいですよ」
リサ:「おー、サイトーとお揃い」
愛原:「いや、リサには『無病息災』は必要無いんじゃないかな……」
リサの体の中には超強力なウィルスが潜んでいる。
日本アンブレラの実験記録ではインフルエンザはもちろんのこと、エボラ出血熱ですら、リサの体の中のウィルスに負けてしまったのだそうだ。
で、あるならリサの体のウィルスを応用して、それらに効く特効薬でも作れるのではないかと思われるのだが、しかし哺乳類をゾンビ化させるウィルスが素である為、その辺が何か問題であるらしい。
で、先述したロリキャラ生物兵器。
あれはウィルスではなく、特異菌と呼ばれるカビの一種を応用しており、研究対象がそちらに移ったのも原因であろう。
高野:「で、マサにはこれ。『交通安全』」
高橋:「またかよ!」
高野:「うるっさいわね、この免停野郎!今度やったら、免取になるからね!」
愛原:「高橋君、ここは素直に受け取っとけ」
高橋:「は、ハイ」
高野:「『縁結び』は、先生にこそ必要ですね」
愛原:「作者より先に結婚するようなことがあったら、この作品も更新終了だぞ?」
あの埼京線最終電車の怪現象は一体何だったのだろう?
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