報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「斉藤絵恋、L説」

2018-11-25 10:08:56 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月9日07:50.天候:晴 東京都墨田区某所 東京中央学園墨田中学校]

 1人で登校したリサ。
 昇降口の下駄箱で靴を履き替えていると、斉藤絵恋が話し掛けて来た。

 斉藤:「お、おはよう。リサさん」
 リサ:「サイトー、おはよう」
 斉藤:「きょ、今日は……いい天気ね」
 リサ:「ん!」
 斉藤:「り、リサさんは昨日どこかに行った?」
 リサ:「横浜!横浜で豪華客船乗った!」
 斉藤:「ご、豪華客船!?……ぐ、偶然ね。私も横浜からディナークルーズ船に乗ったのよ」
 リサ:「サイトーもウーズやハンターと戦った!?」
 斉藤:「う、うーず?はんたー?た、多分きっとリサさんとは別の船ね。でも、おかしいな。昨日、横浜港を出港した船はディナークルーズだけって聞いたのに。それ以前の時間帯は都合により欠航だったっていうし……」
 リサ:「ディナー!?美味しい物食べた!?」
 斉藤:「もちろんよ。でも、やっぱりリサさんと一緒でないと美味しさ半減ってところかな……。あっ、そうそう!お土産もあるのよ!」
 リサ:「偶然!私もサイトーにお土産ある!」
 斉藤:「ええっ!?」
 リサ:「教室で交換しよう!」
 斉藤:「そうね!」

 リサは自分の下駄箱のドアを開けた。
 と、そこへ1通の手紙が入っていた。
 装飾からしてラブレターのようだ。

 リサ:「何だろう、これ?」
 斉藤:「そそそ、それはーっ!?」

 斉藤、頭から煙が立ち上るほど顔を真っ赤にした。

 リサ:「2年5組、山田……」

 パシッとリサからラブレターを引っ手繰る斉藤。

 斉藤:「何てこと……!リサさんは私のものなのに……!!」
 リサ:「え?なに?何か言った?」
 斉藤:「許さないわ!」

 斉藤は制服のポケットの中からスマホを取り出した。

 斉藤:「……というわけで、すぐにこいつを何とかしなさい!」
 リサ:「サイトー……何の電話してる?」
 斉藤:「あっ、ゴメンナサイね!ちょっと家に電話を……」
 リサ:「?」

 その後、2年5組の山田という男子生徒を見た者は誰もいないという。

 斉藤:「私んち、寄付金タップリ出してるから〜w」
 リサ:「詳しいことは聞かないことにする」

 そして教室に入り、互いにプレゼント交換した。

 斉藤:「ぐ、偶然ね!お互い、髪に関係する物をプレゼントするなんて!」
 リサ:「うん。サイトーにはシュシュ。サイトー、ポニーテールだからきっと似合う」
 斉藤:「も、萌ぇぇぇぇぇっ!……あ、ありがとう!私からは髪留めを……。リサさん、ショートだから似合うと思って」
 リサ:「ありがとう。ここに来る前はロクにセットする機会も無かったし、仮面くらいしか着けられなかったから」
 斉藤:「か、仮面?(仮面女子!?……そ、それはちょっと見てみたいかも……)」
 リサ:「サイトーはどうして昨日、横浜に?」
 斉藤:「それはリサさんが横浜に……じゃなかった。お父さんがたまには、そういう船でディナーでもしようかって」
 リサ:「さすがサイトー。お金持ち」
 斉藤:「へ、へへへ……まあね」
 リサ:「サイトーのお父さん、何の仕事してるの?」
 斉藤:「会社の経営よ。製薬会社の」
 リサ:「製薬会社?」
 斉藤:「お陰様で、今では有名企業にまで成長したのよ」
 男子生徒A:「あのアンブレラに協力して、そのおこぼれもらってただけだろー?」
 斉藤:「うるっさいわね!会社が小さいうちは、大会社に協力するのも1つの手なのよ!」
 リサ:「アンブレラ……。サイトーのお父さん、アンブレラと関係あるの?」
 斉藤:「今は関係無いよ。アンブレラも潰れちゃったし、ウィルファーマもトライセルも潰れちゃったからね」

 いずれも“バイオハザード”シリーズでは悪の製薬企業として登場した所である。

 リサ:「そう。それは良かった」

 リサの右手が少し疼いた。
 もし斉藤の家がそれら悪の製薬企業と関係があるのだとしたら……この右手が変形したかもしれない。

[同日08:30.天候:晴 東京中央学園墨田中学校 1年3組]

 担任教師:「……はい、というわけで来月開催される球技大会の日程が決まりました。今渡したプリント、保護者の方に見せてください」

 朝のホームルームの際、プリントが配られる。
 最初の休み時間の時に、リサは斉藤に聞いた。

 リサ:「サイトー、球技大会って何?」
 斉藤:「小学校の時にあった運動会みたいなものよ」
 リサ:「ウンドーカイ?」
 斉藤:「うちの中学校だとそういう運動会じゃなくて、球技大会になるみたいね。因みに文化祭は高校の方でやるって」
 リサ:「文化祭?……よく分かんないけど、何だか面白そう」
 斉藤:「リサさん、運動が得意だから何だってできるよー。因みに私はバレーでもやろうかなぁって……」|д゚)
 リサ:「ん、私もバレーやる」
 斉藤:「も、萌ぇぇぇぇっ!……き、きっと、あのお父さんやお兄さんにも褒められるよ!?」
 リサ:「おー!」

[同日18:15.天候:雷 東京都墨田区菊川 愛原家]

 リサは鼻息を荒くし、勇んで愛原に球技大会のことを話した。

 愛原:「その日、仕事。ムリー」
 リサ:Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン

 次の瞬間、雷鳴と雷光が菊川地区を襲った。

 リサ:「おじさん、来るのー。仕事休んでー」

 2人称が『愛原さん』から『おじさん』に変わった!
 疲れてソファに横たわる愛原の脇腹を何度も揺さぶる。

 愛原:「お、お、お……」
 高橋:「コラ、リサ。わがまま言うんじゃねぇ。先生は久しぶりに入った仕事の依頼で張り切ってるんだ。だから諦めろ」
 リサ:「やー……」
 高橋:「何で先生も御一緒でないとダメだと?あぁっ!?」
 リサ:「サイトーはお父さん、お母さんと一緒だって言ってた。愛原さんはお父さんっぽい。高橋さんはお兄さんっぽい」
 愛原:「お父さんって、俺、そういう歳でも……。とにかくダメだよ。悪いけど高橋君か高野君に代役頼むから、それで我慢してくれ」
 高橋:「俺、先生に同行しますよ!?中坊の汗なんて見ても面白くも何とも無いですから!」
 愛原:「オマエ、どういう視点で言ってるんだよ」
 リサ:「もういい!」

 リサは拗ねて自分の部屋に閉じこもってしまった。
コメント (1)
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