報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“戦う社長の物語” 「富士の地下」

2018-03-10 20:30:11 | アンドロイドマスターシリーズ
 部屋で1人勉強するアリス。
 見た目は10歳程度だろうか。
 しかし白人は概して早熟である為、実は見た目に反してもう少し年齢は上なのかもしれない。

 アリス:「できたわ!算数の勉強終わったわ!」

 すると女性教師らしい者が採点した。

 教師:「凄い!満点だわ!よく頑張ったわね、アリス!」
 アリス:「わぁい!」
 教師:「お勉強頑張った御褒美に、今日はあなたのパパとママが会いに来てくれたわよ」
 アリス:「本当!?」

 アリスは一目散に駆け出した。

 アリス:「パパ!ママ!」

 すると入口にいたのは……。

 バージョン4.0:「ヤア、アリス。私がパパだヨ」
 黒いロボット:「私がママよ」
 アリス:「!!!」

[1月13日12:32.天候:地下の為、不明 場所:正確には不明 視点:アリス敷島]

 アリス:「Go to heeeeeell!!」

 アリスはそこで目を覚ました。
 手には電動ドリルとドライバーを持っている。
 ある意味で二刀流だ。

 アリス:「……ゆ、夢!?……くそぅ」

 アリスがいる場所は真っ暗だった。
 ただ、近くで水の流れる音がする。

 アリス:「いてててて……。幸いどこも折れたりはしてないみたいだけど……」

 アリスはポケットの中からライトを取り出した。
 こんなこともあろうかと2つ持って来ていたのだ。
 1つは吉塚家の仏間から落ちる時に無くしてしまった。

 アリス:「ここはどこ?確か私、ドクター吉塚の家から……」

 アリスはLEDライトで周囲を照らした。
 どうやら、素掘りの洞窟みたいな所にいることが分かった。

 アリス:「タカオ!タカオ!どこなの!?シンディ!返事して!!」

 だが、アリスの呼び掛けは空しくこだまするだけだった。
 代わりに洞内に響いているのは水の音。

 アリス:「取りあえず進もう。迷った時はとにかく進むべきってタカオが言ってたっけ」

 幼少の頃、両親が行方不明になった為、アメリカのテキサス州内にある児童福祉施設で過ごしていたアリス。
 そんなアリスの理系的な天才ぶりに目を付けたウィリアム・フォレスト(通称、ドクター・ウィリー)に、10歳の頃、引き取られた。
 アリスの頭脳に目を付けたウィリーの目は節穴ではなく、実際にアリスは進学の度にトップの成績を独占し、ついに大学院で博士号を取るまでに至った。
 敷島と結婚するに当たっての経緯は、それだけで1話分使うことになりかねないので、ここでは省略させて頂く。

 アリス:「地下水か……」

 アリスはドドドと勢いづいて流れる地下水脈の前に着いた。
 ライトに照らされて、このまま飲めそうなきれいな地下水が流れている。

 アリス:「ドクター吉塚のラボ探索どころじゃないわね。もしこの展開がシンディの言うようにトラップだったとしたら、早いとこ脱出しないと。えーと……出口は……」

 アリスは上流を照らした。
 上流へ向かう道はずっと先まで続いているようだった。
 そして、今度は下流を照らした。
 こちらも、ライトの先は闇を照らしていた。

 アリス:「多分、上流に行っても水源にぶち当たるだけね。ならば下流に行けば、地上の川に出られるかもしれない。上手く行けば、この地下水を汲み上げている施設の管理所みたいな所に着けるかも」

 アリスは下流に向かって歩くことにした。
 すると早速、何かを見つけた。

 アリス:「おおっ、ゴンドラだわ!やっぱりここは何かの施設なのね!よし、早速これに乗って……」

 するとその時だった。
 水の中から、バシャアッと派手な水しぶきをあげて黒いロボットが出て来た。

 黒いロボット:「ザビ?ザビィ!」
 アリス:「くっ、こんな時に!……てか、こいつらこんな急流の中を泳げるの!?」
 黒いロボット:「ザービ!ザービ!」

 黒いロボット、ゴンドラの前に立ちはだかり、そのままディフェンスの姿勢を取る。

 アリス:「Huh?……そう。私を乗せたくないのね」

 アリスは電動ドライバーを取り出した。

 アリス:「ただのロボットが、人間様に対して生意気なのよ。さ、バラバラにされたくなかったら、そこどきなさい」

 アリスはそう言って、今度は座り込みを始めた黒いロボットの頭をドライバーでコンと叩いた。

 黒いロボット:「ザビ?……ザビィ!」
 アリス:「What!?」

 すると黒いロボット、両目をギラリと光らせ、アリスを押し倒して来た。
 そして、シンディやエミリーに負けず劣らずの巨乳をしこたま揉んで来た。

 アリス:「No!Abnormal!Go to hell!!」

 アリスは今度は電動ドリルに持ち替え、黒いロボットの背中に突き刺した。

 黒いロボット:「ザビィ!?」
 アリス:「このセクハラ変態ロボット!お前のバッテリー破壊してやる!!」

 アリスは黒いロボットのバッテリーが背中に装着されていることを知っていた。
 黒いロボットは破壊されまいとアリスから離れて抵抗した。
 だが、濡れている地面に足を滑らせて転倒する。

 アリス:「覚悟なさい!!」

 アリスは黒いロボットが背負っているバッテリーパックに穴を開け、そして……。

 アリス:「でやっ!」

 さっきの地下水脈に蹴落とした。
 いかに完全防水が施されているロボットとはいえ、今はドリルで穴を開けられたわけだから……。

 黒いロボット:「ザビビビビビビ!!」

 そこから水が入り、容赦なくバッテリーを濡らした。
 ショートしたバッテリーは火花を散らし、ついに黒いロボットは人間で言う『溺死』と相成ったのである。

 アリス:「ふん!いくら黒いロボットが何体来ようとも、人間様のドリル一本で御陀仏だわ!」

 すると、そんなアリスの肩を後ろからポンと叩く者がいた。

 アリス:「What?」

 アリスは嫌な予感がして、ギギギと錆びた鉄のようにゆっくりと首を後ろに回した。

 黒いロボットA:「ザビ?」
 黒いロボットB:「ザビ!」
 黒いロボットC:「ザビビー!」

 すると、黒いロボット達が何体も列を成してアリスの後ろに立っていた。

 アリス:「Oh my gooooooood!!」

 ドンッ!(先頭の黒いロボットを突き飛ばす)

 黒いロボットA:「ザビーッ!?」

 アリスは先頭の黒いロボットを突き飛ばすと、ゴンドラに乗り込んだ。
 そして……。

 アリス:「と、取りあえず今日のところは引き分けにしてやるわ!ありがたくお思い!!」

 ゴンドラを作動させ、黒いロボット達の集団から辛くも逃げ去ったのである。
コメント (1)
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