報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“戦う社長の物語” 「戦い終了後」

2018-03-14 19:51:29 | アンドロイドマスターシリーズ
[1月13日17:40.天候:晴 静岡県富士宮市ひばりが丘 スーパーホテル富士宮]

 敷島達を乗せたタクシーがホテルのエントランスの前に止まる。

 運転手:「こちらでよろしいですか?」
 敷島:「はい。ここは俺が払っておくよ」
 アリス:「経費で落とさないのね」
 敷島:「これは俺の『もう1つの仕事』だから別。……あ、でも領収書は下さい」
 運転手:「はい」
 アリス:「何故に?」

 タクシーを降りて、ホテルの中に入る。

 フロント係:「いらしゃいませ。ご予約の方ですか?」

 妙齢の女性フロント係が出迎えた。

 敷島:「キミの心の宿に泊まりたいんだが?
 アリス:「シンディ!
 シンディ:「かしこまりました」

 シンディは左手で敷島の体を掴むと、

 敷島:「あぎゃあぅっ!

 電流を流した。

 アリス:「今日から大人3名で一泊の予約をしている敷島と申します」
 フロント係:「お、お待ちしておりました。それではこちらの……」

 アリスが代わりにチェックインの手続きをしている間、シンディが感電して倒れた敷島を抱え起こす。

 シンディ:「社長、いい加減に学習してくださいよ。奥様の前ですよ?」
 敷島:「やっちまった……」
 アリス:「タカオ、お会計よろしく」
 敷島:「はい……。すいません、カードで」
 フロント係:「はい、ありがとうございます」
 シンディ:「博士。とある映画に出てくる魔道師さん達は皆、プラチナカードやゴールドカードでしたが……」
 アリス:「こっちはしがない一般カードか……。ショボいねぇ」
 敷島:「悪かったな」
 アリス:「アタシの稼ぎでも、アメックスのグリーンカードがいい所だもんね」
 敷島:「オマ、そっちの方がグレード高いんだぞ!俺のJCBより!」

 アメリカンエキスプレスの一般カードとされるグリーンカードなのだが、実は年会費の額や受けられるサービスがVISAやJCBのゴールドカード並みだとされる。

 敷島:「そっちのカードで決済してくれよ」
 アリス:「嫁のカードに頼る甲斐性無しがここに約1名w」
 シンディ:「いけませんねぇ……w」
 敷島:「くそ……!エミリーなら、俺の味方なのに」

 シンディにとってオーナーはアリス、敷島はユーザーだからである。
 どちらもロイドにとっては立場が上だが、やはりオーナーの方がもっと上と認識する。
 オーナーの命令は絶対だが、ユーザーの命令は相対である。
 オーナーの命令とユーザーの命令が同時に出され、しかもそれが相反する場合はオーナーの命令を優先するよう設定されている。
 ロイドを稼働させるには、オーナーとユーザーの2人の人間を用意しなければならない。
 この登録が完了しないと、いくら電源を入れた所でロイドは稼働しない。
 これは前期型のシンディの前例を受け、敷島や平賀が学会に提唱して確立させたシステム。
 シンディを独占して使用していたウィリーの言う事すら聞かずに、手持ちの大型ナイフで惨殺したシーンは未だに敷島の目に焼き付いている。
 その為、1体のロイドにつき、扱う人間は最低2人いると提唱した。

 アリス:「ん!?」
 敷島:「どうしたアリス?」

 チェックインの手続きを済ませ、エレベーターで宿泊先の3階に向かった。
 そのエレベーターを降りて部屋に入ろうとすると、アリスが何か反応したのだ。

 アリス:「オーナーとユーザーの2人の人間の登録を必要とするOU制度。これが適用されるのは、今のところマルチタイプだけ」
 敷島:「それがどうした?」

 シンディがドアノブの上にあるテンキーを押して、部屋のドアロックを解除する。
 オートロック式だが、解錠はテンキーによる暗証番号式となる。
 もちろん、これは敷島達が宿泊している時だけの番号であり、また後日、別の宿泊客が入る場合には他の番号に変更されている。

 シンディ:「コンパクトな部屋ですね。でも、ここからライトアップされている富士山が見えますよ」
 敷島:「ほおほお。それで、アリスは何を思いついたんだ?」
 アリス:「9号機のデイジーのことよ。右手をマシンガンやライフル換装に改造されていたから、それなりの技術者の所に引き取られたようね。でも、OU制度は絶対に変えることはできないから、デイジーに命令している人間が最低2人いるということね」
 敷島:「……か、もしくは命令している人間は1人。もう1人はただ単に稼働させる為だけの名義貸しってことも考えられるぞ」
 アリス:「そうなの?」
 敷島:「今のエミリーがそうなんだよ。南里所長の遺言もあって、エミリーのオーナー登録は平賀先生からは変えられない。だけどもユーザー登録は俺になってる。だけどエミリーの中では、逆転しちゃってるんだよ」
 シンディ:「オーナーとユーザーは私達ロイド側の方で勝手に変更できませんが、どちらを『マスター』とするかは実は明確にプログラミングされていないんです。だから、姉さんはユーザーである社長を『マスター』の認定したのですね。……あ、私はアリス博士ですよ」
 敷島:「或いは両方か……。因みにシンディ、デイジーの居場所は追えないか?」
 シンディ:「追えますよ。でも、今はやめた方がよろしいかと思います。何故なら、私がデイジーを追おうとすると、ここの居場所をデイジーに知らせることになるからです」
 敷島:「それもそうだな。あー、くそ。売れたらハイ終わりじゃなくて、追跡調査とかもして欲しかったよ」
 アリス:「DCJも商売欲があるからね。保管費用がかさむから、早いとこ売れて欲しかったんだよ。それより、お腹空いた」
 敷島:「分かった分かった。飯食いに行こう」
 アリス:「ここ、温泉あるの?さっき、フロントで言ってたよ」
 敷島:「あるってさ。ま、先に飯食ってからだな。さっき来る時、ガストとかあっただろ。そこに行こう」
 アリス:「シンディはどうする?一緒に連れてく?それともここで留守番させる?」
 敷島:「そうだな……」

 1:一緒に連れて行く。
 2:部屋で留守番させる。
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“戦う社長の物語” 「地上へ」

2018-03-14 13:38:47 | アンドロイドマスターシリーズ
[1月13日16:45.天候:不明 静岡県富士宮市地下]

 フルフェイスのヘルメットを被ったロボットは、それを脱いで素顔を明かした。

 アリス:「あなたは……!」

 顔はシンディによく似ている。
 しかし髪の色は黒で、肌も少し黒い。

 アリス:「あなたは9号機のデイジー!?」

 マルチタイプ9号機のデイジーであった。
 元々は3号機のシンディを気に入った四季グループ最高顧問、敷島孝之亟に気に入られて製作されたマルチタイプだ。
 ところが完成を目前にして、孝之亟はシンディの前で眠るように臨終してしまう。
 買い手がいなくなってしまったデイジーはしばらくDCJの倉庫に眠っていたのだが、ようやく買い手が付いて引き取られていった。
 孝之亟は25億円で買い取るつもりだったらしいが、DCJは新しい買い手には10億円で売却したという。
 これは何もDCJが孝之亟に吹っ掛けたわけではなく、孝之亟自身の言い値であった。
 もっとも、DCJとしては10億円の売却額は赤字必至であったが。
 しかしそうでもしないと、売れなかったのだ。

 アリス:「どうしたの、こんな所で!?元気にしてたみたいね!」

 アリスはパッと顔を明るくすると、デイジーに近づいた。
 が、その頭上をデイジーの銃弾が通過した。

 アリス:「!!!」
 デイジー:「勘違いしないで頂きたい。私は別に、あなたとハグする気は無い」
 アリス:「ど、どうしたの?何があったの?」
 デイジー:「何があったの、だって?」

 デイジーの両目が赤くギラリと光る。

 デイジー:「私を作っておきながら、廃棄物にしようとしたくせに!」
 アリス:「Huh?!知らないよ、そんなの!確かにあなたのオーナーになるべきはずのクライアントは、あなたが完成する前に亡くなったの。もう御年だったからね。それで買い手がいなくなってしまっただけなのよ」
 デイジー:「問答無用!……私は新たなマスターの命に従うだけ!」

 そしてデイジーは、今一度アリスに銃口を向けた。

 デイジー:「そこの出口を出てしばらく進むと、上に上がる梯子があるわ。そこから地上に出られる」
 アリス:「あなたも一緒に来るの?」
 デイジー:「この施設を爆破させた後、私は別の出口から外に出る。DCJの連中に好き勝手なことはさせない」
 アリス:「ちょっと待って!あなたのオーナーって……!」

 もう1度、デイジーは威嚇発砲してきた。

 デイジー:「さっさと出て行かないと、今度は体を撃ち抜きます」
 アリス:「……!」

 アリスは言われた通り、もう1つのドアから外に出た。
 しばらく進むともう1つドアがあり、そこを開けると素掘りの洞窟になっていた。

 アリス:「一体、何で……!?」

 やっぱり戻ろうかと思ったが、直後にさっきの部屋から爆破音が聞こえて来た。
 どうやら、本当に爆破したらしい。
 その地響きが洞窟内にこだまする。
 パラパラと石が落ちて来て、落盤するかもしれない。

 アリス:「ていうか、梯子はどこなのよ?!」

 梯子ではなくて、もう1つの鉄扉を見つけた。
 そこを開けると、また素掘りの洞窟になっていた。

 敷島:「アリス!大丈夫か!?」
 シンディ:「アリス博士!よく御無事で……」
 アリス:「タカオ!シンディ!どこに行ってたの!?」
 敷島:「それはこっちの台詞だ!とにかく、ここから脱出するぞ!爆発する!」

 と、敷島達がやってきた所からも爆発音が聞こえて来た。

 アリス:「デイジーに梯子があるからって言われたのに、無いのよ!」
 敷島:「デイジーだって!?アリス、デイジーに会ったのか!?」
 アリス:「え、ええ」
 シンディ:「どうも変な改造をされたらしく、あれは私達の敵です!レイチェルより面倒臭いヤツです!」
 アリス:「後で話を聞くわ!それより梯子!」
 敷島:「あれだろ!?」

 敷島が頭上を指さすと、10メートルほど上に収納式の梯子があった。
 どうやらここまで引っ張り出すタイプのようだが……。

 アリス:「どうやって!?」
 敷島:「心配いらん。『この先、機会人形(ロイド)の同行無くば、日の光を見る事かなわぬ』だ!」

 敷島達は敷島達で、別のダンジョンとも言うべき場所を探索したらしい。

 敷島:「シンディ、頼む!」
 シンディ:「はい!」

 シンディは左手を上空に飛ばした。
 有線ロケットアームだ。
 極細のチェーンが付いていて、マルチタイプは左手を20メートルほど飛ばすことができる。
 その左手がガッチリと梯子を掴んだ。
 そして、チェーンを巻く。
 左手が梯子を引き下ろした。

 シンディ:「行きましょう」

 すると、バンッと鉄扉を蹴破って黒いロボット達がわらわらとやってきた。

 アリス:「もう!あとちょっとだったのに!……あ!」
 シンディ:「社長、博士!先に上がってください!ここは私が!」
 敷島:「そうか!よろしく頼む!」
 アリス:「待って!」

 梯子に手を掛けていたアリスがそれを放した。

 敷島:「アリス、何やってるんだ!?お前が先に……!」
 アリス:「いいからいいから」

 アリスはバッグの中から、Rデコイを取り出した。

 アリス:「最後の1個、食らえーっ!」

 ピコーン!ピコーン!ピコーン!

 敷島:「おおっ!」
 アリス:「早く、今のうちに上がるよ!」

 黒いロボット達はRデコイに強い興味を示し、それに集まり出した。
 今のうちに敷島達は梯子を登って行く。
 そして爆発し、黒いロボット達は鉄塊と化した。

 敷島:「ん!?何か、地下水道らしき所に着いたぞ?もう少しだ!」

[同日17:10.天候:晴 静岡県富士宮市上条 日蓮正宗大石寺・塔中]

 雲羽百三:「我々は『あっつぁの顕正会体験記 被害者の会』である!直ちに法華講員でありながら顕正会員のフリをし、ネット内での破和を引き起こした者達をここに引きずり出すべく、抗議活動を行うものである!」
 多摩準急:「誰だァ!?『ユタと多摩準急は同一人物だ』なんて言ったヤツ!?別人だぞ!」
 雲羽:「俺の2代目ブログに放火した者は、特に潤井川の水源から河口まで一往復の刑にする!」
 AD:「あの……監督、名誉監督」
 雲羽:「何だ!?」
 AD:「監督方がカメラに映られると……」
 多摩:「いいじゃないか!北野たけし監督だって、自ら出演してるぞ!?『ファキン・ジャップくらい分れ、バカヤロウ!』」
 AD:「いや、そういう問題では……」

 ザシャアアア〜ッ!

 トチロ〜:「勝手に大石寺で映画撮影するなと、何度言っても分からんようだな?」
 いおなずん:「雲羽さん、報恩坊の近くでシュプレヒコールはやめてくださいよ。うるさくて唱題できません」
 Y田:「雲羽君、一緒に帰る?」
 雲羽:「……って、うおっ!?報恩坊の皆さん!……逃げろーっ!」
 多摩:「撤収!」
 AD:「ええっ!?」

 アホ作者と監修者の後ろから更に猛スピードで走って来る者達がいた。

 横田:「ハァ、ハァ(*´Д`)、横田です。先般の日曜勤行における大感動は、未だ冷めやらぬものであります。こうして2つの雲羽作品に出演でき、顕正会の満ち溢れる大功徳に震えを禁じ得ぬものであります!これ偏に会長浅井先生の大信力によるものと断じて疑いようは無く……」
 アリス:「あいつよ!黒いロボットに紛れて、アタシに痴漢したヤツ!」
 敷島:「くぉらっ、待てーっ!」
 シンディ:「人間と言えども、蜂の巣にしてやるわ!」

 ドドドドド!と踏み潰されるアホ作者達。
 で、捕まる。

 トチロ〜:「じゃあ、今日は御住職様から一晩折伏を受けてもらいますから」
 いおなずん:「時間あるって、前に日記に書いてましたよね?」
 Y田:「後で一緒に帰ろう」
 雲羽:「多摩先生、助けてーっ!」
 多摩:「達者でな〜!」
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