[5月16日00:00.天候:晴 DC Inc.アーカンソー研究所]
平賀:「ああ、済まなかった。エミリー、シンディに協力してくれ。お前にも鏡音リン・レン並びにアルバート所長の救出、そしてジャニスとルディの捕獲もしくは破壊を命じる」
「かしこまりました。プロフェッサー平賀」
先へと進もうとする鋼鉄姉妹。
「鏡音リン・鏡音レンが・ここにいる・ということは・通信すれば・応答が・あるはずだ」
「電源が入って、稼働していればの話だけどね」
シンディはリンとレンに通信を送った。
「……ダメ。応答が無い」
「では・どうする?」
「ザコロボット締め上げて、居場所吐かせる?」
「恐らく・知らないと・思う」
「それじゃ元も子も無いじゃない!」
敷島:「それじゃ、こういうのはどうだろう?その研究所はかなりデカい。恐らくどこかに、防災センターがあるはずだ。防災センターなら……所内のあちこちに仕掛けられた監視カメラに、もしかしたらリンとレンが映っているかもしれない。ついでに、アルバート所長もな」
「なるほど。それもそうね!」
「さすがは・敷島社長・です」
エミリーとシンディは、自分達にインストールされた館内のマップをダウンロードした。
「防災センターは地下1階にあるみたいね」
「さっき・行った・倉庫とは・反対側だ」
「OK.そこに行ってみましょう」
と、その時だった。
敷島:「!? 画面が真っ暗になった!」
平賀:「どういうことだ!?エミリー、応答しろ!」
「プロフェッサー平賀。どうやら・停電が・起きた・もようです」
平賀:「停電!?」
鳥柴:「どうやら、夜半前の雷雨の影響で、送電線に不具合が起きたようです。電力会社の話によると、それは比較的簡単なもので、すぐに修理できるレベルとのことです。ただ……」
敷島:「ただ?」
鳥柴:「あの研究所には安全装置が設置されていて、例えまた電力会社からの送電が行われても、自動的に復電するわけではありません」
敷島:「まあ、確かに。家のブレーカーも、落雷で停電したら、自分でブレーカー戻さなきゃいけないしね。つまり、そういうことですね」
鳥柴:「はい」
平賀はマイクを取った。
平賀:「聞いた通りだ。お前達のことだから、停電で真っ暗になっても、暗視カメラで行動に支障が出ることはないと思う。現に、今こちらのモニタでも、暗視カメラの映像として比較的鮮明に映っている。だが、所内の設備を利用しなければならないだろう。ましてや、次の目的地は防災センター。停電したら1番マズい所だ」
「イエス。プロフェッサー平賀」
「じゃあ、どこに行って復電すればいいの?」
敷島:「電気室だな。電気室に大きなブレーカーがあって、それが落ちたと思われる。直ちに、電気室を確認しろ」
「了解!」
「かしこまりました」
平賀:「電気室も施錠されているだろうから、防災センターには行ってみる価値があると思う。そこに鍵も置いてあるだろう」
「イエス。プロフェッサー平賀」
こうして、エミリーとシンディは防災センター並びに電気室に向かうことになった。
[同日00:30.天候:晴 同研究所内・防災センター]
防災センターは比較的簡単に行くことができた。
途中、電子ロックされていたドアがあったが、停電になっているせいか作動しておらず、フリーで開けることができた。
防災センターは所長室ほど荒らされていなかったが、それでも急に事件が発生したのだろう。
ここにいた警備員達が、どれほどまでに浮足立ったかが分かるほどに荒れていた。
そして案の定、センター内は非常灯が点灯していたものの、肝心のモニタは停電で全部消えていた。
「連絡手段が色々あるけれど、電話で外に掛けることはできないみたいね」
シンディは電話機1つ取ってみたが、全く音が聞こえてこなかった。
センター内には所内の設備について監視するコーナーがあり、往時はここに設備員が詰めていたのだろう。
ここも無人だった。
しかし停電になっていても、予備電源がその分動いたのか分からないが、設備員用のPCは稼働していた。
当然、何やらエラーが出ており、それによると、所内で停電が発生したので、至急、電気室を確認せよというものだった。
そして、停電になってしまったことで止まったものや、予備電源で動いているものの一覧が出ていた。
「一部のエレベーターは動いていて、一部のエレベーターは止まっていると……」
「そういう・ことだ。電気室は・地下4階に・ある。そこへの・エレベーターは・動いている・ようだ」
「行ってみましょう」
「ちょっと・待って」
エミリーはセンター内のキーボックスを開けた。
何でも開けられるカードキーがあり、普通の鍵を何でも開けられるマスターキーもあった。
そして、エレベーターを起動させるエレベーターキーも。
必要そうな鍵は、全て持ち出すことにした。
警備員用の防犯監視盤を見ると、停電で全ての電子ロックが開放状態になってしまったという警告が出ていた。
「逆にこの辺は都合が良さそうね。他にも、別の認証コードでないと開かないドアとかありそうだし」
「カードキーは・手に入れたから・その辺の・心配は・無いが」
「とにかく、行きましょう。停電を復旧させないと」
エミリーとシンディは、更にセンター内にあった弾薬を見つけて補充した。
ボブ戦でだいぶ銃弾を使ったのは事実であるし、未だにちょこちょこザコロボットはやって来ているので。
エレベーターは防災センターから大して遠くない所にあった。
まあ、電気室は設備員の直接管理だし、防災センターからの導線も便利にしておかないと、ということか。
エレベーターのスイッチ自体は切られていたが、これはセンターから持ち出したエレベーターキーを使用して起動させた。
地下4階に止まっていたエレベーターを呼び戻す。
その間、シンディは思った疑問を口に出した。
「それにしても、リンもレンも……ううん、あのジャニスとかルディって奴もどこにいるのかしら?モニターに姿を現しただけで、さっぱり私達の前に姿を見せない」
「何か・会えない・理由でも・あるのかも・しれないな」
エレベーターのドアが開いて、エミリー達はそれに乗り込んだ。
すぐに地下4階のボタンを押して、ドアを閉めた。
油圧式のエレベーターは、滑車式(ロープ式)のそれと違って動きは遅い。
シンディは防災センターで手に入れたマグナム弾を、右手を変形させたマグナムにリロードした。
「いざ、地獄の底へ」
平賀:「ああ、済まなかった。エミリー、シンディに協力してくれ。お前にも鏡音リン・レン並びにアルバート所長の救出、そしてジャニスとルディの捕獲もしくは破壊を命じる」
「かしこまりました。プロフェッサー平賀」
先へと進もうとする鋼鉄姉妹。
「鏡音リン・鏡音レンが・ここにいる・ということは・通信すれば・応答が・あるはずだ」
「電源が入って、稼働していればの話だけどね」
シンディはリンとレンに通信を送った。
「……ダメ。応答が無い」
「では・どうする?」
「ザコロボット締め上げて、居場所吐かせる?」
「恐らく・知らないと・思う」
「それじゃ元も子も無いじゃない!」
敷島:「それじゃ、こういうのはどうだろう?その研究所はかなりデカい。恐らくどこかに、防災センターがあるはずだ。防災センターなら……所内のあちこちに仕掛けられた監視カメラに、もしかしたらリンとレンが映っているかもしれない。ついでに、アルバート所長もな」
「なるほど。それもそうね!」
「さすがは・敷島社長・です」
エミリーとシンディは、自分達にインストールされた館内のマップをダウンロードした。
「防災センターは地下1階にあるみたいね」
「さっき・行った・倉庫とは・反対側だ」
「OK.そこに行ってみましょう」
と、その時だった。
敷島:「!? 画面が真っ暗になった!」
平賀:「どういうことだ!?エミリー、応答しろ!」
「プロフェッサー平賀。どうやら・停電が・起きた・もようです」
平賀:「停電!?」
鳥柴:「どうやら、夜半前の雷雨の影響で、送電線に不具合が起きたようです。電力会社の話によると、それは比較的簡単なもので、すぐに修理できるレベルとのことです。ただ……」
敷島:「ただ?」
鳥柴:「あの研究所には安全装置が設置されていて、例えまた電力会社からの送電が行われても、自動的に復電するわけではありません」
敷島:「まあ、確かに。家のブレーカーも、落雷で停電したら、自分でブレーカー戻さなきゃいけないしね。つまり、そういうことですね」
鳥柴:「はい」
平賀はマイクを取った。
平賀:「聞いた通りだ。お前達のことだから、停電で真っ暗になっても、暗視カメラで行動に支障が出ることはないと思う。現に、今こちらのモニタでも、暗視カメラの映像として比較的鮮明に映っている。だが、所内の設備を利用しなければならないだろう。ましてや、次の目的地は防災センター。停電したら1番マズい所だ」
「イエス。プロフェッサー平賀」
「じゃあ、どこに行って復電すればいいの?」
敷島:「電気室だな。電気室に大きなブレーカーがあって、それが落ちたと思われる。直ちに、電気室を確認しろ」
「了解!」
「かしこまりました」
平賀:「電気室も施錠されているだろうから、防災センターには行ってみる価値があると思う。そこに鍵も置いてあるだろう」
「イエス。プロフェッサー平賀」
こうして、エミリーとシンディは防災センター並びに電気室に向かうことになった。
[同日00:30.天候:晴 同研究所内・防災センター]
防災センターは比較的簡単に行くことができた。
途中、電子ロックされていたドアがあったが、停電になっているせいか作動しておらず、フリーで開けることができた。
防災センターは所長室ほど荒らされていなかったが、それでも急に事件が発生したのだろう。
ここにいた警備員達が、どれほどまでに浮足立ったかが分かるほどに荒れていた。
そして案の定、センター内は非常灯が点灯していたものの、肝心のモニタは停電で全部消えていた。
「連絡手段が色々あるけれど、電話で外に掛けることはできないみたいね」
シンディは電話機1つ取ってみたが、全く音が聞こえてこなかった。
センター内には所内の設備について監視するコーナーがあり、往時はここに設備員が詰めていたのだろう。
ここも無人だった。
しかし停電になっていても、予備電源がその分動いたのか分からないが、設備員用のPCは稼働していた。
当然、何やらエラーが出ており、それによると、所内で停電が発生したので、至急、電気室を確認せよというものだった。
そして、停電になってしまったことで止まったものや、予備電源で動いているものの一覧が出ていた。
「一部のエレベーターは動いていて、一部のエレベーターは止まっていると……」
「そういう・ことだ。電気室は・地下4階に・ある。そこへの・エレベーターは・動いている・ようだ」
「行ってみましょう」
「ちょっと・待って」
エミリーはセンター内のキーボックスを開けた。
何でも開けられるカードキーがあり、普通の鍵を何でも開けられるマスターキーもあった。
そして、エレベーターを起動させるエレベーターキーも。
必要そうな鍵は、全て持ち出すことにした。
警備員用の防犯監視盤を見ると、停電で全ての電子ロックが開放状態になってしまったという警告が出ていた。
「逆にこの辺は都合が良さそうね。他にも、別の認証コードでないと開かないドアとかありそうだし」
「カードキーは・手に入れたから・その辺の・心配は・無いが」
「とにかく、行きましょう。停電を復旧させないと」
エミリーとシンディは、更にセンター内にあった弾薬を見つけて補充した。
ボブ戦でだいぶ銃弾を使ったのは事実であるし、未だにちょこちょこザコロボットはやって来ているので。
エレベーターは防災センターから大して遠くない所にあった。
まあ、電気室は設備員の直接管理だし、防災センターからの導線も便利にしておかないと、ということか。
エレベーターのスイッチ自体は切られていたが、これはセンターから持ち出したエレベーターキーを使用して起動させた。
地下4階に止まっていたエレベーターを呼び戻す。
その間、シンディは思った疑問を口に出した。
「それにしても、リンもレンも……ううん、あのジャニスとかルディって奴もどこにいるのかしら?モニターに姿を現しただけで、さっぱり私達の前に姿を見せない」
「何か・会えない・理由でも・あるのかも・しれないな」
エレベーターのドアが開いて、エミリー達はそれに乗り込んだ。
すぐに地下4階のボタンを押して、ドアを閉めた。
油圧式のエレベーターは、滑車式(ロープ式)のそれと違って動きは遅い。
シンディは防災センターで手に入れたマグナム弾を、右手を変形させたマグナムにリロードした。
「いざ、地獄の底へ」