報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“大魔道師の弟子” 「恐怖の廃屋」

2016-01-19 19:40:37 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[1月16日00:00.天候:曇 アルカディア王国西部辺境の町オークタウンの宿屋 稲生勇太&アレクサンドラ(サーシャ)]

 稲生のスマホのアラームが鳴る。
「うーん……」
 こんな真夜中に起床したのは、これからダンジョンを探索しなければならないからだ。
 身支度を整えて部屋を出ると、既に部屋の前にはサーシャが腕組みをして待っていた。
「ちゃんと起きれたみたいだな。目は覚めたか?」
「まだちょっと眠いですけど……」
「ま、冒険にはこういうこともあるさ。お宝を見つけたら、パーッとやって疲れを癒そうよ」
(サーシャ、お宝には興味が無かったんじゃ……?)
 しかし、そこは黙ってておく。
 1階に下りると、さすがに酒場の営業も終了したようだ。
 人間界の大都市の繁華街では、まだ盛り上がっている時間なのだが。
 フロントに行くと太った女将ではなく、波平さん頭のマスターが座っていたのだが、肘をついて居眠りしていた。
 まだ、魔道師エレーナが住み込みバイトをしているホテルの方が真面目と言える。

[同日01:00.天候:雷 オークタウン郊外の廃屋 稲生&サーシャ]

 何でこういうホラーチックな展開になると、都合良く雷が鳴るのだろう。
 さすがに最近の新しいホラー映画もそれに気づいたのか、都合良く雷が鳴ることもなくなったようだが。
「あれ?結界が……」
 聞き込み調査によると、夜は結界の力が弱まるものの、まだ存在しているということだった。
 ところが実際に行ってみると、全く存在が見えない。
 見えないほどに弱まったのか、或いは……。
「消えてるね。もしかして、先客か?」
「ええっ?」
「ま、いいや。私は素人だからね。あなたに任せるよ」
 稲生はまたもや宿屋から持ち出した安物のコップを取り出して、結界があった所に投げた。
 昼間の通りなら、レーザービームが飛んできて焼き払われるはずだが、コップはそれを通り越して屋敷の中に飛び込み、普通に石畳のアプローチの上に落ちて割れた。
「おー、やっぱり結界が消えてる。誰かが破ったのか?」
「ちょっと待ってください」
「だから敬語はいいって。ホントに律儀なヤツだなー。もしかして、好きな先輩魔道師さんにも遠慮してたりしてる?それだと進展しないよ」
「余計なお世話です……いや、だよ」
 稲生は少しムッとしながらも、結界があった辺りを調べてみた。
 すると、結界があった場所の下に細かい紙切れが落ちていた。
 それをかき集めてみると、件の結界の形に似た図柄が描かれていたようだった。
「これは何?」
「依り代ですね。イリーナ先生みたいなベテランは無から結界を張り出すことができますが、経験がまだ足りない魔道師は、結界を張るに当たって、『下書き』が必要になります。例えば魔法陣を描いて、それに結界を張ってもらうというやり方ですね。でもここは周辺が石畳になっていて、魔法陣が描けないので、紙に描いたものと思われます」
「で、それがバラバラになっているということは……?」
「文字通り、誰かが破ったんだと思いますね」
「てことは、やっぱり先客がいるか。よし。そいつが味方とは限らない。心して行くよ」
「は……はい」
 2人は正門の門扉を開けて、正面玄関に向かう石畳の上を進んだ。

 エントランスまでは何も起きなかった。
 例え廃屋でも鍵くらいは掛かっているのではないかと思われたが、重厚な木製の観音開きの玄関は簡単に開いた。
「やっぱり先客がいるね」
 廃屋だから当然だが、館内は真っ暗である。
 時折、雷光が窓から差し込んでくるくらい。
「明かりくらい何とかならないのか?魔法で」
「いや、魔法でなくても大丈夫です」
 稲生はローブの中から懐中電灯を出した。
「おおっ?面白い道具だな。これも魔法具かい?」
「普通に人間界で売ってるものですけど……」
 稲生は懐中電灯の明かりを点けた。
「で、どこへ行きます?」
「やっぱ、屋敷の主人の部屋に行くべきだな。屋敷の主人なら、お宝の場所を知ってるだろう?そのヒントが部屋にあるかもしれない」
 いつしかトレジャーハンティングみたいになっている。
「屋敷の主人の部屋っていうと、1階の奥でしたっけ?」
「いや、2階の奥でしょ」
「あれ?……あ、そうか」
 マリアの屋敷でも主人の部屋は2階になっているが、マリアはその階下で寝泊まりし、実質的に主人の部屋はイリーナが使っている。
 名義はマリアの屋敷だが、実際の主人はイリーナで、マリアは住み込みの管理人みたいなものだと聞いたことがある。

 マリアの屋敷もそうだが、この屋敷も実際には色々な仕掛けが施されていた。
 例えば、吊り天井になっている応接室。
 絵画に仕掛けられた宝石を取ると、天井が落ちてきて、取った者を押し潰してしまう仕掛けとか。
 これにはその宝石を取った後、天井が落ちてくるまでの間、イミテーションの宝石を代わりに嵌め込んでやると、吊り天井の落下を止めることができる。
 他にもエンブレムを外すと、閉じ込められてしまうが、そこに予め別の場所から持って来た別のエンブレムを嵌めてやると、再び扉は開く。
 そして外したエンブレムをまた別の所に嵌めてやると、隠しアイテムが取れるとかいうものだ。
「稲生も色々知ってるんだね?」
「まあ。マリアさんの屋敷にも、似たような仕掛けはありますから」
「てことは、ここは今、魔道師が使ってるってことかい?」
「あ……!そうか!」
 あまりにもマリアの屋敷にある仕掛けとそっくりなので、逆に何の疑いも持たなかった。
 だが、これはダンテ一門の中で紹介されている仕掛けだ。
 入門した魔道師見習に渡される魔道書にも書いてあった。
「ダンテ一門の魔道師の誰かが使ってるのかな?だとしたら、会えたら話が早い!」
「その魔道師さんに頼んで、エリックの居場所を占ってもらうってことは可能かい?」
「その魔道師さんが、どのジャンルの人なのかにもよりますが、水晶球の扱い方は本科の内容です」
 つまり、ジャンルを問わず、ダンテ一門においては水晶球の扱い(占いも当然含む)は必修科目となっているということだ。
 ポーリンのような薬師系とかだと、水晶球は基本で習ったくらいの感覚なので、尋ね人を探す能力までは期待できないかもしれない。
 だがイリーナくらいだと、物凄く期待できる。
「早いとこ主人の屋敷に行こう。そこにいるかもしれない」
「はい!」

 2階の主人の部屋と思われる所。
「……人の気配はしませんね」
「魔道師さんなら気配を消すことは可能だろう?」
「まあ、そうですけど……」
 稲生はドアノブに手を掛けて回してみた。
 鍵は掛かっていなさそうだった。
「では、開けますよ」
「開けたら稲生はちょっと引っ込んでて」
「どうしてですか?」
「こういう場合、中にいるのはここのボスという展開だったりするんだ。開けた途端、いきなり襲って来るかもしれない。稲生はそんな経験無いだろう?」
「そ、そうですね。できれば避けたい展開ですが」
「そういうことだ。じゃ、行くぞ」
「はい」
 稲生はドアノブを回し、内開きのドアを思いっ切り押し開けた。

 すると!

「わあーっ!!」
「くっ……!」
 サーシャの読み通り、部屋から飛び出してくる者達がいた。
 だが、それはコウモリ。
 いきなりドアを開けられたコウモリが驚いて、何匹か飛び出してきたのだった。
 稲生は驚いて尻もちをついた。
「も、もしかして、魔道師さんじゃなくて、魔族が住んでいたりして!?」
「それならそれで倒してやるまでだ!」
 サーシャは剣を構えて、主人の部屋に飛び込んだ。
「サーシャ!」
 稲生はふらつきながらも立ち上がって、魔法の杖を持って後から入った。
 主人の部屋は雨戸が閉めきられていて外の様子は全く見えなく、それ故に真っ暗だった。
「……誰もいない」
「ええっ?」
「そんなバカな!誰もいないぞ、稲生!」
「先客もいるはずなのに、どうしたんでしょ?まさか、既に先客は帰った後?」
 確かに、これだけ大きい屋敷の主人の部屋の割には室内は殺風景だった。
 古い机と椅子、空になった本棚があるだけだった。
 明らかに引っ越しの後のように、色々と持ち出された跡があった。
「参ったなぁ……」
「何か残ってないか、探してみよう」
「魔法の杖でも使ってみましょう。……金属探知を頼む」
 稲生が手持ちの魔法の杖(というか棒)に向かって話し掛けると、それがまるでハンディタイプの金属探知機のようになる。
 それで屋敷の主人の部屋を調べてみると、一応木張りの床の下に金貨が数枚と、壁の中にどこのものか分からぬ鍵が埋め込まれていた。
「七光石(吊り天井の部屋で見つけた魔界の高価な宝石)が1つと金貨が5枚と、へんてこりんな鍵か。その鍵、どこの鍵なのか調べてみよう」
「そうですね」
 ここで手に入れた物を全てしまい、部屋から出ようとした時だった。
「うっ!?」
「あっ!?」
 突然、室内が大きく揺れ出した。
 大地震だろうか?
 だが、その揺れ方がハンパじゃない。
 立てないほどの大きな揺れ。
 しかも、沈没直前の船のように大きく右に傾いたり左に傾いたりする。
「わあーっ!」
「うあーっ!」
 あまりの傾きに稲生とサーシャはドアの横の壁に叩き付けられた。
 稲生の顔の上に、普段は股当てに隠されたサーシャのビキニショーツが乗っかってくる。
「こ、このままじゃヤバい!稲生、部屋から脱出するよ!」
「は、はい!」
「そのドアノブを開けて……って、私がどかなきゃ動けないか……」
「は、はい……!」
 サーシャがようやく稲生の顔に乗せていた大きな尻をどけた。
 稲生は手を伸ばして、部屋のドアを開けた。
 その直前、部屋にドンッ!と大きな音がして、それ相応の衝撃が走る。
 だがそのショックで、稲生達は部屋の外に飛び出すが如く脱出することができた。
「ああーっ!?」
「!!!」
 その際、稲生達はとんでもない光景を目の当たりにしてしまった。
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“大魔道師の弟子” 「最初のダンジョンは……」

2016-01-19 17:04:18 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[1月15日07:00.天候:晴 アルカディア西部辺境オークタウンの宿屋 稲生勇太&アレクサンドラ(サーシャ)]

 稲生は外を飛ぶ鳥の鳴き声に目が覚めた。
「足が筋肉痛だよ……」
 稲生は足を引きずりながらベッドを出た。
 顔を洗う為に部屋から出ると、サーシャが夜着のワンピースから鎧の下に着る白いスポーツブラと黒いビキニショーツ姿でいた。
 ギョッとした稲生を、サーシャはあっけらかんとして、
「よお。よく眠れたかい?」
「は、はあ……。あ、あの、その恰好……いいんですか?」
「ん?何が?」
「あ、いえ。別に……」
「確かに汗臭かったからね、昨日風呂に入った時についでに洗ったんだけど、まだ臭う?」
「いえ、それは大丈夫ですけど……」
「あなたも早く顔洗って着替えな。早いとこ、朝食べに行こう」
「は、はい……」
 人間界では1月であるが、常春の国で、年間を通して気温が20度台のアルカディア王国では全く寒くない。
 魔界というと極寒の地か灼熱地獄、或いは常に暗闇に閉ざされた場所というイメージだが、そんなイメージを払拭した所に王国はある。
 魔界共和党では『この魔界を幻想郷に』というのがスローガンである。
 なので、まるで陸上競技の選手のような恰好になっているサーシャも、全く寒くはないのだ。
「ん?何か、足引きずってるけど……」
「ちょ、ちょっと筋肉痛で……」
「はあ!?1日歩いただけで?」
「そ、そうなんです……」
「何だい、魔道師さんってそんなに体力無いのかい?」
「はあ、すいません……」
「ていうか、魔法で治せないの?」
「……あ」
 稲生は魔道書の中に、小さな傷はたちどころに治せる魔法があったことを思い出した。
「ちょっとやってみます」
「私は先に下で朝食食べてるからね、早く来なよ」
「はい」

 稲生が魔道書を読みながら唱えたCクラスの回復魔法は、筋肉痛を治すには十分であった。
 何とか普通に歩けるようになった稲生は、すぐ酒場となっている食堂へ向かった。
 夕方から夜に掛けては酒場だが、朝から夕方に掛けては食堂になっているらしい。
「朝からチキンですか」
「この辺りはオークがいっぱいいるからね、豚肉と猪肉は御法度だって」
「な、なるほど……」
「ま、人間がサルを食べないのと同じだな」
「そ、そうですね。(いや、確か中国にはサルの脳味噌を食べる習慣があるぞ。……とは、とても言えない)」
 尚、オークといっても、町中に住む部類はちゃんと王国の法律を守っているため、稲生達に襲って来ることはない。
 襲って来るのは町を出た所の、要は盗賊や山賊みたいな稼業をしている、ならず者達だ。
 この辺りはローラム鳥という名の魔界に生息する鳥が多く存在しており、豚肉系を食べれない住民達はこの鳥を捕まえて肉食しているらしい。
 白いタイプは概しておとなしく、人を襲うこともない割には繁殖力が強いため、普通に食べる分を捕まえても数が減ることはないとのこと。
 で、これがまたアホウドリの如く、簡単に捕まえられるらしい。
「ま、イノーもこういうのを食べて体力つけなよ。人間界じゃ、ロクなものを食べてなかったのかい?」
「いえ、そんなこともないですけど……。日本人は元々小柄な人種なんです」
「そうか。そういえば安倍首相も、レナフィール大佐やルーシー陛下と並ぶと低いな」
「そうですね。で、今日は何をするんですか?」
「情報集めだ。見習のあなたに解ける結界かどうか分からないだろ?」
「そうですね」
「もし既に一人前の魔道師がいたら、その人に頼むという手もある」
「おー!」
 ついでにイリーナ達と連絡が取れるよう、依頼もできる。
「そういうわけだ。早いとこ食べよう」
「はい!」

[同日10:00.天候:晴 オークタウン中心部 稲生&サーシャ]

「ふむふむ……。それでは夜に行くといいわけですか」
 稲生はメモを取りながら、聞き込みをしていた。
「あー、なるほど。夜には結界が弱くなるかもしれないと……。それは有り得ますねぇ……。ところで、何かお悩みでもあります?もし良かったら僕のお寺に……あ、いや、何でもないです!」
 時々、ここが魔界であることを忘れる稲生であった。
(危ない危ない。街頭折伏する所だった……!)
「大丈夫か、イノー?」
「あ、サーシャさん」
「サーシャでいいよ。どうやら私とあなた、歳同じみたいだし」
 23歳か。
「魔法使うのはいいけど、暴走はさせてないでくれよ」
「だ、大丈夫です」
 サーシャはいつもの鎧を着込んでいた。
「で、何か情報あった?」
「例の魔法の結界が張られたダンジョンってのは、洋館……大きな屋敷だそうです」
「それで?」
「昔、バァル大帝だった頃の貴族が住んでいたそうなんですが、没落して今は無人の屋敷のはずだと……」
 そこまで言った時、サーシャの眉毛とこめかみがピクッと動いた。
「サーシャさん?」
「いいよ。続けて」
「昼は誰が見ても分かる結界が張られてるそうなんですが、夜は張ってあるんだか無いんだか分からないくらいに薄くなってると」
「そういうことってあるの?」
「実はよほどの熟練した魔道師でなければ、24時間結界を張り続けることは難しいです」
「そうなんだ」
「僕も練習したことがありますが、5分がせいぜいで……」
「それに対して、屋敷の前の結界は夜でも張られてるんだ。凄いね」
「でも、力は常に一定とは限りません。魔道師だって寝る時は寝ますので、寝ながら魔法を掛けられるのは僕の先生くらいで……」
「なるほど。じゃ、夜に行くといいんだね?」
「そういうことになります。でも一応、どんな種類の結界が張ってあるか見てみたいのですが……」
「そうだな。先に下見でもしておくか。外から見るだけならタダだろ」
「はい」

[同日11:00.オークタウン郊外・謎の洋館前 稲生&サーシャ]

「これは……」
 外から見るに、明らかに廃屋にしか見えない洋館がそこに建っていた。
 雰囲気はマリアの屋敷と似ているが、ちゃんと住んでいて管理もされているそれとは明らかに空気が大きく異なっている。
 マリアの屋敷も確かに慣れていないと不気味な所はあるが、住んで都にできる余地はある。
 で、いま目の前にある洋館にあっては、その余地が全く見受けられない。
 明らかに化け物しか住んでいないという感じだ。
 それから正門前には、地面に描く魔法陣がこちら側に向けて、青白い光を放って浮かんでいた。
 もちろん、迂闊に触ろうものなら、命の保証はない。
「これ、周りの柵を乗り越えるっていう手は使えないのかい?」
「多分、無理だと思います」
 稲生は宿屋から持ち出したマグカップをポイっと屋敷の敷地内に向けて投げた。
 すると、魔法陣型の結界がそれを感知し、青白いレーザービームを放って、マグカップを焼き払った。
「旧ソ連軍並みの厳戒態勢ですねぇ……」
「なるほど。今、無闇に入ろうとするのは危険だというのは分かった。で、あなたにはこの結界が解けそうかい?」
「いや、ちょっとムリっぽいですね。その、夜にどれだけ弱くなるかにもよります」
「分かった。じゃ、夜にまた来よう」
「都合良くこの結界を張った魔道師さんに会えれば、モア・ベターなんですけどね」
「私1人じゃ、警告無しに攻撃されそうだ。でも、同じ魔道師のあなたがいれば、少しは話を聞いてくれそうかい?」
「だといいんですけどねぇ……」

 2人は踵を返して、取りあえずまた先ほどの宿屋に入ることにした。
 一応、門の前には何やら貼り紙がしてあったのだが、稲生達は大きく表示された『危険!立ち入り禁止!』『関係者以外の立ち入りを固く禁ず!』『無断で立ち入る者、死あるのみ!』しか目に入っていなかった。
 しかし、小さく表示された所には、何故だか『工事のお知らせ』とか書いてあったのだが。
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“大魔道師の弟子” 魔界RPG編 登場人物紹介

2016-01-19 11:14:07 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
 アレクサンドラ:

 ロシア語での愛称はサーシャ。
 本人は本名で呼ばれるのを嫌い、愛称で呼ぶことを人に要求している。
 稲生勇太が魔法陣に吸い込まれ、落ちた魔界の外れで出会った女戦士。
 行方不明になった婚約者の手掛かりを捜す為、アルカディアシティに向かっていたところ、倒れていた稲生を発見、救助する。
 旅にあたって、魔道師を仲間にしたかった彼女は見習とはいえ、魔道師の稲生を仲間にする。
 名字もあるようなのだが、本名と同様、名乗りたがらない。
 元はバァル帝政だった辺境貴族の人間に仕えし傭兵であったという(貴族に仕えていたのだから、彼女もまた傭兵ではなく騎士という見方もできるが、そもそも帝政時代の王国の序列が不明なので)。
 現在のルーシー王政になってから(厳密には一時期政権を取っていた魔界民主党の手による)、旧貴族は全て没落させられたため、本当の傭兵として働いていたらしい。
 人間界でも大人気のビキニアーマーを着用しているが、ベタな法則なほどの過激で露骨な露出は無い。
 腰まである黒い髪を束ねて、その上からヘッドギア型の簡易的な造りの兜を被る。
 身長165センチの稲生が見上げて話すので、身長は高い。
 辺境とはいえ貴族に仕えていたことがあったせいか、傭兵や女戦士のイメージにあるような、露骨な豪放さやガサツな所はそんなに見受けられない。
 年齢は稲生と大して変わらないらしい。
 酒を飲むことから、20歳は間違い無く過ぎている(アルカディア王国の新法律では、成人年齢は日本国に合わせて20歳となったため)。
「剣がちょっと使えるだけ」
 と謙遜しているが、RPGでもザコとはいえ、本当の最下級のモンスターよりは明らかに強いオークを5、6匹くらいは簡単に倒せる実力を持つ。
 後半で彼女の本当の出自に際し、意外なことが明らかになる。

 エリック:

 アレクサンドラ(サーシャ)の婚約者。
 仕える貴族が没落して本当の傭兵稼業をしていたサーシャと意気投合し、他の仲間も加えて、冒険の旅をしていた。
 リーダーシップがあったので、そのパーティーのリーダー的な役割を果たしていたという。
 そうしているうちにサーシャと恋仲になり、婚約を結ぶ。
 結婚資金を稼ぐという目的で1人、アルカディアシティ近郊に生息するという賞金首の、凶悪で強力な魔族を倒しに行ったまま行方知らずとなる。
 彼の所在は終盤で明らかになる。

 藤谷春人:

 今回は出番が物凄く少ないが、ちゃっかり鍵を握っていた人物。

 横田高明:

 え?顕正会に同姓同名の影の薄い幹部がいるって?
 さあ……?気のせいじゃないかな?

 魔界共和党理事という名の何でも屋
 「歩くムッツリスケベ」「歩くポルノ小説」などの異名を持つ。
 『グリーンの花園妄想記』という自作のポルノ小説をこっそり党機関紙に掲載しては、後で安倍にぶっ飛ばされるという劇が繰り広げられている。
 気に入った女性の下着を見通す異能を持ち合わせている。
 さすがに安倍からは、ルーシーにやったら不敬罪で死刑だと言われ、さすがにやっていないようだ。
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バス・フリークスが絶対に乗らないバス

2016-01-19 09:12:32 | 日記
血流し立ち尽くす人=バス転落、直後の現場―救助関係者が証言・長野

  “バス・フリークス”は私が短大生の頃に結成したチーム名である。
 学生の頃や卒業してからしばらく、20代の頃まではバスと鉄道を駆使した旅行をよく行っていたものである。
 30代にもなると、さすがにチームでの行動が難しくなり、今ではほとんどソロ活動に転じているが、正式に解散したわけではない。
 顕正会のせいで解散の危機に晒されたこともあったが、何とか乗り切れたよ。
 広宣流布に関係無いからといって、何でもかんでも切り捨てて良いというわけでもないと思うがね。

 そんなバス・フリークスが絶対に乗らないと決めたのが、ツアーバスとスキーバスだ。
 短大時代に、チームで1度だけそのツアーに参加したことがある。
 バス会社は主にトラック会社が片手間でバスを走らせているような所で、運転席周りが、まるで長距離トラックのような装飾になっていたのを覚えている。
 帰って来てからの結論が、
「スキーバス、ツアーバスには絶対に乗らない」
 であった。
 バス会社のことについて問い合わせをしようと、主催会社に連絡を入れたら、
「それは直接、バス会社にお問い合わせください」
 と、素っ気無い返事をされたし、
 それならばとバス会社に電話を入れたら、
「ツアー会社に言われたことなので、ツアー会社に言ってください」
 とのことだった。

 つまり、責任の押し付け合いである。
「こんなんで事故が起きたら大変だぞ!誰も責任を取らなくなる!」
 と、チームのメンバー全員で、あのような最終的な結論に至った。

 今から15年近く前のことである。
 恐らく、もっと前から責任の押し付け合いはあったのだろう。
 それが近年になって如実化しだけのことである。

 バス・フリークスが絶対に乗らないバス。

 キモくて近づき難いかもしれないが、1度、鉄オタやバスオタに話を聞いてみてはいかが?
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