報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“ユタと愉快な仲間たち” 「信濃の森の魔道師たち」 2

2014-07-23 19:44:40 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[7月23日10:00.マリアの屋敷・リビングルーム 稲生ユウタ]

「え?藤谷班長が?良かったじゃない」
 ユタは江蓮から電話を受けていた。
「相手はあの雪女さんか……。大変だな。でもこれで、班長の女嫌いが治れば万々歳でしょ。……そう。今、長野にいるんだ。でも、今週末には戻るよ。それじゃ、班長にはお祝いしないとな」
「誰と話してるんだ?」
 マリアは威吹に聞いた。
「ああ、それは……」
 その時、あるイタズラを思いついた威吹。
 妖狐というのは、時に悪戯好きでもあるのだ。
「女とだよ」
「……!」
「……今年は僕達も誘ってくれるって?何だ、それ早く言ってもらわないと。あ、そうだ。栗原さん、お願いできないかな?うん、実はなんだけど……」
「あふ……。おはよう……」
 そこへ眠そうな顔をしてイリーナが起きてきた。
「寝過ぎだぜ。今何時だと思ってる?」
「ごめんごめん。まあ、いつものことだから……」
「いい身分だな。外界では人間共が時間に追われてあくせく働いているってのによ」
「うるさいね。魔道師の特権よ。てか、あんたも似たようなモンじゃないのよ」
「……まあな」
 そしてマリアの様子を見たイリーナが、威吹にそっと耳打ちする。
「マリアの背中から、激しいオーラが見えるんだけど、何かあった?」
「さあ、知らんなぁ」
 威吹は笑いを堪えていた。
「嫉妬の悪魔とやら、あいつに憑いてなくて良かったな」
「そりゃまあ、今契約してるのは私だからねぇ……」
「……うん、それじゃまた」
 ユタは電話を切った。
「? どうしました、皆さん?」
 ユタは自分に注目されてるのに気づいた。
「……ユウタ君、今の誰?」
 マリアがこめかみに怒筋を浮かべながら、しかし顔には若干の笑みを浮かべて聞いた。
「ああ。うちのお寺の仲間で、女子高生の……」
 ユタが言い終わらないうちに、マリアはユタのスマホを指さした。
「貸して」
「はい?」
「早く!」
「いいけど、壊さないでくださいよ」
「マリア、あんたスマホ持ったことないんだから……」
 イリーナが苦笑いしながら何か言おうとしたが、マリアは器用にスマホの画面に指を走らせ、

 ピッ!(←江蓮の着信履歴を消した音)

「はい」
 ユタに返した。
「な、何か魔法でも……!?」
 ユタが少し怖がる。
 イリーナは呆れて、
「着信履歴を消す魔法なんて無いから安心しな」
 と言った。
(危ねぇ危ねぇ。このコに憑かせてた悪魔が“嫉妬”じゃなくて)
 イリーナは少し冷や汗をかいたという。
「てか、その物体自身がオレには魔法そのものだがな」
「そうねぇ……」
 威吹の発言にイリーナも気持ちを察したのか同調した。
「まんま“魔法の石板”と同じだもんねぇ……」
「それよりユウタ君、また泳ぎ教えて」
「あ、ハイハイ。すぐに準備を……」
 ユタとマリアは、連れ立って地下のプールに向かった。
「よくよく考えたら、若い男女があの空間に2人きりってのも怪しいな」
 と、威吹。
「傍から見ればね」
「ユタを疑うわけじゃない。マリアが色目を使わぬよう、オレが見張っておくか?」
「いや、あのコはそういうコじゃないから。てか、どこまで疑うんだよ、うちの弟子を……。それより、ユウタ君が突然狼にならないよう、見張っといてくれないかねぇ?」
「ユタはそういうヤツじゃない!」
 威吹はプンプンと怒って、ユタ達の後を追った。
(つまり、お互い様ってことか……)
 イリーナはその辺、落ち着いている。
(どちらかに、いま手の空いている“色欲”の悪魔が取り憑いたりしたら、プールが18禁騒ぎになりそうだねぇ……)
 と、そこへ、
「おや?今日はお客さんが来てるねぇ……」
 イリーナはゆっくりと玄関に向かった。

[同日10:30.同場所・エントランスホール イリーナ・レヴィア・ブリジッド&エレーナ・マーロン]

「お届け物です!」
「あらま、ご苦労さんね。エレーナは、うちのマリアよりも働き者かもね」
 イリーナは姉弟子の直弟子を見下ろしながら言った。
 エレーナにとって、イリーナの身長は170センチを軽く超えていて、胸と尻も大きいという認識だ。
 魔道師にしておくのが勿体ないくらいのモデル体型だと、ポーリン師匠から聞いたことがある。
「大師匠様からです!」
「……ああ。私の書いた魔道書が返却されてきたのか……」
「大師匠様に魔道書を!?」
「まあ、免許皆伝を受けると、弟子を取るだけじゃなく、自分で魔道書を書く権利ももらえるからね。あんたんとこの先生も書いてなかったかい?」
「確か……」
「大師匠様に添削してもらったんだけど、これがまた手厳しいんだ」
「見てもいいですかっ!?」
「いいけど、あんまり参考にならないよ」
「え?」
 マリアは段ボール箱の中から、適当に魔道書を一冊取り出した。
「なんですか?この“かゆうま日記”(※)みたいなのは?」
 ※アンサイクロペディアまたはニコニコ大百科で検索!
「大師匠、添削してボツなヤツは悉く削除するからね。で、結果的に、まるでゾンビが書いたような内容になってるわけ」
「はー……」
「まあ、アタシは書いたらすぐに大師匠に送っちゃうからだけど、あんたんとこの先生は自己評価も厳しいから、なかなか送らないでしょ?」
「はい。でも、おかげですぐ合格がもらえてます」
「まあ、あれだけ自己精査すればねぇ……」
「あ、そうだ。思い出した。大師匠様から伝言があります」
「なぁに?」
「『もうちょっとマシなネタは思いつかんのか』だそうです」
「『気をつけまーす』って言っといてくれない?」
「はあ……」

[同日12:00.同場所・ダイニングルーム マリアンナ・スカーレット、イリーナ、ユタ、威吹邪甲]

「えっ、エレーナが来てたんですか?」
 マリアが驚いた顔をした。
「そう。暑い中大変だから、プール入ってけばって言ったんだけど、『道草してると先生に怒られる』って、すぐ帰っちゃったの」
「本当にイリーナ師ってのは厳しいですねぇ……」
 と、マリア。
「いやあ、私がユル過ぎるだけだと思うよ。マリアは筋がいいから、そんなに口うるさく言う必要が無いだけで。あ、でも、人形で呪いの魔法を使った時には、さすがの私もキレたけどね」
「ああ……」
 イリーナが師匠としてマリアに禁止した、人形を使った呪いの魔法。
 まず、呪いを掛ける相手に似せた人形を作る。
 この時既に怨念は籠っているので、改めて念を込める必要はない。
 あとは特殊な魔法を掛けるだけである。
 イリーナが個人的に禁止しただけであって、大師匠やポーリンサイドでは禁止していない。
 それはマリアが特殊な事情を抱えているが故の禁止であった。
「とにかく、ユウタ君達が来てくれて、あとは泳げるようになったら、謹慎処分は解除にするから、あと数日頑張ってね」
「はい」
 マリアは改めて、イリーナから食らった往復ビンタの痛みを思い出した。
「あ、そうだ。イリーナさん。そのことなんですけど……」
「ん?」
「今週の土曜日ですよね?僕の家に来るの……」
「そうだけど?」
「もし良かったら、面白い所へご案内しますよ?」
「おっ、ほんと?良かったねぇ、マリア」
「はい」
 一体、ユタはどこへ連れて行こうというのか。
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本日の動向 0723

2014-07-23 18:07:07 | 日記
 今日は久しぶりにスマホのプランを変更してみた。
 私の今のプランでは通話料が使った分だけ掛かってしまうので、それも定額にしてみた。
 そんなに掛けるわけではないのだが、いざ掛ける時に通話料を気にしながら話すというのも落ち着かないし、後で顔面蒼白の料金が請求されても困るしね。
 プラン変更した後は、仕事場に2つ立ち寄った後で所属寺院へ。
 大手町から高田馬場まで乗った東京メトロ東西線は15000系。
 同線内で運用されている車両で最新鋭のタイプであるが、ワイドドアと呼ばれる乗降ドアが採用されているのが特徴で、その名の通り、間口が通常の車両のそれよりも広い。ネットによると180センチあるという。私の身長よりワイドだ。確かに広いので、乗り降りしやすいけどもその分、座席数が減っている
 高田馬場の現場に立ち寄った後、駅前からタクシーで末寺へ向かう。
 あー、エアコン利いて涼し〜。
 てか、やっぱりこの東京無線の運ちゃんも私の末寺の場所は知らなかった。
 おかしいな。日蓮正宗では規模の大きい寺院なのだが……。

 今月は仕事の都合上、大石寺への登山参詣ができない。
 その分来月、2回行くことにしよう。
 確かに一応、末寺に少額とはいえ御供養は置いては行くものの、それ以外で末寺に行くことは無いのだから、熱心とは言えないな。
 唱題でもしてくればいいのに……。

 帰りは乗り鉄してみることにした。
 有楽町線で新木場まで行ってみると、やってきた電車はメトロ10000系。
 今日は乗り入れ車に乗ることがない日のようだ。
 新木場駅からは、りんかい線に乗る。
 埼京線直通、快速、川越行きはE233系だった。たまには、りんかい線の走るンです70-000系に乗ってみたかったが残念だ。
 今日も歩き疲れた。
 休みなのに疲れてどうするよ、俺……zzz

〔まもなく大宮、大宮。お出口は、左側です。……〕

 うぉっと!爆睡しちまった!危うく乗り過ごすところだったぜい。
 目が覚めたら、リアル“のんのんびより”指扇でしたってのはカンベンだからな。
 あとはここから、バスで帰る。
 乗りバスからも切っては切れない日なのだった。
 こうして私のネタ出しは終わる。

 今度は“やきそばエクスプレス”の予約でもしておくか。
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