報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

久しぶりの普通の日記

2014-05-04 21:42:02 | 日記
 実は今、実家に帰省している。
 今日、明け番の後は6日まで休みになったのと、実家の祖母がやっと退院して老人介護施設に入所が決まったからである。
 昨日は帰省・行楽ラッシュのピークだったらしいが、1日過ぎた今日にあっては、昨日のニュースが嘘のようだった。
 ガラガラというわけではないのだが、普通の日といった感じ。
 道路がメチャ混みでも無い。
 現住所から大宮駅東口に向かう西武バスはだいたい定刻通りに来たし、大きな渋滞にハマることもなく、だいたいダイヤ通りに到着できた。
 大宮駅の中は……まあ、普通の土休日と変わらなかったのではなかろうか。
 ここで実家から頼まれていた土産(東京ばな奈)を購入し、その後で駅弁を購入する。
 いつもは実家に土産は買っていかないのだが、今日は実家から迎えが来ていて、そのまま祖母の施設に向かうという。
 要は、そこの職員さん方への差し入れというわけなんだな。

 どれどれ、行き方をナビる為にグーグル・マップをスマホに出しておこう。
 車は県道8号線(利府街道)を東へ走る。
 ラジオから天皇賞の実況が流れているが、私が賞金取れたかは【お察しください】。
 職場の同僚は取れたようなので、帰京後たかってやろう。
 その後のBGMは東方Projectを掛けておく。
 弾幕の方は全く興味ないが、音楽CDは揃え中。
 私は原曲原理主義者ではなく、アレンジ容認派であり、既に何曲か日蓮正宗や顕正会の歌の歌詞に合わせてちょうど良い楽曲を見つけた。
 “明日ハレの日、ケの昨日”の曲に歌詞を付けたら、良い日蓮正宗愛唱歌ができたのだが、公認は……してくれないだろうな。
 初音ミク辺りに歌わせておこう。

「着いたぞー」
 と、父親。
 こりゃまた交通不便な場所にあるなぁと。明らかに駅から遠いし、バス停は近くにあるようだが、本数の多さは期待できそうにない。
 のんのんびより並みじゃないだろうな。
 しかも入口にお寺まであって!
 どこの宗派かな?目が悪くて、よく見えんわい。

 善修寺?

 ほほぉ……いかにも禅宗の曹洞宗辺りの寺にありそうな名前だ。
 精進料理でも無心に行きながら、法論でもしてくるかー。
 ん?日蓮?……ああ、何だ。曹洞宗かと思ったら日蓮宗か。池上派かな?

 ……え?違うの?何か『蓮』と『宗』の間に一文字入ってる。

 よーく見てみると……

 日蓮正宗 大洞山 善修寺

 はいーっ!?
 このような所にまで、宗門の末寺があるとはっ……!

 祖母の入居している施設はその裏手にあったが、別に日蓮正宗は関係無さそうだ。

 祖母は比較的元気であり、入所前に入院していた頃よりも歩けるようになり、私のことも何とか分かったようだが、やはり認知症自体は【お察しください】。
 浅井会長や池田名誉会長より年下なのにねぇ……。
 やはり1人でこんな所で過ごすのは嫌だと言っていた。
 私なら何でも世話してくれるだけに、私が入りたいくらいだ。
 だいたい、私が老人になる頃はちゃんと介護してくれる人がいるのかね。
 “アンドロイドマスター”では、既に介護ロボットの研究開発が進んでいるという所の話まで行っている。
 恐らく共済年金受給者は手厚い介護を受けられ、私のような厚生年金者はロボットによる介護だったりしてな。
 まあ、別にいいけど。ヘタな人間より、エミリーやメイドロボットの七海みたいなガイノイドに介護されたいくらいだ。
 で、国民年金は移民、つまり外国人で、無年金者は【お察しください】か……。

 やはり、この施設でも国民年金の爺さん達は婆さん達からクソ扱いされ、厚生年金受給者はモテモテなんだとよ。
 因みに共済年金者は、そもそもこういう施設に入らない。
 オレのモテ期は老後かよ。生産性の無い人生になりそうだ。
 但し、認知症の進んだ祖母の言ってることだから、どこまで本当だかは分からない。

 ここでは職員さん達が何でもかんでも世話してくれるという。
 老人介護施設なんだから当たり前なのだが、しかし自分でできることは自分でやりたいという祖母は、それが不満のようだ。
 いや、できないからアンタここにいるんだけどねと突っ込みを母親がしているのだが……。
 “ボーカロイドマスター”に登場している老博士、南里志郎や十条伝助みたいな入所者もいて、もしかすると、エミリーみたいなロボットが……という妄想をどうしてもしてしまう。
 恐らく私達の時代では、老人の考え方は全く変わっていることだろう。

 帰宅してから調べてみた。
 確かに善修寺は日蓮正宗宮城布教区に所属する、れっきとした末寺であった。
 創価学会寄進によって建立されている。
 凄い縁だ。
 世間って狭いな。
 1人で行ってたら立ち寄って御供養でも置いてくる所だが、あいにくと信仰しているのは私のみ。
 しかし、JR東北本線の東仙台駅から車で5分とあるが、本当か?
 小鶴バス停が近いようだから、仙石線の小鶴新田駅ではダメなのだろうか。んん?
 あまりバスでのアクセスは紹介していないことが多い。
 さいたま市の法勝寺も、さいたま新都心駅から徒歩20分とあったが、おいおいと……。
 大宮駅東口から東武バス、天沼循環に乗って庚申前バス停から徒歩5分という紹介の方がいいと思うのだが……。
 ちゃんと駐車場は完備されている。
 そこは某顕正会の会館と違う。

 明日は仙台の友人達と飲みに行こう。
 天皇賞の賞金もあることだし……。(←真相は【お察しください】)
コメント (4)
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“ユタと愉快な仲間たち” 賽の河原編 後日談

2014-05-04 10:58:22 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[5月のある日 地獄界“賽の河原” 冥鉄駅 蓬莱山鬼之助&栗原江蓮(本人)]

「こんな所にも冥鉄が走ってるとはな……」
 小さな駅舎には不釣合いの長いホーム。
 しかし改札口には、誰もいない。無人駅なのだ。
「よう」
 ホームには駅員ではなく、キノと同じような獄卒が何人もいた。
「ん?……何ですかな、この亡者は?」
 キノの姿を見つけた一張羅の獄卒が近づいて来たので、機先を制して先に左手を挙げた。
 階級の高い姿に装備をしているのに気づいたか、青鬼の獄卒は少し腰を低くした。
 獄卒はキノよりもむしろ、その横にいる江蓮の方に興味を示したようだ。
 他の亡者のような死装束でもなければ、受刑中のような汚い恰好をしているわけでもない。
 これから旅行に行くかのようなよそ行きの服装に、大きなカバンを持っていた。
「冥鉄本社への面談だ。このまま列車に乗れるだろう?」
「ええ。それはもちろん……。珍しいですね。賽の河原から冥鉄本社へ行く亡者なんて……」
「だろ?」
「先にここまで来る亡者共を降ろしてからになると思うので、そっちで待っててください」
「その方がいいな。おい、江蓮。こっちへ来い」
「はい」
 因みに荷物はキノが持ってあげている。
 駅舎内の誰もいない待合室に入った。

 しばらくすると、遠くから電気機関車のピィーッという警笛が聞こえて来た。
「来たぞ!」
「全員、配置に付け!」
 ホームから獄卒達の怒号が聞こえてくる。
「へへっ、始まった」
 キノはホームに接している窓を見て、ニヤッと笑った。
「何なんですか?」
 江蓮が恐る恐る聞いて来た。
「おう、お前は別の地獄から来たから、直接冥鉄に乗ったことは無ェのか。向こうの……つまり、生前の世界から賽の河原送りになった亡者達が降りてくるんだよ」
 キノは笑みを崩さず答えた。
 直後、古めかしい焦げ茶色の電気機関車(EF56)に牽引された旧型の客車列車が入線してきた。
 ブルーの客車と焦げ茶色の客車が入り混じっている。
 列車が停車すると一斉にドアが開き、
「オラ!早く降りろ!!」
「モタモタすんな!」
「無駄な抵抗はするなよ!」
 超満員だったのか、多くの乗客が吐き出された。
 獄卒達は鞭や金棒を手に、亡者の乗客達に降車を促している。
 賽の河原に送られてくるだけあって、20歳を超えている亡者は皆無だった。
 ところで、賽の河原に送られてくるのは乳幼児もいる。
 それはどうやって降りるのか。
「よっと。……あれ、おかしいな?」
 1人の獄卒が、電気機関車のすぐ後ろに連結されている荷物車のドアを開けようとした。
 車両が古めかしいのか、獄卒がまだ新人なのか、なかなか開かない。
「ったく、しょうがねぇなぁ。ちょっと江蓮、ここで待ってろ」
「は、はい」
 キノはホームに出た。
「おう!おめーがモタモタしてどうするよ?」
「あっ、すいません!」
 キノはその獄卒を叱り付けた。
「こうして、開けるんだ。……てか絶対これ、人手不足だろ?普通はドア開けるのに、1人1人配置に付くぜ?」
「そうなんですよねぇ……」
 若い獄卒は苦笑いした。
 というのも、冥界鉄道公社の運行車両は往々にして(人間界から見て)旧型車両が多い。
 最近人間界で廃車になった車両ならまだ自動ドアなので世話無いのだが、今回みたいな10系だの35系だのといった旧型客車だと手動式ドアなので、外側にいる獄卒達が開けるのだ。
 何故なら亡者達の中には既に自分達が地獄界に送られることを知っている者もいて、そういった者達はなかなか降りてこようとしないからだ。
 人手不足というのは2ドアの客車なので、各車両に2人の獄卒が配置に付かなければならないのに、実際は1人ずつしか配置に付いていない。
 あらかた亡者達が降りたのを確認したキノは、
「もう乗っていいのかな……?」
 8両編成くらいの真ん中の車両まで来た。
 旧型客車で構成された列車にあって、比較的見た目がきれいなブルーの客車である。
 それもそのはず、
「グリーン車!?」
 江蓮は驚いた。
 ドアの横には人間界のJRで見られる、緑色の四つ葉のマークが掲げられていたからだ。
「そうだよ。お前はもう罪人では無いんだ。これから冥鉄の職員になるんだからな、本社で面談ってことは、もしかしたら本社採用かもしれねーぜ?」
「はー……」
「お待たせしました。どうぞ」
 今現在のJRもそうだが、グリーン車には車掌室が付いていることが多い。
 中から丸いレンズの眼鏡を掛けた、年配の車掌がニコニコしてデッキに出て来た。
 もう夏服なのか、新幹線や特急列車の車掌長みたいな白い制服を着ている。
「終点までご乗車になるかと思いますので、よろしかったら乗車券をお預かりしますが」
「あ、はい。お願いします」
 江蓮は車掌にキップを渡した。
「ちょっと、座席までいいか?荷物が重いんでな」
「ああ、どうぞどうぞ」
 ホームが低いため、客車とは高いステップを登らなくてはならない。
 バリアフリーの欠片も無い。
 1両だけのグリーン車には誰も乗っていなかったのか、他の普通車は亡者達の腐臭が漂っているのに、ここだけそんな臭いはしない。
 といっても、今風なリクライニングシートが並んでいるわけでもなく、前後の向きだけが変えられる2人用の転換クロスシートが並んでいるだけだった。
「こんだけガラ空きだから、網棚に乗せなくてもいいか?」
「ええ。大丈夫です」
 江蓮は窓側に座り、荷物は通路側に置いた。
「じゃあ、達者でな」
「今まで、ありがとうございました」
「いや、なに……。その……オレの方こそ、昨夜は……ありがとう」
 江蓮は目に涙を浮かべたまま、首を横に振った。そして、口を開く。
「人間界に私の体が残っていて、鬼之助さんの好きな人が使っているんですってね」
「ああ。大事にしなきゃと思ってる。だが、姉貴が厳しくて、もっと丁寧に扱えと怒られてるよ」
「私の体……幸せにしてあげてくださいね」
「分かってる」
「失礼します。まもなく発車となりますので、ホームへ降りてください」
 件の車掌がやってきて、鬼之助に声を掛けた。
「ああ。それじゃ……」

 キノがホームに降りるのと、発車ベルが鳴るのは同時だった。
 ベルはすぐに鳴り終えた(客終合図だったかも)。
 霧の向こうから電気機関車の警笛の音が響くと、列車はゆっくり走り出した。
「鬼之助さん!」
 江蓮は窓を開け、大きく手を振っていた。
「気をつけて行けよ!」
 列車はグングン速度を上げ、同じく最後尾に連結されていた荷物車の赤い尾灯が遠ざかって行った。
 10両編成くらいあったか。
 因みに荷物車に何が乗っていたのかというと、普通の客車から乗り降りできない乳幼児が乗っている。
 獄卒がまるで本当に荷物を降ろすかのような、お世辞にも丁寧とは言えない降ろし方だ。
 では、どうして客車の先頭と最後尾で離れているのか。
 キノは先頭に積まれていたのは、箱であることを確認した。
 こちらは本当に獄卒向けの荷物が積まれていることが多い。
 最後尾にも実は荷物があるのだが、その中には肉塊と化した赤子がいる。
 妊娠したものの、いわゆる堕胎によって殺された胎児だ。
 多くは獄卒ら、人喰い鬼達の食糧になるのである。
 正直、キノもよく食べていた。

[翌日 地獄界“賽の河原” 獄卒詰所(センター) 蓬莱山鬼之助]

「それじゃオレは一段落しましたんで、家に帰ります。色々とありがとうございました」
 鬼之助は荷物をまとめて、青鬼監督に挨拶した。
「バイト代は後ででも構わないんで。家に送ってもらえれば……」
「ああ、そのことなんだけどねぇ、鬼之助君……」
 専用の机に座っている青鬼監督は、眼鏡を外しながら言いにくそうに言った。
 何だろう?バイト代は払えないとでも言うのだろうか。
「実はこれからまた多くの亡者がやってくるんだ。キミも気づいたと思うが、ここも人手不足でねぇ……。いよいよ限界になってきた。どうだろう?報酬は今の倍出すし、臨時増員班の班長にしよう。だからその……もう少しいてくれないかねぇ……」
「ですがオレは停職中の身なんで、あんまり長く働くとマズいんじゃないスか?」
 超法規的措置とはいえ、本来ならバイトすら許されないのが獄卒の停職処分だ。
「そこは私や管区長も何とか言い訳する。つまり、責任は我々で持つ。だからそれは気にしないでくれ。特別ボーナスも出すぞ!」
(特別ボーナス!?)
 一瞬、キノの目に¥のマークが浮かんだ。
「ま、まあ……確かにオレも人手不足の現場は見ましたし……。そうっスね。そこまで仰るんなら、もうちょっといようかな……と」
「うんうん!そうか!助かるよ!これからの働き次第では、私から本庁へ推薦状を書いてあげるからね!」
 推薦状とは、キノの停職処分を解除してもらうように口添えする文書のことである。
「早速頼むよ」
「分かりましたよ」

 しかし奇しくも、キノが勤務を延長したことにより、ある人物の過去の真相に迫ることになるとは、この時は誰も想定していなかったのである。
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“ユタと愉快な仲間たち” 賽の河原編について

2014-05-04 00:24:09 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
 本来、賽の河原というのは仏教における地獄ではないようだ。
 民間信仰によるものらしい。
 なので当作品では、八大地獄のどこにも所属していない所という設定にした。
 堕獄した亡者のうち、未成年者で親不孝度の高い者が八大地獄の各地より送られてくる、と……。
 八大地獄より離れているため、塔婆供養などの効果は一切無い。
 だからキノは人間界に連絡して、栗原江蓮(川井ひとみ)や稲生ユウタらに塔婆供養を呼び掛けることはしなかったのである。

 当作品はここで賽の河原編を終えているが、原作(他作者さんの作品)では江蓮が冥鉄への配属が決まった日の夜、改めて肉体の無断使用を詫びた上、一夜の契りを交わしたとのことだ。
 一晩でコンドーム1箱、ティッシュ1箱使ったそうだが、キノのヤツ、どんだけ絶倫だよ、と。
 当作品では作者自身が未だ童貞の為、ここまで書きません。

 キノは江蓮を冥鉄に送り出したのを機に実家へ戻ろうとするも、青鬼監督から人手不足を理由に勤務延長を打診される。引き上げられたバイト代に目が眩んだ中央本庁からの評価を気にしたキノはその打診を受けるが、皮肉にもこの事が後に続く話、マリアの過去について暴かれるきっかけとなる。

 尚、改めてここに登場したキャラクターについて、ざっくり御紹介させて頂こう。

 蓬莱山美鬼(ほうらいさん・みき):

 蓬莱山家の長姉。人間換算年齢30歳前後。因みに蓬莱山家の家族は、全て赤銅色の肌をした“赤鬼”である。キノの黒髪と違い、銀色の髪が特徴。気性は荒いように見えるが、多忙でいつも家にいない両親に代わって下の兄弟達の面倒を見る為に、あえて厳しい態度で接している。特に上の弟で長男であり、家の跡継ぎであるキノに対しては、折檻するなどの鬼姉ぶりを貫いている。
 跡継ぎでない更に下の弟妹達には比較的優しいが、生来の気性とキノに対する厳しさから、畏怖の念で見られている。
 高い霊力を持つ栗原江蓮(川井ひとみ)には、とても優しい。
 鬼族でも高い霊力を持つ人間を“獲物”にすることは、ステータスとされているため。
 剣客では無い為、刀を振るうことは無いが、男の鬼に負けず劣らず金棒を持ち歩いており、よくこれでキノを折檻している。
 他にも仕込杖、鉄扇などを持ち歩いているらしい。
 地獄界内での人脈は広いようだ。

 蓬莱山鬼之助(ほうらいさん・きのすけ):

 蓬莱山家の長兄。人間換算年齢25歳程度。愛称キノ、妹の魔鬼からはキノ兄ぃと呼ばれている。
 元々は家業の手伝いと称して八大地獄の1つ、叫喚地獄の獄卒をしていたが、川井ひとみにベタ惚れし、たった30年で彼女そっくりの栗原江蓮の肉体に勝手に入れてしまう。因みに、栗原江蓮が死んだ直後である。完全に重罪であるが、獄長の実家の尽力により、無期限停職で済んだ。が、実家の方からも無期限勘当処分を同時に受けてしまう。
 栗原江蓮に猛アタックをしているが、身持ちの堅い彼女からはあしらわれている(部屋への出入りや外出時の同行までは断られなかったことから、彼女自身はけして嫌っているわけではない)。
 何とか彼女に体を開いて貰おうと努力は欠かさなかったもよう。
 しかし、ついに性衝動に耐えられなくなり強姦してしまう(当作品では未遂)。
 美鬼にこのことがばれ、激しい折檻の末、地獄界でも辺境とされる賽の河原に送られた。
 そこで、成仏できなかった栗原江蓮の肉体の持ち主と出会い、彼女を地獄界から合法的に救い出すことを自らのケジメと誓う。
 厳しいながらも自分のことを気に掛けてくれる美鬼や、世話人のような青鬼監督のヒントもあり、何とか悲願を達成させることに成功した。
 引き続き賽の河原で臨時増員の獄卒を務めていくうち、マリアの過去の業について知る機会を得た。

 蓬莱山鬼郎丸(ほうらいさん・きろうまる):

 蓬莱山家の次兄。人間換算年齢15歳~18歳。キノを2回りほど小さくしたような感じだが、美鬼の折檻を恐れてか、おとなしい性格である。しかし、美鬼を厳しい姉として畏怖しながらも彼女の立場をよく理解し、また、それを理解しようとしないキノに対して苦言を呈する面を持つ。それでも、兄や姉を慕っていることに変わりはない。逃げ足は兄弟の中で1番速い。
 キノをアニキと呼ぶ。原作ではあまりセリフが無く、目立つ役回りでは無い。
 兄の“獲物”である江蓮については何とも思っていないようで、初対面の時は普通に挨拶しただけだった。

 蓬莱山魔鬼(ほうらいさん・まき):

 蓬莱山家の末妹。人間換算年齢12歳~15歳。姉譲りの銀色の髪をしているが、やはり姉の指導を恐れている。歳が離れているだけに、実は1番美鬼に可愛がられているのだが。
 キノをキノ兄ぃ、鬼郎丸をキロ兄ぃと呼ぶ。
 人間界に自由に出入りできる(本当は勘当状態なだけなのだが)キノを羨ましく思っていることから、人間界に対する憧れがあるようだ。
 江蓮を長兄の大事な女性と見ており、次兄よりも丁寧な挨拶をし、兄妹として甘えただけだが、後で“彼女”のポジションを取ってしまったことを詫びている。

 青鬼監督:

 賽の河原で、特に10代の少年少女を取り扱うエリアを担当する現場監督。茶髪のパンチパーマに青白い肌をした、青鬼である。キノのことを気に掛けており、彼のやろうとしていることについて遠巻きにヒントを与えたりしている。また、独居房でキノが江蓮と契りを結ぶのを黙認している。
 アイディアマンで、毎日の朝礼の時に掲げられる勤務指針を日替わりで考えている。
 鬼族には珍しく温厚な性格だが、青鬼がそうだというわけではない。
 人事も担当しているのか、江蓮を冥鉄を送った後、去ろうとしたキノを引き留めた。
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