LINEN GYOZA 近況日記

十年たちました…

「語り」と「おしゃべり」

2013-02-18 10:44:13 | 患者活動
なんとか読み終えた(ことにした)『苦しみと緩和の臨床人間学』。

ばばばっと飛ばし読みしながらも目に付くところはいくつもありました。
特に気になったのが146ページあたりからの、
「語り」と「おしゃべり」は区別されるものである
ということ。

「『おしゃべり』とは、互いの価値観や思いを存分に投げ返し合い、相互に価値観や思いのやりとりを楽しむ形態」で、
「『おしゃべり』は何を目指そうと、どこに着地しようと問題ありません」(P149)


「しかし、
思いの再構築とセルフコーピングを目指している苦しみを語っている人に対しては、『聴く』つまり『語り』に寄り添う意識を持つことが要石」(P149~150)



これを読んだとき、私はさくらんぼクラブでしばしばこのジレンマに陥ってるわ~と気づいたんですよ。

さくらんぼに初めて参加した人はいろんな気持ちで来られるわけで、ある人は誰かとおしゃべりしたいだけかもしれないし、またある人はそれががん患者(またはその家族)であってほしいと思ってるかもしれないし、さらに、何割かの人は「わたしの話を聞いてほしい」と願って来られている様子だったと思うんです。

でも、‘おしゃべりを楽しみたい人’がいる場では、初参加の、もしかしたら苦しい状態にあった人が「わたしの話を聞いてほしい」ってなかなか言えないと思う。もちろんそれに気づけば、その方に話してもらうよう持っていくのですが。

それにね、もしかしたら、‘おしゃべりを楽しみたいだけの人’の方が苦悩が深いってことだってあると思うし・・・

とまあ、そんなことをウダウダ考えながら文字を追ってました。

明日はピアサポーター講習会の最終日です。