去年の3月末の木曜日は抗がん剤の点滴(CEF)入院の4回目でした。
このCEFの副作用には本当に本当に苦しみ、未だにここに当時のことを
綴る気になれません。
簡単に言うと、激しい嘔吐が3日間続き、トイレ以外は寝たきりで、
喋ることもできませんでした。その後急激に回復していくのですが、
そのあいだ、何が美味しかったか、ちょっと書いておこうと思います。
私にとっては、インフルエンザや他の高熱でしんどいなぁと思った時と
比べても、はるかに『生命の危機』的なかんじで、ここで何か口にしないと
やばいよ、と思いました。食が細って衰弱してる人全てに当てはまらなくても
口の利けない病床の人の中には去年の私と同じ状態の人もいるかもしれない。
赤ちゃんの知育玩具に、○や□や△に合う積み木をそこへ入れるというのが
あるけど、病床でのどを通るものはまさにそんな感じでした。
それに気付いたのは‘いちご’
。
「イチゴあるけど食べてみる?」と母に聞かれ、一粒を6つぐらいに切り分けて
もらった物を口に運ぶと、ストンと心地よく胃に届いたので、母も喜んだけど
私も『これで食べるものが見つかった!』と思った。
その日のうちに新たなイチゴを買いに行ってくれたようで数時間後には
新しい方のイチゴをまた小さく切ったものを食べた。
ところが、まずくて食べられない。
「いらない」と囁くと母は「これも良いイチゴなのにネ」と首をかしげ、
となりのダイニングで父や夫、娘たちと新旧イチゴ食べ比べをしだした。
最初は「どっちもおいしいよ」「病人は我儘だからな」などと言っていたのが
やがて「あ、ちょっと味が違うわ」になり、
「どちらかといえば前のイチゴの方が少し美味しい」という結論になりました。
通常であれば『少し』の差が、病床にあっては増幅されてしまうってことらしい。
りんごジュースを飲んでも、ストレートなら喉を越すけど濃縮還元はまず無理。
味のないおかゆに少量の梅干、とか
これは少し上向きになってからだったけどハーゲンダッツのバニラとか、
倉敷ガラスのコップで飲んだ水とかが、おいしかった。
そして、辰巳先生の玄米スープ、そのタイミングで飲んでみたかった。
シンプルで上質、鍵穴を通るのはそんなもの。
このCEFの副作用には本当に本当に苦しみ、未だにここに当時のことを
綴る気になれません。
簡単に言うと、激しい嘔吐が3日間続き、トイレ以外は寝たきりで、
喋ることもできませんでした。その後急激に回復していくのですが、
そのあいだ、何が美味しかったか、ちょっと書いておこうと思います。
私にとっては、インフルエンザや他の高熱でしんどいなぁと思った時と
比べても、はるかに『生命の危機』的なかんじで、ここで何か口にしないと
やばいよ、と思いました。食が細って衰弱してる人全てに当てはまらなくても
口の利けない病床の人の中には去年の私と同じ状態の人もいるかもしれない。
赤ちゃんの知育玩具に、○や□や△に合う積み木をそこへ入れるというのが
あるけど、病床でのどを通るものはまさにそんな感じでした。
それに気付いたのは‘いちご’
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ichigo.gif)
「イチゴあるけど食べてみる?」と母に聞かれ、一粒を6つぐらいに切り分けて
もらった物を口に運ぶと、ストンと心地よく胃に届いたので、母も喜んだけど
私も『これで食べるものが見つかった!』と思った。
その日のうちに新たなイチゴを買いに行ってくれたようで数時間後には
新しい方のイチゴをまた小さく切ったものを食べた。
ところが、まずくて食べられない。
「いらない」と囁くと母は「これも良いイチゴなのにネ」と首をかしげ、
となりのダイニングで父や夫、娘たちと新旧イチゴ食べ比べをしだした。
最初は「どっちもおいしいよ」「病人は我儘だからな」などと言っていたのが
やがて「あ、ちょっと味が違うわ」になり、
「どちらかといえば前のイチゴの方が少し美味しい」という結論になりました。
通常であれば『少し』の差が、病床にあっては増幅されてしまうってことらしい。
りんごジュースを飲んでも、ストレートなら喉を越すけど濃縮還元はまず無理。
味のないおかゆに少量の梅干、とか
これは少し上向きになってからだったけどハーゲンダッツのバニラとか、
倉敷ガラスのコップで飲んだ水とかが、おいしかった。
そして、辰巳先生の玄米スープ、そのタイミングで飲んでみたかった。
シンプルで上質、鍵穴を通るのはそんなもの。