LINEN GYOZA 近況日記

十年たちました…

児童書のふりをして

2008-06-06 13:02:58 | 
がん関連の本を読んでいると、その対極にあるかのような児童書・絵本を読んでみたくなり、そのくせ「死に対する心構えを養」(額田先生)うつもりなのか‘死’に関連するテーマに惹かれて『くまとやまねこ』(湯本香樹実 文)を借りてきました。

もともと湯本香樹実は好きだったのですが、日経の書評欄で「祖父母や父を見送るうちに大切な人やものとの別れは自分の一部が死んでしまうようなことだと感じました。それでも時は流れていく。時間は容赦のないところもありますが、それに委ねることで解決することもある。時間に対する感謝の気持ちを込めて、この本を書きました。」と話してるのを読んで興味を持ったのでした。

手にとると、酒井駒子さんというひとの描く挿絵に惹かれ、もっと見たくなり、図書館蔵書検索するとたくさん出てきました。その中から借りてきたのが、タイトルに惹かれた『金曜日の砂糖ちゃん』と、あの須賀敦子の文に絵を添えた『こうちゃん』の2冊です。

須賀敦子さんの名前を初めて知ったのはmikaさんのブログでした。旅行に須賀さんのエッセイを持参した、とあり、一応本好きだと自負?していた私はその名前すら聞いたことがなく、衝撃を受け、読んでみて、その静謐で美しい文章にとても惹かれました。
その後全く違う機会に身近な友人二人が「須賀敦子」の名前を挙げたことで、私が知らなかっただけで実は須賀ファンが大勢いるとわかりました。

酒井駒子からたどって須賀敦子に出くわし、しかも児童書だからスルスルっとあの美しいワールドに連れて行ってもらえると読み始めたのですが、『こうちゃん』難解だったー

よく見たら図書館のラベルも児童書じゃなくて一般書だったし。

絵本は子どものためにだけ存在するんじゃない、って頭ではわかってたのに油断してました。美しい絵と簡潔な文によるきれいな本、それが絵本なのにね。

左下はそんなこんなで出会った『火打ち箱』。挿絵というかペーパークラフトを作成したのは漫画家の高野文子でした。