石垣島 最後のササバモ(ヒルムシロ科、絶滅危惧種)
かつて石垣島にはブネラ川の中流域に、いくつかの沼と段丘からの豊富な湧水が流れ込む「ブネラ湿原」という石垣島最大の湿地帯がありました。上流は於茂登岳、下流はアンパル・マングローブから名蔵湾へとつながる山と海の間の重要な場所であり、水草や水生生物だけでなくあらゆる生き物、そして我々石垣島に棲む人々にとっても大切な場所でありました。
1999年、森由紀氏の調査報告では「石垣島において水草が最も豊富な湿原であった」と記されています。その報告書には今回のササバモも記されており、その後の記録では2016年、赤井賢成氏により調査確認されています。
★画像はササバモの種子が出来てきてる状態だと思いますが定かではありません。
★こちらの画像、最初は花が咲いてるのかな?と思ったんですが、花期は初夏から初秋との事で確かに石垣島の自然は時期が適当なんですが、あまりに早過ぎます。種子がバラけ始めてる様子ですかね? ところで、川でバラ撒かれた種子から下流で増えて行くのは分かるんですが、上流に広がって行く事も出来るんでしょうか?根や茎からも増えるそうですが、川だから流れはいつも下流向き。川底の土中でちょっとづつ上流に向かって伸びて行くのか?!
ちなみになぜこの場所で見られるのかと言うと、この川は両側の台地から非常に多くの湧水が流れ込み水温が低く保たれています。ササバモは高温に弱く低温には強いそうなので絶好の条件なんでしょう。ブネラ湿地もそうでしたが湧水が出ている所では高温が苦手な水生植物も良く育ちます。
絶滅危惧種であり石垣島内ではココにしか現存しないと言われる本種を紹介して良いのか?と心配される方もいると思いますが、絶滅危惧種ではあるものの日本中に生息し、石垣島のものだから貴重という訳でもなく、違法採取を危惧するよりも島内でココにしかないこのササバモを皆で守って行きましょう!と言う方が大事かなと。先日の魚と一緒ですね。とは言っても場所は公開しませんが(笑)。
先日も違法採取者が逮捕され島民(世間)の目が厳しくなって来ている事もあり、皆さんがより島の自然に興味と愛情を持って頂だけるよう、今後も観察会やSNS等で公開しても大丈夫だろうと思われる範囲で紹介して行きたいと思います。
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