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日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

The New York Times(NYT)の福島第一原発現状報告

2011-03-19 12:42:54 | Weblog
日本の新聞などで報じられていない情報がNYTに出ている。その真偽を日本政府は速やかに明らかにすべきであろう。疑心暗鬼を払拭するためにも。引用は抜粋部分である。

Japan Races to Restart Reactors’ Cooling System

This article is by Ken Belson, Hiroko Tabuchi and Keith Bradsher.

●Japan’s Nuclear and Industrial Safety Agency said that the crisis now had wider consequences, and raised its assessment of the accident’s severity to a Level 5 on a seven-level scale established by the International Atomic Energy Agency. Hidehiko Nishiyama, a senior official at the agency, said the assessment was retroactive to Tuesday and based on the fact that officials now assumed that more than 3 percent of the nuclear fuel at the plant had experienced meltdown.
(Published: March 18, 2011)

朝日新聞朝刊では1号機から3号機までが18日に「レベル5」に上げられたと報じられたが、その評価が火曜日(15日)に遡るとは報じていない。その間政府は重大性を過小評価し、したがって対策に遅れがあったことになる。さらに(at the planが第一原発全体なのかどうなのかがはっきりしないが)核燃料の3%以上がすでに「メルトダウン」したとの部分を朝日は《炉心に重大な損傷があり》と伝えるのみである。

●In a further sign of spreading alarm on Friday that uranium in the Japanese plant could begin to melt, Japan planned to import about 150 tons of boron from South Korea and France to mix with water to be sprayed onto damaged reactors, French and South Korean officials said Friday. Boron absorbs neutrons during a nuclear reaction and can be used in an effort to stop a meltdown if the zirconium cladding on uranium fuel rods is compromised.

Tokyo Electric Power said this week that there was a possibility of “recriticality,” in which fission would resume if fuel rods melted and the uranium pellets slumped into a jumble on the floor of a storage pool or reactor core. Spraying pure water on the uranium under these conditions can actually accelerate fission, said Robert Albrecht, a longtime nuclear engineer.

“recriticality”とは地震発生時にいったん停止した核分裂反応が再び起こる、ということであろう。燃料棒が溶けたり(燃料棒の内部にある)ウラニウム・ペレットが燃料プールや炉心の底部に落下してゴチャゴチャの状態になり、核分裂反応が再発する可能性があると東京電力が今週発表したというのである。こんな重大なニュースを私は見逃したのだろうか。

●Additionally, a senior Western nuclear industry executive said Friday that there also appeared to be damage to the floor or sides of the spent fuel pool at Reactor No. 4, and that this was making it extremely hard to refill the pool with water. The problem was first reported by The Los Angeles Times.

4号機の使用済み核燃料プールの底か側壁が損傷しておれば、その水漏れの程度によるが、いくら給水してもプールを水で満たすことは出来なくなる。このような具体的な損傷の指摘がこれまであっただろうか。さらに記事はこのように続く。燃料棒プールの洩れを再確認しているのである。

The senior executive, who asked not to be identified because his comments could damage business relationships, said that a leak had not been located but that engineers had concluded that it must exist because water sprayed on the storage pool had been disappearing much more quickly than would be consistent with evaporation.

そしてこのような記事があった。

●At the request of the Japanese military, a Massachusetts company, iRobot, said it put four robots on a plane for Japan on Friday. Colin Angle, the chief executive, said it had sent two small robots that could measure radiation levels close to the reactors and two larger ones that could pull hoses to spray water on the fuel rods.

He said the robots might be able to tug the hoses for 200 to 300 yards. Japanese soldiers could operate the robots from a protected vehicle, he said.

私が福島原発に放射能防御の作業車両がなかったのかで、なぜ福島原発には無かったのかと不思議に思った注水ロボットが米国にはちゃんとあるではないか。

追記(4月12日)
 上の記事は3月19日に認めたもので、「福島第一原発の現状」で検索し、お立ち寄り頂いた方々にとっては旧聞に属することゆえ申し訳なく思う。その現状がなかなか見えてこない状況を福島第一原発の現状 なぜ見えてこないのかにまとめたので、ご覧いただければと思う。

福島第一原発に即刻米軍専門部隊の投入を!

2011-03-19 09:12:42 | Weblog
昨日の福島原発に放射能防御の作業車両がなかったのかで、《今からでも遅くない、米軍、露軍に緊急配備して貰ったらどうなのかと思う。》と述べた。放射能防御作業車両を始め放射能の充満した環境下で、連続的に作業可能な装備を備えた専門部隊の投入が原発事故の沈静化に欠かせないと思ったからである。どの程度に放射能防御態勢が欠けているかは今朝の朝日新聞がこのように伝えていることからでも分かる。

 作業員を守るため、消防車の前方に、鉄板やコンクリートの厚い壁をたて、放射線を遮るといった後方支援も必要だという。

今時このような話が取り沙汰なんて論外である。

次は今朝の産経ニュースである。

米軍、放射能専門家部隊450人派遣準備 日本はアドバイザー利用が有効

 東日本大震災で米国防総省は、東京電力福島第1原子力発電所の事態悪化に備え、放射能被害管理などを専門とする約450人の部隊を日本に派遣する準備に入った。日本政府も18日、受け入れ先の検討に着手したが、大規模部隊派遣は日本の情報発信に不信感を高める米側の最悪事態回避を迫る強いメッセージだといえる。自衛隊への支援が中心になるとみられる。日本側としては米軍の知見を生かす「活米」の発想が必要との声も出ている。
(2011.3.19 01:08)

「燃料棒の冷却」制御が地震発生後1週間を過ぎてしまっても、まだままならぬ現状はまさに非常事態である。私は福島原発の現場で作業している人たちを信じて応援しようで、《現場にいる原子炉を熟知して経験豊かで判断を的確に下すことの出来るリーダーの臨機応変の采配と、現場の作業員のチームプレイが底力を発揮する。これ以外の対処はないと言ってよかろう。東京電力の関係者は現場の働きを阻害する一切の動きを全力を挙げて排除すべきなのである。》と述べたが、もはや事態はこの時点での規模を遙かに大きく上回り、総力戦に入っている。ところが肝腎の「指揮・命令系統」がおそらく未だに確立していないのであろう、私には見えてこない。

「指揮・命令系統」が存在する組織の代表例が「軍隊」である。たとえば関東大震災の時は関東戒厳司令部が地震発生後2日目の9月3日に設置され、陸軍大将が司令官となった。軍隊においては「指揮命令系統」は日常運用されているものであるが、とくに非常事態に際しての運用には事態を想定しての訓練が欠かせない。自衛隊はもともと「軍隊」ではないが、それでも「指揮・命令系統」がそれなりに存在して運用されているであろうが、一地域を完全に掌握して「指揮・命令系統」を一元化する事態を想定していたとは思えない。

時間があれば非常事態における「指揮・命令系統」の構築を考えていけばよいが、今はその時間がない。となると福島第一原発における「燃料棒の冷却」に集中して、米軍専門部隊への「指揮・命令系統」の委譲を念頭に入れつつ、なにはともあれその助力を要請すべきではなかろうか。とどのつまりは「人事を尽くして天命を待つ」である。まだまだ人事の尽くし方が足りていない。原発現場で必死の作業にあたっている作業員の方々の気力・体力も限界に達していることを憂う。一刻も早く次なる手を打つべきである。ここでいう米軍専門部隊は「核戦争」の戦場での行動が想定されているものと思う。その実態を知る絶好のチャンスでもあろう。