昨日(5月30日)、散髪に行くつもりで午前11時前に新神戸行きの地下鉄に乗ろうとしたところ、珍しくも満員であった。なんとか乗り込んだが身動きできない。先週はゆうゆうと座っていけたのに大違いである。神戸市が新型インフルエンザについて28日に「ひとまず安心」宣言を行った影響であろうか。子供連れが目立った。
県庁前で降りて、行きつけの理髪店に向かう。新型インフルエンザ騒動で閑古鳥が鳴いていたとマスターがこぼしていた。5月20日には開業以来初めて、店を開けているのに一人もお客が来なかったそうである。例年5月になると官公庁関係の人事異動に伴う歓送迎会がピークを迎えるのだが、今年はそれが取りやめになり、周辺の店が軒並みに大損害を被っている話を聞かせてくれた。散髪が終わってから鯉川筋にある馴染みの中華料理店で昼食をとったが、ここでも客足ががた減りして、2時半過ぎてようやく一人のお客が入っただけの日もあったとのこと、やはり開業以来初めての経験だったらしい。
センター街に出ると人が多い。ジュンク堂では店内を歩き廻るだけで人とぶつかりそうになる。一挙に人が街に繰り出して、週末の賑わいが2週間ぶりに戻ってきた。もちろん「さんちか」も結構の人混みで、それにマスクをかけている人もあまり目立たない。あの騒ぎ、一体何だったのだろうと思うが、ヒットラーのような人物が出てきたら、日本人はひとたまりもないような気がして少々寒気がした。なんだか紛らわしい動きが選挙に向けてあるだけに気になる。それこそ杞憂であって欲しい。
三宮でぶらぶらしているうちに時間が迫ってきたのでJRで神戸駅に戻り、開演10分前に無事コンサート会場の松方ホールに到着した。東京のとある音楽大学の同窓生が毎年開いている演奏会で、あるご縁でチケットを頂いたのである。マリンバ、ピアノ、フルートなどの演奏に加えて、オペラのアリアに歌曲の演奏が組まれていて、私はどちらかというとそれに惹かれたのである。私が練習を終えたばかりの「二人の擲弾兵」(By Schuman)が歌われたものだから、密かに一緒に口ずさんでいた。そして思いかけず途轍もなく素晴らしいテノールに出会ったのである。
このテノールとは特別出演の加茂下稔(かもした みのる)さんで、そのプロフィールによると2007年の第50回NHKニューイヤーオペラコンサートに出演されたとある。この番組を見逃したことのない私はテレビでお目にかかっているはずであるが、つい佐野成宏さんとか福井敬さんのような常連?に目を奪われて、加茂下さんの名前が残念ながら記憶には止まっていなかった。その加茂下さんの生の歌声を初めて聴いてしびれてしまったのである。まずは「椿姫」の第一幕、ヴィオレッタとアルフレッドの二重唱「ある日、あなたは大気のように軽やかに」で登場、どこまでも伸びていきそうな、そして腰の据わった歌声に吸い寄せられてしまった。身体全体がテノールという楽器に巨匠の手により作り上げられたかのようである。お見受けしたところ「メタボ」確実(失礼!)の体型であったが、メタボ健診という愚行を尻目に、ますます楽器に磨きをかけていただきたいものである。
トスティの歌曲と「オー・ソレ・ミーオ」が続き、最後にはパバロッティもドミンゴもカレーラスもまっ青の三点ドとおぼしき(二点シ?)実のある高音で歌い上げて締めくくったのには思わずブラボーを叫んでしまった(・〇・;)。これでいっぺんに加茂下稔さんの名前を覚えてしまい、演奏会のお目当てが一つ増えた。
それにしても神戸の街を大勢の市民と一緒に楽しむ喜びが戻ってくれたのは嬉しい。幸せを噛みしめながら帰宅の途についた。
県庁前で降りて、行きつけの理髪店に向かう。新型インフルエンザ騒動で閑古鳥が鳴いていたとマスターがこぼしていた。5月20日には開業以来初めて、店を開けているのに一人もお客が来なかったそうである。例年5月になると官公庁関係の人事異動に伴う歓送迎会がピークを迎えるのだが、今年はそれが取りやめになり、周辺の店が軒並みに大損害を被っている話を聞かせてくれた。散髪が終わってから鯉川筋にある馴染みの中華料理店で昼食をとったが、ここでも客足ががた減りして、2時半過ぎてようやく一人のお客が入っただけの日もあったとのこと、やはり開業以来初めての経験だったらしい。
センター街に出ると人が多い。ジュンク堂では店内を歩き廻るだけで人とぶつかりそうになる。一挙に人が街に繰り出して、週末の賑わいが2週間ぶりに戻ってきた。もちろん「さんちか」も結構の人混みで、それにマスクをかけている人もあまり目立たない。あの騒ぎ、一体何だったのだろうと思うが、ヒットラーのような人物が出てきたら、日本人はひとたまりもないような気がして少々寒気がした。なんだか紛らわしい動きが選挙に向けてあるだけに気になる。それこそ杞憂であって欲しい。
三宮でぶらぶらしているうちに時間が迫ってきたのでJRで神戸駅に戻り、開演10分前に無事コンサート会場の松方ホールに到着した。東京のとある音楽大学の同窓生が毎年開いている演奏会で、あるご縁でチケットを頂いたのである。マリンバ、ピアノ、フルートなどの演奏に加えて、オペラのアリアに歌曲の演奏が組まれていて、私はどちらかというとそれに惹かれたのである。私が練習を終えたばかりの「二人の擲弾兵」(By Schuman)が歌われたものだから、密かに一緒に口ずさんでいた。そして思いかけず途轍もなく素晴らしいテノールに出会ったのである。
このテノールとは特別出演の加茂下稔(かもした みのる)さんで、そのプロフィールによると2007年の第50回NHKニューイヤーオペラコンサートに出演されたとある。この番組を見逃したことのない私はテレビでお目にかかっているはずであるが、つい佐野成宏さんとか福井敬さんのような常連?に目を奪われて、加茂下さんの名前が残念ながら記憶には止まっていなかった。その加茂下さんの生の歌声を初めて聴いてしびれてしまったのである。まずは「椿姫」の第一幕、ヴィオレッタとアルフレッドの二重唱「ある日、あなたは大気のように軽やかに」で登場、どこまでも伸びていきそうな、そして腰の据わった歌声に吸い寄せられてしまった。身体全体がテノールという楽器に巨匠の手により作り上げられたかのようである。お見受けしたところ「メタボ」確実(失礼!)の体型であったが、メタボ健診という愚行を尻目に、ますます楽器に磨きをかけていただきたいものである。
トスティの歌曲と「オー・ソレ・ミーオ」が続き、最後にはパバロッティもドミンゴもカレーラスもまっ青の三点ドとおぼしき(二点シ?)実のある高音で歌い上げて締めくくったのには思わずブラボーを叫んでしまった(・〇・;)。これでいっぺんに加茂下稔さんの名前を覚えてしまい、演奏会のお目当てが一つ増えた。
それにしても神戸の街を大勢の市民と一緒に楽しむ喜びが戻ってくれたのは嬉しい。幸せを噛みしめながら帰宅の途についた。