日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

仏を作って魂を入れずの瑕疵担保責任の規定

2005-11-28 08:52:37 | 社会・政治
ヒューザー「年末にも倒産の恐れ」と説明 住民は猛反発 (朝日新聞) - goo ニュース

平成12年4月1日から施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の施行後は、全ての新築住宅に対する10年の瑕疵担保期間が義務化されたとのことである。その期間内であれば買い主、注文主が購入した住宅が欠陥住宅と判明した場合には建築主・売り主に対して補修を、場合によっては買い戻しを要求することができるし、建築主・売り主はそれに応えないといけない。

この法律の趣旨はいいのであるが、建築主・売り主が欠陥住宅の買い戻しを求められてもそれに応える資金が無ければ対応のしようがない。今回取りざたされているように建築主・売り主が倒産するようなことがあれば被害者にお金が戻ってくるのは何時のことになるのやら、またどの程度戻ってくるのやら見当がつかない。これでは買い主、注文主保護のための法律がたんなる作文に終わってしまう。仏を作って魂を入れずである。

補償に備えて保険に加入している建築主・売り主もあるだろうが、『法の精神』を生かすためには法律で強制賠償保険の加入を定めるべきであろう。不祥事の発覚を機に住宅関連企業の政治家への『献金』が表面化してきたが、その狙いの一つが強制保険制度逃れでもあったのだろうか。


声が大きすぎるヒューザーの小嶋社長

2005-11-27 16:04:02 | 社会・政治
『耐震偽造』事件の渦中の一人、欠陥マンションの建築主であるヒューザーの小嶋社長が今朝の「サンデープロジェクト」に出演していた。最近何かあるとテレビカメラの前で責任者が深々と頭を下げる光景を見慣れているので、小嶋氏が被害者である欠陥マンションの購入者に頭を下げるわけでもなく、声高に確認検査事務所の「イーホームズ」と監督官庁の国交省の非を鳴らす姿勢が印象的だった。自分も被害者であるとでも云いたかったのだろうか。

意図的に構造計算書を偽造した姉歯秀次建築士、また審査を手抜きして偽造を見逃した指定確認検査機関「イーホームズ」の犯罪的行為は今後の調査によってその実体が明らかにされるであろう。そこでここでは建築主である小嶋氏の姿勢だけを取り上げることにする。

マンション(ホテルもあるがマンションに絞って話を進める)の購入者にとって顔がはっきり見えているのは建築主である。世界的に名の通った設計者なら建築主も麗々しく宣伝するかもしれないが、設計事務所とか施工業者などは建築主の名の下に隠れているのが普通である。どの設計事務所や施工業者を選択したかその責任はすべて建築主にかかってくるのであって、選んだ仕事仲間が不実であったら、不実な仲間を選んだ己の不明を恥じるのがまっとうな事業主である。己の不明を棚に上げて選んだ仕事相手の非をあげつらうのは見苦しいの一言に尽きる。

小嶋氏のいくつかの発言でアレッと思ったことがあった。

その一つ。今度の事件との関わりで姉歯建築設計事務所に構造計算を下請けに出していた森田設計事務所代表の男性が昨日(26日)遺体で発見されて自殺ではないかとみられている。番組で小嶋氏はこの男性が一人で設計事務所をやっているから、と発言していた。姉歯建築設計事務所に構造計算を下請けに出しているとは知らなかったそうである。

知らなかったのならそれでいい。任せた以上はしっかりやってくれ、と言うのが私の主義だと言うのならそれもよい。しかしそれが太っ腹な人物を演じたいだけのことであってはならない。任せると決めるまでにはその相手の能力とか信頼性を自分で得心するまで調べあげることがまず第一である。たった一人でやっていたという森田設計事務所に大事な仕事をどのような判断で任せたのであろう。それを聞かないことには腑に落ちないことだらけである。

第二の問題点。小嶋氏は構造計算書の審査で出される確認済みというのか検査済みというのか、その『書類』は神聖なものでそれを疑うものは誰もいない、と言う旨の発言をしていた。制度上はその通りであろう。だから声を大にすれば己の無謬性を際だたせることが出来るとでも思ったのだろうか。しかし、である。小嶋氏はこれまで不審に感じることが何一つ無かったのだろうか。

小嶋氏は商売人である。いくらで仕入れていくらで売るのか、その計算にしのぎを削る日々であろう。マンションをいくらで建てるかが最大の関心事でその計算書の端々にまで目を配っている筈である。何処に頼めば割高で何処はサービスがいいなんて先刻ご承知であろう。設計事務所や施工業者を過去どのように選んできたか、全てについて説明を聞いてみようではないか。その経緯を精査すれば小嶋氏が姉歯建築設計事務所の関わりに一切気づかなかったなんてあり得ないことが浮かび上がるとげすは勘ぐるのである。

小嶋氏は顧客に対する責任者としての自覚がある以上、当然自分が建てる建物の設計図に目を通したりまた建設中の現場に足を運んで進捗具合に目を光らせたことであろう。別にコンピュータによる計算が無くても長年の職業上の経験で強度を支える構造物がこの程度でいいのかどうか、ある程度の判断がつくはずである。これまで数多の建物を建ててきた過程で何らかの異常を一度たりとも感じなかったとすればよほどの『ぼんくら』としか云いようがない。

げすの勘ぐりばかりで申し訳ないが、今日の番組のように小嶋氏が声高になればなるほどそこに胡散臭さを感じてしまうのである。自分も被害者だと云わんがばかりの姿勢が気になったので私の不審を申し述べた。

私の最大の関心事は被害者に対する補償である。あらためて論じる。

耐震偽造発覚は氷山の一角とげすの勘ぐり

2005-11-22 10:21:50 | Weblog
マンションなどの設計・建設に必要な耐震構造計算した姉歯建設設計事務所が構造計算書を偽造していたことが発覚して大問題になっている。欠陥マンションをそれと知らずに購入した被害者への販売会社の対応が気になるところである。

マスメディアの報道のみではその偽造の手口がきわめて分かりにくい。計算には国交相が認可した耐震構造計算のソフトが使われるらしいが、たとえば震度7をクリアするにはこの10階建てで50戸規模のマンションならどの程度の太さの柱が必要だとか、また鉄筋・鉄骨のサイズや必要量などを計算させるのであろう。

発注者の云うには姉歯建設設計事務所は仕事が速かったそうである。ソフトを使ったとしてもまともに必要なデータを入力していくのであれば誰がやってもそれなりの時間はかかるはず、仕事の効率を上げるために各事務所はそれなりの工夫をそれぞれこらしているのだろうが、出来上がりまでの時間が大きく異なるとは考えにくい。スピードアップを際だたせるには一段の工夫が必要になる。偽造の手だてを開発するのがその一つの方法である。

いったん『偽計算書』を作ると決めた以上は正規のソフトに真面目に計算させる必要はない。それらしき数値を思いのままに作り出し、それをあたかも正規のソフトが計算したかのように見せかける手段を考え出せばそれで済む。

民間の『検査会社』も『偽造』を見抜けなかったことについて言い訳がましいことを云っているが、その言い訳は一顧だにする必要はない。要するに『無能』だったのである。この『無能検査会社』がその業務を行うことの認可を与えた監督官庁ともどもその責任が問われることになる。

誰しも考えることであろうが、こうした『偽造』を行ったのが全国でただ一つ姉歯建設設計事務所だけである筈がない。国交省はまずここ5年以内に建設されたマンションなどに設計・施工に問題がないのかどうか直ちに調査をして実態を明らかにすべきである。しかし該当建造物を一つ一つ調査するには大変な時間とエネルギーが必要になる。ここで『内部告発』を奨励すればいい。報奨金を出すのである。その額によるだろうが1000万円単位なら一挙に数十件は期待できるだろう。かなりの省エネになるはずである。

まずは国交省が大揺れに揺れるような気がする。

木枯らしにアスコット・タイ

2005-11-20 22:14:54 | Weblog

土曜の午後、コンサートを終えて外に出ると風が強い。木枯らし一番であろうか襟元が寒い。絹のスカーフを首に巻けば軽くて暖かいだろうなとふと思った。でもスカーフは正方形なので適当に折りたたむのが面倒そうである。と、名前だけは知っているが実物をこれとはっきりとは見たことがないアスコット・タイなるものが頭に浮かび上がった。都合良く歩いている通りの先には大丸がある。紳士用品売り場に足を向けそこでアスコット・タイなるものにお目にかかった。

形は両端に水かきのあるカヤックの櫂に似ている。長く伸ばすと左右上下対称、ついでに裏表もなく融通無碍の使い方を暗示している。絹の手触りは柔らかくマフラーなどよりは遙かにコンパクトで手軽に首の回りに結べそうである。思いの外豊富に並べられている品物の中から店員さんが一本取りだしてくれた。色模様が私の好みと一致していたので即断即決それを購入した。

「結んでいかれますか」とその店員さんが聞く。結び方は知らないし側らの妻も「私、自慢じゃないけれど主人のネクタイをこれまで結んだことはありませんの」と変な自己主張をする。そこでお願いすると「私も主人のを結んだことはないんですよ」とベテランの店員さんが適当に調子を合わせながら手際よく私の首に結びつけてくれた。

外に出た。冷気の進入を妨げ体温の発散を抑えて実に快適である。帰宅してから結び方を練習してなんとかマスターできた。絹専用洗剤で簡単に洗うこともできるので気軽に首に直接巻ける。とりあえず二三本もあればいいだろう。外に出かけるのが楽しみになった。

Vodafone 903Tのナビ機能

2005-11-14 17:02:50 | Weblog
待ち受け画面からナビを選択すると次の画面で①ナビアプリ起動②現在地地図③現在地メール④位置履歴⑤位置メモリスト⑥クイックGPS設定⑦設定のいずれかを選択することになる。

①を選択すると「ゼンリンいつもナビ」が起動する。そして一番左端のアイコンをクリックするとGPSが働いて現在地を探し出す。私が屋内で操作すると三段階の感度のうち中間の感度でデータが得られてその位置を地図の上に表示させることが出来た。

ところが測定を繰り返すと同じ感度でデータを取得しているはずなのにある時はわが家の真上にスター印が現れるかと思えばある時は100メートル以上離れたところが表示される。自分が今どこにいるかを知っておればいずれの表示が正しいかが分かるが、自分の現在地を知らなければそのデータが正しいのか分からないことになる。なんだかおかしい。

現在地が地図の上で分かったとしても、そこを起点として目的地までの道筋を表示させるのがまた一苦労で、購入以来一週間あまり折りを見てあれやこれや操作しているが実は未だに成功していない。神戸市の自宅から三宮に出るのも一苦労で未だに地下鉄の手前でうろうろしている。

昨日も道に迷いなんとか現在地の見当はついたが行きたいところの見つけようがない。住所が分かれば調べようがあるのだろうが目的場所が「なんとかスーパー」だけではお手上げである。私は足の向くまま気の向くままに動き回る質(たち)である。だからこそ現在地が簡単に分かると便利なのであるが、それから先の目的地をどのように設定するべきなのか操作方法も含めてまだ使用法が会得できていない。たまたま通りかかったご婦人にその「なんとかスーパー」の場所を尋ねると一瞬にして答えが返ってきた。ばっかみたい!

ついでに書き添えるとこのナビアプリは15日間無料で使用可だそうだが、あれやこれや操作をしている間に携帯を買ったその日に有料契約する羽目になってしまった。無料使用の手順が分かりにくく気がついたら契約画面に入り込んでいたのである。また上の①を選ぶ代わりに②を選んでも現在地データが得られるが、その場所を地図上に表示して地図を拡大しようとするとすでに「ゼンリンいつもナビ」の加入手続きを終えているにも拘わらず今度は別のアプリ購入の手続き画面が現れたのであわててナビを切断した。どうもこのナビは有料契約画面に導く能力は抜群のようである。

操作がますます煩雑になっていく携帯の適切な使用法をビデオなりDVDで懇切丁寧に解説するぐらいの発想がメーカーに欲しいものである。

Vodafone 903Tのデジカメ機能

2005-11-09 18:35:44 | Weblog

外出の際は携帯を持ち歩くことにしているので、このデジカメ機能は重宝している。これまで使っていたVodafone 801SHもスナップショットなどメモ代わりに使う分には特に支障は無かったが、画像を登録して次の撮影動作に入るまでの時間の長いのが気になっていた。

この903Tも期待したほど動作が速くない。本体のメモリーに登録せずにSDカードに登録する設定にしていることがその原因の一つなのかもしれない。しかし画像をPCに移して保存するにはPCに繋いだカードリーダーにSDカードを挿入して読み込ませた方が速いし通信費用もかからないのでこの方式にしている。

それにしてもデジカメ機能も良くなっているというのか複雑になっている。携帯の開き方にも三種類あってレンズも表に裏に二カ所もあるし、シャッターボタンも一カ所とは限らない。使い方に応じてそれぞれの選択を組み合わせばいいのだろうが、しばらく使わないと直ぐに使い方を忘れてしまいそうだ。

また撮影条件の設定をソフトキーですることになっている。一々ディスプレイを見ながら設定するのが面倒だし撮影の度ごとにしないといけないのであれば面倒そのものである。撮影者の意図を察知して素早く条件を設定する人工知能を活用出来ないのだろうか。対象にカメラを向けたらあとはシャッターを押すだけに早くなって欲しい。

細かい設定は一切せずに穏やかな秋の京都の風物を撮ってきた。祇園さんから高台寺の辺りである。舞妓さんにお願いしてツーショットをと思ったがこの舞妓さん、なんとなく野暮ったい。どうも観光客が化けていたようである。私はなで肩だし切れ目だし、この程度には私でも化けられそうな気になった。



このデジカメ機能をこれから使いこなしていくにつれて使い勝手も良くなることを期待している。

Vodafone 903Tの使い勝手

2005-11-07 16:21:05 | Weblog

これまで使っていたVodafone 801SHを購入してから昨日でちょうど一年半、そうすると新機種の購入の割引率が使用期間一年以上よりはよくなるので早速昨日この機種に買い換えてしまった。

801SHを購入したのは昨年ベルリン、ドレスデン、プラハを訪れる前のことで、この機種だと外国に持って出てもそのまま使えるという謳い文句に惹かれたからである。確かに日本には簡単に電話できたし、妻がベルリンの街で躓いて大出血をし救急車で運ばれた後始末の連絡にも大いに活躍した。友人には写メールも送ったしショートメールも大いに役立った。

それはよかったが日本では実に使いにくかった。第三世代の携帯とかでどうも通信の仕組みが国内専用のものとは違い、それまでの機種ではなんとか通じていた三宮地下街では電波が届かなかった。勉強不足でそういうことが買ってから始めて分かったのである。一年半も経つうちにその環境は整備されて今や地下鉄の駅でも電波が通うようになったが、僻地ではまだ届かないことが多い。

801SHではカメラ機能をよく使った。特に気にしなくてもピントは適当に合ってくれる。メモ代わりに使えるのは良いのだが画像をメモリーに登録して次の撮影にかかるまでかなり時間がかかる。ところがこの後継機種である903SHでは撮影間隔がかなり短くなっている。そこで近いうちにこの機種に変えようと思っていた。

ところが、ところがである。かねてからあれば面白いなと思っていたGPS機能を備えたボーダフォン機種が現れた。それが903Tである。現在位置がいつでも地図の上で確認できる。おもちゃをほしがる童心が甦ってきてカメラ機能のチェックもそこそこに昨日機種変更をしてしまったのである。これからは見知らぬところに出かけて道に迷うのが楽しみである。使い勝手などを追々と報告します。

「新ATS」の「新」の意味は?

2005-11-02 22:13:15 | 社会・政治

新ATSに設定ミス、速度超過でも減速せず JR西日本 (朝日新聞) - goo ニュース

昨日の夕刊から各紙が「JR 西、新ATSの設定ミス」を報じた。この見出しを見て私は脱線事故後の福知山線に設置された新装置のことかなと思った。ところが記事を読み進むにつれてわけが分からなくなった。こういう箇所がある。「設計時にデータを取り違えたのが原因で、ミスは90年度以降に設置された計7路線で見つかり、本来の設定より35キロも高くなっていた個所もあった」

「ミスは90年度以降に設置された計7路線で見つかり」の部分を私はまずこのように読んだ。( )内は私なりの補足である。
「ミスは90年度以降に(ATSが)設置された計7路線(の新ATS)で見つかり」

「新」というからにはつい最近開発されたものだろう、という思いこみから、旧型のATSは既に90年度から設置されているものの、その7路線で最近設置された「新ATS」に設計ミスがあった、と読んだのである。

ところが記事を読み進んでいくと「最初のミスは、91年3月に新型ATSが導入された大阪環状線で発生した」の箇所にぶつかった。これはどうみてもこの「新ATS」なるものが91年3月(だから官公庁式では90年度内)に設置されたと読まざるを得ない。すなわち15年前にすでに「新ATS」が存在しているのである。

産経新聞にも「山陽線の制限速度四十五キロのカーブは八十キロでも通過できる設定になっていたほか、設置以来十五年間もミスが放置されていた場所もあった」とあるし、さらには「ATS-Pは、枕木に設置した地上子が列車の速度などを示す信号を車両側の車上子に発信。速度超過があると、自動的にブレーキを作動させる仕組み。JR西は平成二年から導入を始めたが、その際、地上子に誤った速度データを入力したとみられる」ともある。これに先立ち「新型列車自動停止装置(ATP-S)」とあるからすでに15年前に「新ATS」の導入が始まったとまず受け取って間違いは無かろう。これでは15年前に作られたものが未だに「新ATS」と呼ばれていることになる。

結婚したての妻を新妻と呼ぶが、15年も経てば悪妻、良妻、賢妻、愛妻、老妻、愚妻、荊妻と呼び名が変わってしまう。それがものの道理というもの。そこでげすの勘ぐりであるがJR西日本では少なくとも15年前の代物を「新ATS」と呼ばないといけないほど技術の進歩が停滞しているのだろうか。それとも15年ものでも新しく見えるほど機関車とか車両が遙かに齢を重ねているのだろうか。それともマスメディアの取材に足りないことでもあったのだろうか。

三球師匠じゃないが「新」の意味を考えていたら今夜は眠れそうにない。それに本論がどこかに飛んでいってしまった。