『女性は産む機械』発言で柳沢伯夫厚生労働相の大臣辞任を求める声が世間で高まっている。天の邪鬼を自認する私も、今回は柳沢氏に与する気にはなれない。
新聞などによると、問題発言は先週末、松江市で開かれた講演会で飛び出したそうである。柳沢厚労相は少子化問題に触れ、「15~50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭でがんばってもらうしかない」と語ったというのである。
この発言内容はきわめて低劣で、床屋談義ならともかく、一国の大臣が講演会という公の場で口にすることではない。発言後、「人口統計学の話でイメージを分かりやすくするために、こうした発言をした」と釈明したそうであるが、この釈明自体、何を云っているのやらさっぱり分からない。第一、柳沢氏が人口統計学の何をどれほどご存じだというのか。『産む機械、装置』のあとで出てくる「一人頭で頑張ってもらうしかない」の発言こそ『女性は産む機械』観そのものではないか。仮にこの言葉を「一人頭で頑張って貰うために、かくかくしかじかの政策を実現する」との提言に繋げるのなら、少しは情状酌量の余地もあっただろうが。
『女性は産む機械』観は柳沢氏の知能そのものであろう。前歴からも明らかである。
小泉内閣の金融担当相でもあった柳沢氏は、『増税による財政再建』を強力に主張することで時の竹中平蔵・経済財政政策担当大臣と対立し、小泉内閣の改造に対して更迭されたのは周知のことである。その大蔵省出身の柳沢氏が、今度は畑違いの厚生労働相として『残業代ゼロ法案』、すなわち「ホワイトカラーエグゼンプション」法案を推し進めたが、これもまた安倍首相の決断で審議見送りとなってしまった。
『増税による財政再建』と『残業代ゼロ法案』に共通するキーワードは何か。私に云わせると『勤労者は金を生む機械』観なのである。『金を生む機械』を動かせば動かすだけ税金で国は潤う。とことんまで働かせるために『残業代ゼロ法案』で尻を叩く。『女性は産む機械』観は『勤労者は金を生む機械』観と同質のものである。
繰り返す。『女性は産む機械』観は柳沢氏の知能そのものである。女性の尊厳を傷つけるこの女性観の持ち主を、有権者の一人として、大臣として受け入れることは出来ない。
こういう知能の大蔵省出身の柳沢氏が、場所違いの人口問題をも担当する厚生労働相に任命されたのはなぜか。自民党総裁選で安倍晋三応援隊の本部長を務めた論功行賞であることは衆目の一致するところであろう。
安倍首相はいまだに柳沢厚生労働相を庇っている。よほどの負い目があるのだろうか。ここで私は大臣就任以来妙に大人しい高市早苗・沖縄・北方・少子化相に奮起を期待したいのである。少子化問題の担当相として、また『機械視』された女性の一人として、政治的信念でもって『女性は産む機械』観の柳沢氏と対決すべきである。閣内不統一を鮮明にすることが、国民の間で高市大臣の声価を高めること疑い無しである。
鬼を追い出す節分までに柳沢氏が大臣を辞任しないときは、万国の女性諸氏よ、アリストパネースの「女の平和」にならい、女性ならではの戦法でゼネラルストライキに立ち上がるべきである。
新聞などによると、問題発言は先週末、松江市で開かれた講演会で飛び出したそうである。柳沢厚労相は少子化問題に触れ、「15~50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭でがんばってもらうしかない」と語ったというのである。
この発言内容はきわめて低劣で、床屋談義ならともかく、一国の大臣が講演会という公の場で口にすることではない。発言後、「人口統計学の話でイメージを分かりやすくするために、こうした発言をした」と釈明したそうであるが、この釈明自体、何を云っているのやらさっぱり分からない。第一、柳沢氏が人口統計学の何をどれほどご存じだというのか。『産む機械、装置』のあとで出てくる「一人頭で頑張ってもらうしかない」の発言こそ『女性は産む機械』観そのものではないか。仮にこの言葉を「一人頭で頑張って貰うために、かくかくしかじかの政策を実現する」との提言に繋げるのなら、少しは情状酌量の余地もあっただろうが。
『女性は産む機械』観は柳沢氏の知能そのものであろう。前歴からも明らかである。
小泉内閣の金融担当相でもあった柳沢氏は、『増税による財政再建』を強力に主張することで時の竹中平蔵・経済財政政策担当大臣と対立し、小泉内閣の改造に対して更迭されたのは周知のことである。その大蔵省出身の柳沢氏が、今度は畑違いの厚生労働相として『残業代ゼロ法案』、すなわち「ホワイトカラーエグゼンプション」法案を推し進めたが、これもまた安倍首相の決断で審議見送りとなってしまった。
『増税による財政再建』と『残業代ゼロ法案』に共通するキーワードは何か。私に云わせると『勤労者は金を生む機械』観なのである。『金を生む機械』を動かせば動かすだけ税金で国は潤う。とことんまで働かせるために『残業代ゼロ法案』で尻を叩く。『女性は産む機械』観は『勤労者は金を生む機械』観と同質のものである。
繰り返す。『女性は産む機械』観は柳沢氏の知能そのものである。女性の尊厳を傷つけるこの女性観の持ち主を、有権者の一人として、大臣として受け入れることは出来ない。
こういう知能の大蔵省出身の柳沢氏が、場所違いの人口問題をも担当する厚生労働相に任命されたのはなぜか。自民党総裁選で安倍晋三応援隊の本部長を務めた論功行賞であることは衆目の一致するところであろう。
安倍首相はいまだに柳沢厚生労働相を庇っている。よほどの負い目があるのだろうか。ここで私は大臣就任以来妙に大人しい高市早苗・沖縄・北方・少子化相に奮起を期待したいのである。少子化問題の担当相として、また『機械視』された女性の一人として、政治的信念でもって『女性は産む機械』観の柳沢氏と対決すべきである。閣内不統一を鮮明にすることが、国民の間で高市大臣の声価を高めること疑い無しである。
鬼を追い出す節分までに柳沢氏が大臣を辞任しないときは、万国の女性諸氏よ、アリストパネースの「女の平和」にならい、女性ならではの戦法でゼネラルストライキに立ち上がるべきである。