今日の午後3時36分、福島第一原発1号機で爆発音がしたことに関して、原子力安全・保安院は12日午後6時に記者会見を開いた。 事故が発生してから2時間半も経っているのに、明らかにしたのはただこれだけである。
これではテレビを見ているのと何も変わらない。このような仕事ぶりでは原子力安全・保安院なんぞは要らない。ただのでくの坊である。
次の文章を注意深くお読みいただくと、私たちが本当に欲しい情報は、今はどの段階でどのような手段をとっている、という具体的な説明であることがお分かりいただけよう。。
福島原発原子炉は紫色で強調した経過をたどっているようである。赤色で強調したようになるとこれは破局的である。原子炉の関係者はこの赤色にならないよう全力を傾注しているところであろうと固唾を飲んで見守っている。最悪の事態を逃れたとの記者会見が待ち遠しい。なお上の文章は次の新書の28-30ページからとったものである。この本を読んだとき、まさかこのような事態が日本で起こるとは夢にも思わなかった。日本人の科学・技術者魂に私なりに信頼を置いていたのである。

保安院によると、同日午後3時36分、1号機の原子炉とタービンの建物の周辺で縦揺れと爆発音がし、白煙が上がった。けが人が4人いると東京電力から報告を受けた。周辺の放射性物質の量については「これから確認する」と述べた。
テレビ映像で1号機周辺の建物の外壁が落ちているような状況になっていることについては、「映像を見る形以外の情報を得られていない。放射性物質を閉じこめるときにどうすればよいかをよく調べて、情報を入手して判断する必要がある」とした。
テレビ映像で1号機周辺の建物の外壁が落ちているような状況になっていることについては、「映像を見る形以外の情報を得られていない。放射性物質を閉じこめるときにどうすればよいかをよく調べて、情報を入手して判断する必要がある」とした。
(asahi.com 2011年3月12日18時29分)
これではテレビを見ているのと何も変わらない。このような仕事ぶりでは原子力安全・保安院なんぞは要らない。ただのでくの坊である。
次の文章を注意深くお読みいただくと、私たちが本当に欲しい情報は、今はどの段階でどのような手段をとっている、という具体的な説明であることがお分かりいただけよう。。
原子力発電所の原子炉が、原子爆弾のように爆発を起こすということはありえない。いろいろな理由からして、そうした爆発は不可能なのだ。しかし、一年間運転した中型の原子炉には、広島で放出された1000倍に相当する放射性物質が蓄積されており、そのうちのほんの一部分が放出されても、人体や環境に重大な影響を及ぼす。
この危険性を防止するため、たいていの原子炉は、強化コンクリートで造られた封じこめのための構造物のなかに鎮座し、ステンレス製圧力容器のなかに収容されている。しかし、水蒸気の大爆発とかあるいは爆弾やハリケーンといった外部の大きな力が加わると、これらの防御手段は破壊されてしまうことがある。
さらに、究極的には原子炉の炉心が溶融して下に落ちこむという現象、すなわち「メルトダウン」するという脅威がある。原子炉が正常に機能しているときには、冷却水が原子炉の燃料集合体の間隙を通過して、炉心を冷却している。
この冷却系が、停電、ポンプの故障、冷却水の配管の破損といったいずれかの理由で停止すると、一連の予備冷却系がその作動を始める。しかし、そうした装置がすべて作動しないときは、メルトダウンがさけられないことになる。
一般に、原子炉の炉心は水漬けになっている。しかし、新たな冷却水の供給が途絶えると、圧力容器にすでに入っている水は加熱し、沸騰し、蒸発してしまう。この現象が起きると、原子炉内の温度が上昇を初め、粒状の燃料を収容している燃料棒の被覆菅が溶融する。やがて、ウラン燃料も溶融を始め、炉心を溶融した放射性金属の塊に変えてしまう。 そうした経過をたどったあと、最終的には炉心は圧力容器の底部に「たまり」となって崩れ落ちる。やがて温度は華氏5000度(摂氏2760度)にも達し、炉心は容器を突き抜け、原子炉を封じ込めている外部構造物の底部へと溶融してゆく。これら構造物は放射能の漏洩と爆発に耐えられるように設計されているが、メルトダウンに対しては抗する手段は与えられていない。
この危険性を防止するため、たいていの原子炉は、強化コンクリートで造られた封じこめのための構造物のなかに鎮座し、ステンレス製圧力容器のなかに収容されている。しかし、水蒸気の大爆発とかあるいは爆弾やハリケーンといった外部の大きな力が加わると、これらの防御手段は破壊されてしまうことがある。
さらに、究極的には原子炉の炉心が溶融して下に落ちこむという現象、すなわち「メルトダウン」するという脅威がある。原子炉が正常に機能しているときには、冷却水が原子炉の燃料集合体の間隙を通過して、炉心を冷却している。
この冷却系が、停電、ポンプの故障、冷却水の配管の破損といったいずれかの理由で停止すると、一連の予備冷却系がその作動を始める。しかし、そうした装置がすべて作動しないときは、メルトダウンがさけられないことになる。
一般に、原子炉の炉心は水漬けになっている。しかし、新たな冷却水の供給が途絶えると、圧力容器にすでに入っている水は加熱し、沸騰し、蒸発してしまう。この現象が起きると、原子炉内の温度が上昇を初め、粒状の燃料を収容している燃料棒の被覆菅が溶融する。やがて、ウラン燃料も溶融を始め、炉心を溶融した放射性金属の塊に変えてしまう。 そうした経過をたどったあと、最終的には炉心は圧力容器の底部に「たまり」となって崩れ落ちる。やがて温度は華氏5000度(摂氏2760度)にも達し、炉心は容器を突き抜け、原子炉を封じ込めている外部構造物の底部へと溶融してゆく。これら構造物は放射能の漏洩と爆発に耐えられるように設計されているが、メルトダウンに対しては抗する手段は与えられていない。
福島原発原子炉は紫色で強調した経過をたどっているようである。赤色で強調したようになるとこれは破局的である。原子炉の関係者はこの赤色にならないよう全力を傾注しているところであろうと固唾を飲んで見守っている。最悪の事態を逃れたとの記者会見が待ち遠しい。なお上の文章は次の新書の28-30ページからとったものである。この本を読んだとき、まさかこのような事態が日本で起こるとは夢にも思わなかった。日本人の科学・技術者魂に私なりに信頼を置いていたのである。
