日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

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君が代訴訟に隠された「良心」の大切さ

2011-05-31 18:22:58 | 社会・政治
卒業式で君が代斉唱時の起立を命じた校長の職務命令が、「思想・良心の自由」を保証した憲法19条に違反しないかどうかで争われていた裁判で、30日の最高裁第二小法廷が「憲法に違反しない」という判断を示した。東京都都立高校の元教諭が卒業式で校長から「国歌斉唱の際は、国旗の日の丸に向かって起立するように」と命じられたのに起立せず、戒告処分を受けたこと、さらに定年退職する前に「嘱託員」としての再雇用を申請したが不採用とされたために、都に損害賠償などを求めて提訴したのが事の発端のようである。私は最高裁で常識的な判断がくだされたと思う。

「君が代」と「日章旗」のことは以前に「君が代」は天ちゃんのうた・・・(改訂版)に書いている。このタイトルだけでは「なんと不真面目な」とお叱りを受けそうなどで、ぜひ本文にお目通しをいただき、真意を汲み取っていただけたらと思う。だからここでは繰り返さない。それよりも私が興味を持ったのは、この元教諭が最高裁まで裁判を持ち込んだ思いの深さとは何であろう、ということであった。

元教諭が64歳と報じられているので、戦争の経験世代ではない。それなのになぜ「君が代」と「日章旗」を忌避する気持ちが生まれたのだろうというのが私の抱いた疑問であった。この方の受けたその時代の「民主主義教育」による「刷り込み」のせいだとすると、さもありなん、と思ったりもした。しかし、その「刷り込み」というか、実体験に根差さない単なる洗脳だけで、最高裁まで個人で争うエネルギーが沸いてくるとはこれまた凄いなと私なりに感心したのである。

ところが新聞記事をよくみると、朝日は《「日本の侵略戦争の歴史を学ぶ在日朝鮮人や在日中国人の生徒に日の丸・君が代を強制するのは良心が許さない」などと訴えた》と報じ、中日は《不起立は「戦争の歴史を学ぶ在日朝鮮人、中国人の生徒に対し、教師としての良心が許さない」という意思だった》と報じている。なぜ在日朝鮮人や在日中国人が出てくるのだろうと意外に思って他紙を調べてみると、時事ドットコムの《さまざまな事情を抱えた生徒がいる定時制高校で約30年間勤務した。今は日本在住の外国人らに日本語を教えているといい、「卒業生や保護者が裁判を支えてくれた。これを励みにして、まだまだ頑張っていきたい」と意欲を示した》との記事が見つかり、目が洗われる思いがしたのである。

元教諭は(おそらく在日朝鮮人や在日中国人も通う)定時制高校に勤務し、かって日章旗を掲げた皇軍に制圧され、また植民地にされてしまった国々の出身者を生徒として教える立場の方だったのである。この方にとって、自らの歴史認識の上からも、どうしても生徒である在日朝鮮人・在日中国人の目線で日の丸を見てしまい、その彼らの心情を無視して、ただ一日本人としての振る舞いに徹することができなかったのではなかろうかと勝手に想像してしまった。そうだとするとこの方の行動を駆り立てたのは、生徒に誠実な教師としての良心であったといえよう。

このようなケースのあることを考えると、目下大阪府議会で審議されている、入学式などの君が代斉唱時に教職員に起立・斉唱を義務付ける条例案では罰則規定がないものの、橋本大阪府知事は免職を含む教職員への処分基準に関する条例案を別途作成するとのことである。これでは余りにも力づくでこれで「教師の良心」を押しつぶすのはファシズムと言われても仕方があるまい。私も高く評価する橋下知事に、罰則規定の撤回を強く訴えたい。とことんまで話し合えば、どこかで折り合いがつくものである。現実主義者の私に言わせると、元教諭の場合でも、生徒には彼らの心情を理解できることを誠実に話しかけ、その上で一日本人として国旗・国歌に敬意を払うことをよく説明して起立すればよかったのではないかと思う。

私は外国で日の丸の旗になんども目頭を熱くしたし、また藍川由美さんの歌う原曲「君が代」の素晴らしさと述べたように、「君が代」は世界に誇れる国歌であると思っている。ともに大事にしたいものである。


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原子炉海水注入問題 東京電力記者会見のYouTubeを見て

2011-05-28 21:26:03 | 社会・政治
時間のあるのは良し悪しで、もう東京電力には拘わるまいと思っているのに、「海水注入の中断はなかった」とする東京電力記者会見の1時間以上に亘る模様を、YouTubeで見てしまった。

東京電力記者会見「吉田所長の判断で注水は継続していた」2011.05.26-1
東京電力記者会見「吉田所長の判断で注水は継続していた」2011.05.26-2
東京電力記者会見「吉田所長の判断で注水は継続していた」2011.05.26-3
東京電力記者会見「吉田所長の判断で注水は継続していた」2011.05.26-4
東京電力記者会見「吉田所長の判断で注水は継続していた」2011.05.26-5
東京電力記者会見「吉田所長の判断で注水は継続していた」2011.05.26-6

東京電力の武藤栄副社長と松本純一原子力・立地本部長代理が、記者からの質問にもかなり丁寧に答えていた。しかし発言を裏付ける資料がメモとか記憶とかで、内容の信憑性に関しては不満が大きく残る。会議記録一つにしてもどの程度のものがあるのかすら分からない。取り調べの可視化ではないが、会議の発言はすべて録音し、またテレビ会議もすべて録画して記録の万全を期すべきであると思った。

海水注入に関して、YouTubeにも出てくる東京電力がまとめた時系列を、電気新聞が次のように要領よく纏めている。

東電が公表した当日の時系列によると、3月12日の午後2時50分ごろに清水正孝社長が海水注入の実施について確認、実施を了解した。東電では「淡水が無くなれば海水を入れなければならないという判断が早い段階からあった」(武藤副社長)ため、午後3時18分ごろ、準備が整い次第、海水を注入する予定である旨を経済産業省原子力安全・保安院に通報。その後、午後3時36分に1号機の原子炉建屋が水素爆発したが、午後6時5分には国から海水注入に関する指示を受け、午後7時4分に海水注入を開始。同6分に注入開始を保安院に連絡した。

しかし、東電の官邸派遣者から「官邸では海水注入について首相の了解が得られていない」との連絡が本店本部と発電所側に対してあったため、テレビ会議での協議の結果、一旦海水注入を停止することが合意された。ただ、発電所側としては原子炉への注水継続が重要であると、吉田所長が判断。注水を継続していた。
(2011/05/27)

ここで私が注目したのは午後6時5分には国から海水注入に関する指示を受けの部分で、私にとって新しい事実であったからである。と同時に、昨日のブログで次のように述べた推測(強調部分)が覆されることにもなるからである。

《25日午前の記者会見で、東日本大震災翌日の3月12日午後3時20分ごろ、保安院に「準備が整い次第、炉内に海水を注入する予定である」と記したファクスを送っていたことを明らかにした》との報道は注目に値する。これだと単なる事前通知で、首相の了解を待っているとのニュアンスは0である。すなわちこれからは東電の判断で海水注入に踏ん切ったことがうかがわれる

海水注入にやはり国の指示が必要であったのだろうか。そこでこの経緯をYouTubeでのやりとりから私なりに調べたが、「海水を注入すること」という国からの指示は「あらずもがなの口出し」に過ぎないというのが私の結論であった。なぜか、を述べる。

YouTube(2011.05.26-2)で記者が18:05に国から海水注入に関する指示というのが検討の指示なのか注入の指示なのか具体的に、と問うたのに、「国からの海水注入の指示は、そのあと正式に命令書という形で出しているが、海水を注入することという指示と理解」(松本 1:30)と答えている。さらに(後刻出されたはずの)命令書の内容を「原子炉等規制法64条第3項の規定にもとづき、福島第一原子力発電所第1号機について、たとえばその原子炉容器内を海水で満たすなど適切な方法を検討したうえ、その原子炉容器の健全性を確保することを命じる」であったと武藤副社長は説明している。

原子炉等規制法とは正しくは「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」であって、第64条は危険時の措置に関するものである。長々とした条文であるが、要は主務大臣は「原子炉による災害を防止するために必要な措置を講ずることを命ずることができる」のであって、原子力事業者(東電)は「主務省令(第三項各号に掲げる原子力事業者等の区分に応じ、当該各号に定める大臣の発する命令をいう。)で定めるところにより、応急の措置を講じなければならない」ことになっている。

しかしこの原子炉等規制法の規定と昨日紹介した原子力災害対策特別措置法の規定とはどのような関係があるのだろうか。素人の私には分からない。しかし「海水注入」をわざわざ原子炉等規制法の規定で命令するのであれば、東電が「原子力災害の発生又は拡大を防止するために必要な業務を行う」(原子力災害対策特別措置法)そのすべてについて、原子炉等規制法にもとづく命令が出されなければならないのではと思うが、そうではなかったようである。経済産業省の「報道発表」では、3月15日に出された「第4号機の使用済み燃料プールへの注水を可及的速やかに行うことを命じる」との「原子炉等規制法に基づく命令について」は見ることが出来るが、海水注入その他の記録はなぜか残されていないのである。

一般人の常識で考えると、異なった法律による屋上屋を重ねるような指示・命令はまったく無意味であるし、現場が錯綜するだけである。そして東電現場でも重く見られていなかったことがYouTubeでのやり取りからも浮かび上がってくるのが面白い。その姿勢が官邸派遣者からの連絡のことについて、武藤副社長の次の説明にありありと現れている。

3月12日午後7時25分頃官邸派遣者から連絡があり、「海水注入という具体的なことをやるに当たって、首相が判断するという感じがある。責任者である首相の判断のない中で、実施は出来ないという雰囲気というか、空気を伝えてきた」と説明した(従来は19:00前後、東電元副社長の武黒フェローが「再臨界の可能性などを官邸で検討している」と東電に連絡、19:25に海水の試験注入を停止とされていた。実はこの食い違いも問題である)。そしてこのようにも言っている。「首相の了解を得ないと海水の注入は行えないということがこの時点(~17:25)でハッキリした。了解が得られるまでいったん中止をしようと合意」。これですでに出されていた原子炉等規制法にもとづく経済産業大臣の正式命令がいかに軽くあしらわれたかがよく分かる。なんせ正式命令が雰囲気・空気で吹っ飛んだのであるから。この命令、「あらずもがなの口出し」であったのだから当然といえば当然の成り行きであった。

いやはや、また気分が悪くなってしまった。それにしてもここで東電側の話していることが、またどう変わることやら。


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海水注入独断継続の吉田所長? 原子力災害対策特別措置法についての素人談義

2011-05-27 18:30:41 | 社会・政治
福島第一原発1号機への海水注入継続の経緯は今のところ(と断らないとまたどうひっくり返るか分からないので)次のようである。

 二転三転した情報の混乱は、なぜ起きたのか。海水注入継続の事実は、24~25日に東電本店が実施した吉田昌郎・福島第1原発所長らへの聞き取りから明らかになったという。

 東電によると、3月12日午後7時4分ごろから原子炉を冷やすための海水注入が始まったが、午後7時25分ごろに本店と現場とのテレビ会議で、「首相の了解が得られていない」との情報について協議。注水停止で合意したが当時、吉田所長は反論しなかった。ところが、吉田所長は注水をやめていなかった。その理由を「冷却が最優先でどうしても受け入れられなかった」と話しているという。
(毎日新聞 2011年5月27日 7時44分)

この記事で私が引っかかるのは「首相の了解が得られていない」の部分である。裏返しすると海水注入は首相の了解がないと行えないのか、ということになるが、信頼度0の東電ではあるにせよ《25日午前の記者会見で、東日本大震災翌日の3月12日午後3時20分ごろ、保安院に「準備が整い次第、炉内に海水を注入する予定である」と記したファクスを送っていたことを明らかにした》との報道は注目に値する。これだと単なる事前通知で、首相の了解を待っているとのニュアンスは0である。すなわちこれからは東電の判断で海水注入に踏ん切ったことがうかがわれる。

ここからが法律の素人談義なのであるが、私なりに原子力災害対策特別措置法を繙いてみた。その「第二章 原子力災害の予防に関する原子力事業者の義務等」から原子力防災管理者に関わる第九条から関連部分のみを引用する。

第九条  原子力事業者は、その原子力事業所ごとに、原子力防災管理者を選任し、原子力防災組織を統括させなければならない。
 2  原子力防災管理者は、当該原子力事業所においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない。
 3  原子力事業者は、当該原子力事業所における原子力災害の発生又は拡大の防止に関する業務を適切に遂行することができる管理的又は監督的地位にある者のうちから、副原子力防災管理者を選任し、原子力防災組織の統括について、原子力防災管理者を補佐させなければならない。
 4  原子力事業者は、原子力防災管理者が当該原子力事業所内にいないときは、副原子力防災管理者に原子力防災組織を統括させなければならない。(5以下略)

原子力防災組織とは第八条に次のように定められている。

第八条  原子力事業者は、その原子力事業所ごとに、原子力防災組織を設置しなければならない。
 2  原子力防災組織は、前条第一項の原子力事業者防災業務計画に従い、同項に規定する原子力災害の発生又は拡大を防止するために必要な業務を行う
 3  原子力事業者は、その原子力防災組織に、主務省令で定めるところにより、前項に規定する業務に従事する原子力防災要員を置かなければならない。(4以下略)

さらに前条第一項の原子力事業者防災業務計画とは次のとおりである。

第七条  原子力事業者は、その原子力事業所ごとに、主務省令で定めるところにより、当該原子力事業所における原子力災害予防対策、緊急事態応急対策及び原子力災害事後対策その他の原子力災害の発生及び拡大を防止し、並びに原子力災害の復旧を図るために必要な業務に関し、原子力事業者防災業務計画を作成し、及び毎年原子力事業者防災業務計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならない。(以下略)

これを福島第一原発に対象を絞って私なりに解釈してみる。

まず原子力防災管理者であるが、《原子力防災管理者は、当該原子力事業所においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない》と言うからには吉田所長こそ原子力防災管理者の最適任者である。東電資料にも《原子力防災管理者は、発電所長があたり、原子力防災組織を統括管理する》と記されているから間違いなかろう。したがって政府が原子力緊急事態宣言を発して、首相を長とする原子力災害対策本部を設置した「緊急事態」においても、あらかじめ作成されている原子力事業者防災業務計画に従い、原子力災害の拡大を防止し、復旧を図るための業務を遂行しなければならないことになる。

これで見る限り、吉田所長が海水注入を決断し実行したことは、原子力防災管理者としての職務を忠実に遂行したことになる。

一方、首相を長とする原子力災害対策本部の組織や所掌事務もこの法律で定められているが、原子力緊急事態では住民の避難とか自衛隊の出動とかの指示が強調されており、第二十条第6項《6  原子力災害対策本部長は、当該原子力災害対策本部の緊急事態応急対策実施区域における緊急事態応急対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、原子力安全委員会に対し、緊急事態応急対策の実施に関する技術的事項について必要な助言を求めることができる》も、原子力発電所での事態もさることながら、「地域・住民対策」実施に重点が置かれていると見るべきであろう。たまたま菅首相が理系だということでその言動が取りざたされているが、仮に原子力への素養の乏しい文系首相なら、安全委員会に助言を求めることさえままならなかった筈である。

さらに原子力災害対策本部長と原発所長である原子力防災管理者との指揮命令系統がどのようなものなのか、この法律から私は読み取ることができなかったので専門家の意見を仰ぎたいが、仮に指揮命令系統が存在するとしても原子力防災管理者にすべてを委嘱することのほうが現実的である。その意味では上の新聞記事のように「首相の了解が得られていない」なんて情報をもたらした東電の官邸派遣者の意図が何であったのか理解に苦しむ。私に言わせるとお茶坊主のような言動で、またそれに振り回されて海水注水停止に合意したとされる東電関係者も情けない。吉田所長が海水注入を続行したことは私は理解できるが、そのことを正しく東電本部に伝えておくべきであった。

私は3月16日のブログ、福島原発の現場で作業している人たちを信じて応援しようで次のように述べている。この考えは今でも変わらない。東京電力の関係者は現場の働きを阻害したことや「記録」が疎かになったことは返す返すも残念である。

「想定内」であれば日ごろ訓練に用いられたマニャルに従い定められた対応をすれば十分であろう。しかし「想定外」の事態ではそれが効かないからこそ、現場にいる原子炉を熟知して経験豊かで判断を的確に下すことの出来るリーダーの臨機応変の采配と、現場の作業員のチームプレイが底力を発揮する。これ以外の対処はないと言ってよかろう。東京電力の関係者は現場の働きを阻害する一切の動きを全力を挙げて排除すべきなのである。それと同時に未曾有の事態であるだけに、すべての出来事は詳細に記録されなければならないと思う。そのための記録班を編成するぐらいの重要性を東京電力の責任者は認識して行動に移すべきであろう。これほど大がかりでかつ貴重なデータをもたらす実験は計画して行えるものではない。

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日本共産党志位和夫委員長の街頭演説に出会して

2011-04-02 17:25:04 | 社会・政治
用があって街に出た。鯉川筋を下がってくるにつれて拡声器からの音が大きくなる。元町大丸の周辺に大勢の人が集まっているので党首クラスの人かなと思ったら、共産党の志位委員長が熱弁をふるっているところだった。


時間は12時を少し過ぎた頃、遠目で顔がはっきりしないが声は間違いなく志位さんである。急ぎの用でもなし、名のある政治家の演説を直接聞くのも滅多にないことなので耳を傾けることにした。とにかく感心したのが演説のうまいことである。まず声がいい。言葉が明瞭だから一言一句すべてが聞き取られる。そして淀みがないうえにめりはりがきいている。それを忠実に伝える拡声装置の性能がよいのだろう、言葉の持つ力、その力強さをいかんなく伝える。話に引きずり込まれてふと気がつくと目頭が熱くなっている。日本に真の政治家がいないわけではない、とでも思ったのだろうか。

演説の中身も理路整然でなかなか分かりやすい。それに具体的なのがよい。東日本大震災の復興の財源として「震災復興国債」を発行して、それを244兆円にも及ぶ内部留保を積み上げている大企業に引き受けて貰えばとの提案にはなるほどと思った。そのうち64兆円は現金であるとのことである。この金額の信憑性はさておいても、こういうお金のあることは十分頷けられる。志位さんは利子0で、と言っていたけれど、大企業が本当に応じるのなら少々の利子ぐらいはいいだろう、と話に乗っていけた。320億円の政党助成金も廃止して復興へ、というのも共産党だからこそ言えること、私もまったく賛成である。

原子力発電所の問題についても、原発の新増設中止と安全最優先の原発政策への転換という路線はまさに私の思うところでもあり、その現実的な対応ぶりが十分に評価出来る。そのほかあれこれ、気がついたら30分ほどの演説が終わったときは力強く拍手をしていた。

この演説を聞いた限りでは志位さんに日本の舵取りを任せるのも一つの手かなと思った。共産党まで含めた大連立でその総理大臣も悪くはない、と私をして言わせるほど演説の力を実感したのである。

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原発反対運動が福島原発事故を拡大させた?

2011-03-20 20:11:17 | 社会・政治
今日の朝刊第一面の見出しが『福島原発 通電可能に 燃料冷却に一歩前進』なので、先行きは分からないまでも少しは胸をなで下ろした。緊急課題であった「燃料棒の冷却」が可能になりそうだからである。しかし「燃料棒の冷却」が制御下に置かれるまでにはまだまだ時間がかかることだろう。

「燃料棒の冷却」を続けながら早急に行うべきことは、建屋内に入り損傷の実態を明らかにすることだろう。現在も原発作業員による作業が進められていることだろうが、どうしてかその詳細の伝わってこないのが歯がゆい。使用済み核燃料プールや原子炉格納容器などに亀裂などの損傷があるのかないのかを始めとして現状を把握の上、「燃料棒の冷却」を制御下に置くための作業を最優先すべきでは無かろうか。

建屋内の放射能汚染の程度すら伝わってこない。測定されているのかいないのか、それすら分からない。通常の定期点検なら作業員が防護服・マスク・安全靴などを着用して建屋内に入るのであろうが、事故後の建屋内にも通常の防御服で入っているのだろうか。その作業実態すら「秘密」なのであろうか。放射能汚染されている環境下でも作業出来るような特殊な防護服が備えられているのだろうか。それとも、放射能測定ロボットのようなものが働いているのだろうか。これまでの成り行きをみるとどちらも否定的にならざるをえない。だからこそ私は福島第一原発に即刻米軍専門部隊の投入を!と叫んだのである。これら米軍部隊は「核戦争」の戦場での行動を想定しての装備と訓練が完備していると思われるからである。

ここに「でんきの情報広場」という電気事業連合会のホームページがある。この「原子力発電所の安全確保」には「安全を守る技術的なしくみ」として「多情防護」「自己制御性」「アクシデントマネジメント」が挙げられている。その「アクシデントマネジメント」には次ぎのような文面がある。

アクシデントマネジメントによる安全対策

過去事故の研究を通じて、過去事故に至るプロセスを検討した結果、次の機能を強化することが対策として有効であることがわかりました。

* 原子炉停止機能の強化
* 原子炉および格納容器への注水機能の強化
* 格納容器からの除熱機能の強化
* 電源供給機能の強化

原子力発電所の安全設計では、「原子炉を止める」「原子炉を冷やす」「放射能を閉じ込める」という3つの機能ごとに対策がとられていますが、アクシデントマネジメント対策は、これらの機能を高めることになります。

例えば、アクシデントマネジメントでは、異常が発生し、非常用炉心冷却装置(ECCS)もすべて故障した場合を想定し、本来、消火用に使うポンプで炉心に注水し、燃料を冷却するといった対策を考えます。そのため、いざというときに消火用のポンプも動員できるよう、消火用の設備にそのための設備を備えておきます。

このようにアクシデントマネジメントでは、異常事態に際して、本来はほかの機能のために用意されている設備までフル活用し、異常事態の拡大防止と影響の緩和のための対策を行います。

アクシデントマネジメントは、このような施設や設備の整備のほかに、シビアアクシデントが発生したときに迅速に対応するための詳細なマニュアルの整備、通報連絡体制、教育・研修なども含まれます。

各電力会社は、各発電所のアクシデントマネジメント策を整備し、その内容を取りまとめた報告書を、2002年5月に国に提出しました。原子力安全委員会もレビューを行い、各電力会社の対策は妥当であると評価されています。

ここでアクシデントに対して機能強化すべき対策として挙げられた4項目がもっともなものであったにせよ、その実態がどうであったかを、今、われわれが固唾を飲んで注視しているのである。ここで気になるのが非常用炉心冷却装置(ECCS)もすべて故障した場合を想定し、本来、消火用に使うポンプで炉心に注水し、燃料を冷却するといった対策を考えます。そのため、いざというときに消火用のポンプも動員できるよう、消火用の設備にそのための設備を備えておきます。の強調部分である。これでは作業環境が放射能で汚染されることなんてまったく考えていないように私は感じてしまう。

福島第一原発事故は今回の東北関東大震災による「想定外」の出来事と受け止められているかのようである。もう少し正確には、そのように報じられていると言うべきなのかもしれない。私も福島原発の現場で作業している人たちを信じて応援しようで、《科学者が実験をしていて秘かに興奮を押し隠すのは「想定外」の出来事に出くわしたときである。》と述べている。なぜ想定外を括弧で囲むのかと言えば、実は科学者にとっては想定外と思われることの生じるのも想定済みだからである。人智がすべてを見通すなんてあり得るはずがない。

同じことが技術者についても言える。たとえば原発が強度設計を上回る強度で建設されたとしても、所詮は無数の人間の共同作業で出来上がったものである。あらゆる部品とすべての設備に人手が加わっている。それだけでに人為ミスを完全に排除することは不可能で、ところによっては規定の強度を満たしていないこともありうる。だからこそ上に引用した異常事態への対応がそれなりに考えられたのであろう。したがって、日本の原発が米国のスリーマイル島とソ連のチェルノブイリを上回る惨事を引き起こすこともあり得る、という考えを抱いた技術者が居るのも当然のことで、そういうことを考えもしなかったという技術者がもし居たとすると、この方が異常なのである。その意味では、米国のスリーマイル島とソ連のチェルノブイリを上回る惨事を起こさせないためにも、原発を日本で造るべきでないという原発反対運動が起こるのも自然なことである。

しかしスリーマイル島もチェルノブイリも原爆のように一瞬で爆発したわけではない。それなりのたどるべき経緯をたどって破滅に至ったのである。いずれも福島第一原発が稼働を始めてから後の事故であるが、このことを知った日本の原発技術者が、施設が大規模に破壊され、放射能が大量に洩れた環境下で「燃料棒の冷却」を行わなければならない事態が起こりうることを当然想定したであろう。また、その作業にどのような装備・機材が必要なのかその整備を考えたに違いない、と思いたい。ところが強い放射能環境下でも作業可能な放水車やポンプ車、さらにはロボット注水・放水車に重装備の防護服などを原発が整備したとすると必ずや人目を引き、安全を喧伝している日ごろの主張との矛盾を突かれて、ますます原発反対運動の拡大することを原発の経営者側が懸念したことも想像するに難くない。したがって強い放射能環境下でも迅速に作業を推し進める対策をなおざりにした、と。その意味では原発反対運動が今回の事故の拡大化をもたらしたと言えなくまない。もちろんこれはあくまでも私の憶測に過ぎないが、そうとでも考えないことには原発側の「無手勝流」振りが理解出来ないのである。

福島第一原発の近くにある福島第二原発では、停電の影響で原子炉の冷却機能が喪失したもののやがて1号機から4号機まですべてが「冷温停止」の状態になり、また女川原発でも1号機から3号機に至るまですべて「冷温停止」の状態とのことである。福島第一原発でも初動の遅れからかなりの放射能を周辺にまき散らすことになり、その恐れはまだまだ続くであろうが、これ以上の惨禍の広がりはなんとしても抑えて欲しい。そしてこの機会にこそ、今回の自衛隊、消防隊、警察、さらには消息が流れてこない米国専門部隊を合わせての装備・機材を大きく上回る世界最強の原発危機鎮圧隊の創設を真剣に考えるべきであろう。日本で稼働中の原発すべてを即刻運転停止に出来ないとすれば、これしか考えられる対策は無い。

先ほどNHKの7時からのニュースで地震発生当時福島第一原発の現場で作業していた方々からの生々しい状況が、そして東京消防庁のハイパーレスキュー隊隊長などから活動状況が伝えられた。ただただご無事を祈るのみである。

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福島原発の現場で作業している人たちを信じて応援しよう

2011-03-16 11:18:11 | 社会・政治
科学者が実験をしていて秘かに興奮を押し隠すのは「想定外」の出来事に出くわしたときである。途轍もない発見をしたのではないかとわが眼を疑い、かつ奮い立つ。そしてこの思いがけない出来事が必然的なものであることを考えられる限りの手段を講じて確認が出来たら、そこで新発見の喜びを爆発させる。

今回の福島原発における一連の事故について、福島原発の「電源」と「水」への対応が超スローモーなのは何故なのかで私なりの見方を述べた。13機もあった非常用ディーゼル発電機がすべてが動かなかったとか、水の供給が十分でなかったとか、信じがたいことではあるがまさに「想定外」の事態が起こったようである。その結果「燃料棒の冷却」が不十分になり、ひいては放射性物質を含んだ高圧蒸気の空気中への放出や「水素爆発」を引き起こしてしまった。

朝日新聞の今朝の「天声人語」に次のようなくだりがある。

▼「原発の二大事故」は、米国のスリーマイル島とソ連のチェルノブイリであった。こののち、フクシマを含めて「三大」となるのは現時点の規模でも間違いない。
おそらくそうであろう。しかしこの「二大」と「フクシマ」は根本的に異なるところがある。福島原発事故は観測史上世界4番目の規模といわれるマグニチュード9.0の巨大地震と1000年に一度という大津波が発生したことで引き起こされたが、「二大」にはこのような想像を絶する外的要因はまったく無かったのである。福島原発ではこのような過酷な状況下にもかかわらず、稼働中の原子炉で制御棒が正常に働いて連鎖的な核分裂反応を停止されたことは大いに評価すべきである。

連鎖的な核分裂反応は確かに停止した。福島第一原発のそれぞれの原子炉で用いられている燃料棒の成分構成は詳らかではないが、もともと燃料棒そのものが大量の放射性同位元素を含んでいるのであるから、その自然崩壊で熱が発生する。したがって通常の発電のための連鎖的核分裂反応は停止したとしても、自然崩壊による発熱を抑えるためには燃料棒を絶えず冷却しなければならない。この「燃料棒の冷却」の出来なかったことが今回の一連の事故を引き起こしているのであるから、なすべきことは一にも二にも「燃料棒の冷却」であることがはっきりしている。

「想定内」であれば日ごろ訓練に用いられたマニャルに従い定められた対応をすれば十分であろう。しかし「想定外」の事態ではそれが効かないからこそ、現場にいる原子炉を熟知して経験豊かで判断を的確に下すことの出来るリーダーの臨機応変の采配と、現場の作業員のチームプレイが底力を発揮する。これ以外の対処はないと言ってよかろう。東京電力の関係者は現場の働きを阻害する一切の動きを全力を挙げて排除すべきなのである。それと同時に未曾有の事態であるだけに、すべての出来事は詳細に記録されなければならないと思う。そのための記録班を編成するぐらいの重要性を東京電力の責任者は認識して行動に移すべきであろう。これほど大がかりでかつ貴重なデータをもたらす実験は計画して行えるものではない。

朝刊は厚生労働省と経済産業省が福島第一原発で緊急作業にあたる作業員の被曝線量の上限を、現在の100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに上げたことを伝えた。さらには突発事態でこれ以上の大量被爆の恐れのある厳しい環境下で、必死に作業に当たっておられる方々を心からの感謝をもって応援したい。「想定外」の状況でこそ叡智を発揮するであろう日本人の技術者魂を私は信じる。しかし、決して「特攻隊」を考えるようなことがあってはならないことを強調したい。
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事実を伝えることの難しさ 取材・解説者に望むこと

2011-03-14 18:07:00 | 社会・政治
11時過ぎにある民放テレビ(?)が福島第一原発3号機の建物が11時01分に爆発する瞬間を何度も何度も繰り返して放映していた。閃光と炎に続いて黒煙が勢いよく上がり、やがて吹き上げられた外壁なのだろうか構造物の破片が幾つも落ちてきるとともに白煙が横に広がった。私が観たのとは異なるようであるが、爆発の瞬間がこのYoutubeに記録されている。閃光と炎を最初は29秒あたりで見ることができるが、1分10秒からの映像の方が見やすいと思う。



その後東京電力の会見発表があったが「爆発で白煙があがった」という内容であった。「閃光と炎」に「黒煙」を見ていただけに、「白煙」とはこれいかに、との思いを抱いた。

「大丈夫です、心配はありません」のメッセージを「白煙」に託したと思えないこともないが、「閃光と炎」を眼にした多くの視聴者が、東京電力は「白煙」と誤魔化すことでなにか重大なことを隠そうとしているのではないかと疑っても仕方がないような状況であった。東電のこの発表は一体どのような経緯で行われたのだろうか。事実を可能な限り正確に公表するという基本姿勢がまったく欠けているように感じた。

原子力安全・保安院の記者会見もひどいものであった。第一原発1号機の格納容器内の圧力が上昇して危険なので弁を開いて蒸気を放出するする手順を説明する際にも、自分たちが日常使っているのであろう、「ベント」「ベント」という術語を繰り返すのみ。話の筋で「ベント」とは弁のことか、と推測はついたものの、国民に分かりやすく説明するという姿勢を感じとることは出来なかった。

あれもこれもこの未曾有の災害に平静さを失い、伝えるべき内容を落ち着いてまとめられなかったのかも知れない。不断からの準備が無かったせいなのかも知れない。たとえば1号機にせよ3号機にせよ、燃料棒がなぜ水面上に露出するのか、水をどのように供給するのか、それを説明する模型図すら公表されていないのではないか。少なくとも私が調べた限り見当たらなかった。テレビ、新聞などで確かにそれらしき模式図が描かれているが説明がほとんどないものだから、ただの判じ物に終わっている。


これは1号機が問題になった時の朝日新聞の図であるが、どこにも「ベント」が見当たらない。さらに「スプレー装置」などがあるが、何をどういう目的でどのように水をスプレーするものやら、何一つ分からない。元来は福島原発か東京電力が提供すべき模式図であるが、マスメディアが積極的に取材をして、取材者がその模式図を見ながら原発側の説明を聞いて、それを理解出来ることを確認した上で視聴者に提供すべきなのである。その基本的なところを消化不良のまま残して、一般教養の持ち主より3本ほど毛の多いだけの「解説者」をテレビに並べたてての報道番組なんて無意味である。

私が望むような取材、解説が出来るのではないかと思ったのがNHK科学文化部の山崎記者である。原子力担当ということで短い間にお馴染みになったが、生の情報に接して常識的に考えて疑問が生じたらそれを解き明かして聴視者に伝ようとする姿勢を感じたからである。この山崎記者にもう一歩踏み込んで1号機、3号機の模式図を準備してもらい、それを使ってその時々の問題点を懇切に解説して貰いたかった。自分が納得出来て始めて視聴者に伝え、そして疑問を疑問として残さない。これがプロの取材・解説者に求められる資質ではなかろうか。

そして、最後に一言。情報を提供する側も取材する側も、民度の極めて高い日本国民に対して、いかなる意図であれ情報操作は、結局は自分の首を絞めることになることを銘記すべきである。


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福島原発の「電源」と「水」への対応が超スローモーなのは何故なのか

2011-03-13 15:14:52 | 社会・政治
これまでに分かったことは、福島原発の原子炉がこのたびの東北地方太平洋沖地震で眼に見える構造的破壊を免れたということである。これから細かい損傷が見つかっていく可能性はあるだろうが、まずはその耐震性が実証されたと言える。ところが原子炉の安全性を確保する上で、思いがけぬ伏兵が現れた。地震が発生したのは11日午後2時46分ごろであるが、その午後3時42分に東京電力から経済産業省の原子力安全・保安院へ、福島第一原子力発電所の1、2号機で、炉心を冷やす緊急炉心冷却システム(ECCS)が動かなくなったという連絡が入ったのである。地震による停電に加えて、13機ある非常用のディーゼル発電機もすべてが停止したのでECCSを動かすことが出来なくなったのである。そこで東電は電源車51台を同原発に向かわせることにした。以上はおもにasahi.comのニュースであるが、一方、このようなニュースがあった。

 経済産業省の原子力安全・保安院は12日午後2時すぎに記者会見を開き、東京電力福島第一原子力発電所の1号機(福島県大熊町)で、原子炉内の燃料の溶融が進んでいる可能性が高い、と発表した。(中略)

 1号機の燃料Aの水位は、マイナス90センチがマイナス170センチまで下がり、燃料が水面から露出しているとみられる。燃料Bの水位についても、80センチから145センチまで下がっていることが確認されたという。格納容器内の圧力は750キロパスカルが754キロパスカルで、圧力は比較的安定している
(asahi.com 2011年3月12日14時22分)
さらに

 原子力安全・保安院は12日午後3時すぎ、東京電力福島第一原発の1号機の配管の弁を開放した結果、炉心の圧力容器を覆う「格納容器」の圧力が低下し始めた、と発表した。格納容器内は通常、400キロパスカル(約4気圧)で運転されているが、1号機は大地震による自動停止後、800キロパスカル超の圧力を記録し、損傷の恐れがあった
(asahi.com 2011年3月12日15時43分)

ともに第一原発1号機についての記述で、格納容器内の圧力についての評価が微妙に変わっている。一方、1号機の炉心の水位についての続報である。

 原子力安全・保安院によると、東京電力福島第一原発1号機の炉心は、水位低下が止まらず、現在、自衛隊のタンク車やポンプ車が計3~5台出動し、給水をして冷却している。また、外務省を通じて米軍からも協力すると打診されているという。
(asahi.com 2011年3月12日14時55分)

実はいろいろと問題点があるのだが、この「電源」と「水」に限っても理解出来ないことが多い。私は原子力発電について、一般教養的知識しかないので、そういう意味では多くの国民の皆さんと同じレベルにあると思っている。したがって常識的な見方しか出来ないのであるが、その常識で考えて分からないことに誰も答えてくれないのである。

まずは「水」である。東京電力福島第一原発1号機の炉心は、水位低下が止まらずとのことであるが、炉心の水位低下が燃料棒を水面から露出させることになり、これが危険だから水を供給して水面を上昇させようとしているはずなのに、なぜ水位低下がとまらないのかが分からない。地震で容器かパイプ類にヒビがはいり、そこから漏れ出したのだろうか。私が取材者ならそれを問いただすだろうにと思った。

さらにその「水」のことである。この「水」とは真水のことだろうが、水道栓を開いて給水する仕組みだけしかなかったのだろうか。地震で給水管が破壊されうる可能性を想定すれば当然プールのような貯水槽が設置されている筈だと思う。だからこのニュースには驚いた。

 経済産業省の原子力安全・保安院は12日午後、福島第一原子力発電所1号機の炉心を冷やす冷却水が不足してきたため、自衛隊に協力を要請したことを明らかにした。炉心が高温のままだと燃料棒の損傷が続く恐れがあるためだ。自衛隊が近郊の水源地から水を集め、給水車で運ぶ。

 現在は消火用の配管を炉心を冷やす配管と接続し、炉心の温度を下げるために使っている。保安院によるとこれまでに合計で2万1千リットルを投入したという。
(日本経済新聞 電子版 2011/3/12 15:00)

これが本当なら開いた口がふさがらない。2万1千リットルとは21トン。大型タンクローリー1台分ではないか。それで水が無くなってしまった?そしてとどのつまりが海水の注入とは!

「電源」もそうである。電気をつくる発電所でも停電することはあるだろう。その緊急時に備えて予備電源を設置するのは当たり前のことであろう。現に木造家屋がほとんど津波に奪い去られ、孤影悄然と建っているコンクリート造りの病院の窓が、自家発電で明々としている光景をテレビで眼にしたばかりである。それなのに原発では13機ある非常用のディーゼル発電機がすべてが停止してしまったとは誰が信じるだろう。

そしてこれからが本題なのであるが、この危機を乗り越えるために福島原発ではどのように意思決定がなされたのであろうか。

非常事態に際してどのように行動するのか、もちろん日常定期的に訓練はなされていただろう。では今回のように非常時電源まで使用不能になった際の訓練は出来ていたのだろうか。出来ていなかったような気がする。伝えられる限りではあるが、対応があまりにもスローモーだったからである。恐らく「想定外」であったのだろう。もし緊急事態での意思決定が現場でなされたのなら、対処は迅速に行われたに違いない。それが現場では意思決定ができず、東電本社、さらには経産省に原子力安全・保安院といちいちお伺いを立てていたのではなかろうか。そのうえ、厄介なことに菅総理までヘリコプターでやってこられてはたまったものでない。これが現場の声ではなかろうか、と私は思いたい。いずれ事後検証がなされるであろうが、意思決定を現場にまかせてそれを関係者全員が後押しをする、これが最善の危機克服の手段であると思う。

現場の方々は必死の取り組みをなさっていることであろう。なんとかして危機を脱していただきたい。

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Okinawans are tough negotiators

2011-03-09 21:10:32 | 社会・政治
昨日の米国務省のケビン・メア日本部長発言に感情的に反発する前にに対して、Mazda Harutoさんがコメントを寄せてくださり、日本人はゆすりの名人 ケビン・メア氏の発言を検証を拝見した。なかなか同感するところが多い。メア氏の発言とされる「Okinawans are masters of "manipulation" and "extortion" of Tokyo.」が、沖縄タイムズでは「沖縄の人は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人だ。」と翻訳されているのに対して、前後の文脈に十分の注意を払った上で「沖縄県民は政府やマスメディアを巧妙に操ることと交渉において要求を強要する名人です。」と意訳された。私もこの意訳の方がメア氏の真意に遙かに近いように感じた。とするとメア氏は沖縄の人々のtough negotiatorぶりに感銘を受けて、そのしたたかさを褒めているようにも受け取られるではないか。実は私も守屋武昌著 「普天間」交渉秘録 は面白い ついでに沖縄科技大のこともの中で、昨日引用した部分に加えて、『この本を読んでいるとさすが沖縄、一筋縄ではいかないこと覚らされる』とも『いやはや、お見事である』とも述べて、沖縄の人々の日本国政府を手玉にとるtough negotiatorぶりに賛嘆しているのである。

確かに日本政府は手玉にとられて不様ではあるが、それはひるがえって沖縄の人々の長けた交渉術をそれだけ引き立たせたことになる。日米交渉の相手当事者にそれを認めさせたのだから、沖縄の人々は「分かったか」と口には出さずともにんまりとしておればよいのに、なにを血迷ったのか「沖縄差別発言だ」とか息巻いている。それだけならともかく日本政府の枝野官房長官、菅総理までどのようにメア発言を検討したのか分からないが付和雷同してしまった。その点では三か月前のメア発言をこの時期に取りだしてきて「ごまかしとゆすりの名人」と迷訳した沖縄タイムズは確かにしたたかだし、その手玉に取られてか思慮もなく「ゆすりの名人」と追随した朝日新聞(9日社説)に日本国政府のイメージが重なってくる。

この朝日の社説でメア発言のもっとも重要な部分、It would be bad for the United States if the Japanese Constitution was changed because Japan would not need the United States' Military. If the Japanese Constitution was changed the United States would not be able to use Japanese land to advance US interests. The high host nation support the Japanese government currently pays is beneficial to the US. We've got a very good deal in Japan.について一言も触れていないことがが痛々しい。「ヤンキー・ゴー・ホーム」を叫ぶ元気は昭和とともに消えてしまったか。
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米国務省のケビン・メア日本部長発言に感情的に反発する前に

2011-03-08 20:26:21 | 社会・政治
ことの起こりは沖縄タイムスの次の記事のようである。

沖縄は「ごまかしの名人」 メア米日本部長が発言

 米国務省のメア日本部長(前駐沖縄総領事)が昨年末、米大学生らに国務省内で行った講義で、日本人は合意重視の和の文化を「ゆすりの手段に使う」「沖縄はごまかしの名人で怠惰」などと発言していたことが6日までに分かった。

 メア氏は米軍普天間飛行場の移設問題など日米交渉に実務者として深く関与、移設先を名護市の辺野古崎地区とした現行案決着を米側で強く主張してきた人物の一人。発言は差別的で、日本と沖縄への基本認識が問われる内容だ。
(2011年3月6日 17時36分)

さらに朝日新聞は次のように報じている。

ゆすり発言「米国の本音か」 沖縄県議会が抗議決議へ

 沖縄は「ゆすりの名人」、「怠惰でゴーヤーも育てられない」。米国務省のケビン・メア日本部長(前在沖縄米総領事)が昨年12月、米国の大学生相手の会合でした発言に、沖縄で一斉に抗議の声が上がった。県議会は8日に米政府に対する抗議決議をする方針だ。「これが米国の本音か」。米軍統治下で強制的に基地をつくられ、今も負担を強いられ続ける沖縄の人たちの不信は深まるばかりだ。

 県議会の決議は発言撤回と謝罪を求める内容で、全会一致で可決する見通し。県政与党の自民党県連の新垣哲司会長は「許せない沖縄差別発言だ。こんな人物は日本部長を辞めてほしい」と批判した。

 メア氏は2009年まで3年間、在沖縄米総領事を務め、いまは米政府の対日政策責任者。講義では、普天間飛行場については「(住宅地に近い)福岡空港や伊丹空港と同じ」と特段危険性はないとの認識も示したとされる。
(2011年3月8日5時31分)

14人の米国大学生が東京と沖縄へ約2週間の研修旅行に出発する直前の昨年12月3日、大学側の要請で前在沖縄米総領事であったメア氏が国務省内で講義を行ったとのことである。複数の学生が作製したその講義録(A4判3ページ)の内容が3ヶ月以上かかって日本人に届けられたようである。本職の米国外交官でもあったメア氏の発言として不用意であった言えばそうかもしれないが、もしかしたら彼の本音をやや迂遠な手段ではあるが日本人に知らせる意図でもあったのかなと私は思ったりする。この講義録にこのような一文があるからである。

Japanese politicians do Tatemae and Honne all the time. Okinawan politicians will agree to a negotiation in Tokyo but return to Okinawa and claim they did not. The US Ambassador and other representatives to Japan are constantly criticized for speaking the truth because the Japanese culture is too focused on tatemae and honne.

メア氏が日本人のTatemaeHonneにイライラしている様子がうかがわれるではないか。ここは本国アメリカの国務省内である。日本人ども、私の本音を耳にせよ、とばかりに素直に自分の思っていることを話したのでは、とも私には思えてくる。交渉相手がこういう考えの持ち主であることが分かれば、その分話がしやすくなるのではと私は思う。「ゆすりの名人」発言について、原文は次の通りである。

Japanese culture is a culture of "Wa"(harmony) that is based on consensus. Consensus building is important in Japanese culture. While the Japanese would call this "consensus," they mean "extortion" and use this culture of consensus as a means of "extortion." By pretending to seek consensus, people try to get as much money as possible. Okinawans are masters of "manipulation" and "extortion" of Tokyo.

この最後の強調部分を見て私はあれっと思った。私が以前に同じ趣旨のことを守屋武昌著 「普天間」交渉秘録 は面白い ついでに沖縄科技大のこともで次のように述べているからである。

正直なところ、このような話を聞かされるといい気がしない。沖縄は米軍の軍事基地があることを逆手にとって、政府から実に上手にカネを引き出しているようにすら感じるからである。政府(守屋)は最初キャンプ・シュワブ陸上案(演習場内)から出発した。そうすると沖縄はいろんな障碍を言い立てて、沿岸部の海の方へ引きずりこもうとする。沿岸部に最も近い最小限の埋め立てでいったん話がまとまると、次は出来るだけ沖の方に引き出そうとする。そこで政府がもし承知するとこんどは環境派の出番で、絶対反対を叫ぶ。移転策が頓挫し解決が長引けば長引くほど沖縄には毎年政府からカネが流れ込む。それが沖縄の狙いである。その間、一方では米軍が本当に出ていったら金づるがなくなるから、ジェスチャーだけで米軍基地を県外にとか叫んで、沖縄が虐げられている姿を世間にアピールする。これではまるで沖縄の人たちが一丸となってそれぞれの役割を演じ、政府から毎年多額のカネを上手に巻き上げているようにも見える。もしかしてかっての沖縄戦のリベンジを本土に対してこのような形でやっているのかな、とげすが勘ぐりを始めるくらいである。

私が守屋氏の著書を読んで感じたことを、日米交渉の米国側実務者であったメア氏も実感していたようである。メア氏の発言経緯を無視して沖縄県議会がメア氏に発言撤回を求めるのはことの成り行き上いたしかたないとしても、差別発言とか侮辱発言とかに矮小化すべきではないと思う。それよりも先ほどのTatemaeHonne発言に続いて、彼が次のように述べていることこそ問題視すべきであろう。

The US Military and JSDF have different mentalities. The US Military trains to prepare for possible deployment, but the JSDF train without actually preparing for deployment. Local people oppose toe night training by the US Military but is is necessary because modern warfare is often fought at night. Night training is essential to maintain deterrence capability.
I don't think Article Nine of the Japanese Constitution should change. I doubt it will ever be changed. It would be bad for the United States if the Japanese Constitution was changed because Japan would not need the United States' Military. If the Japanese Constitution was changed the United States would not be able to use Japanese land to advance US interests. The high host nation support the Japanese government currently pays is beneficial to the US. We've got a very good deal in Japan.

ここに沖縄米軍基地の虚構性が述べられているが、強調部分に明らかなメア氏の、そして米国政府の本音に対してこそ日本のマスメディア、そして日本政府は真正面から立ち向かうべきであろう。



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