昨日(1月27日)の大阪国際女子マラソンでトラックの女王福士加代子選手がマラソン初挑戦ということなのでテレビで観戦した。と言ってもテレビをつけた時はスタートからもう10分以上経っており、早くも福士選手が後続グループから抜け出して独走体勢に入っていた。さすがトラックの女王は速いなと思ったが、福士選手がこれまで30キロ以上は走ったことがないからそこは未知の領域だ、と解説者が語っているのがなんだか不吉に聞こえた。その不吉な予感が当たり、30キロを過ぎる頃からは後続グループの追い上げが急になり、35キロあたりでマーラ・ヤマウチ選手が追い抜く時には力の差が歴然としていた。それからというものは次から次へと後続の選手に追い抜かれるばかりで、その凋落ぶりがあまりにも痛々しかった。
アップに映し出される福士選手の顔面からは滝のような汗で素人目にも異常である。足取りも覚束ない。そして、ついに転倒した。でも起きあがり走り始める。伴走の監督が目に入ったのでストップをかければいいのにと思ったが、とにかく転びながらも競技場に戻り着いた。もうヨタヨタである。トラックでもまた転ぶ、ところがアレッと思った。立ち上がる福士選手の顔がなんだかほころび加減なのである。またがくっと膝をつく。そして立ち上がる。今度は間違いなく笑っている。トラックに入って転倒したのは3回だっただろか、最後に起きあがるときは「私の足が自分の思うままに動いてくれないことがあるなんて、大発見。これは面白!」と完全に自分を突き放して見ている福士選手がいた。自分を冷静に凝視するこの乙女のなんて逞しく素晴らしいこと、と私は大記録樹立よりも遙かにこのドラマに心を動かされたのである。
7時からのNHKニュースでは白鵬と朝青龍一敗同士の優勝決定戦が素晴らしかった。朝青龍には期待を裏切られ続きであった。次から次へと出て来る日本人力士にバタバタと投げ飛ばされる、そのシーンを見たさに毎晩テレビをつけたと言ってもよい。二日目、稀勢の里に後ろに回られて土俵下に突き落とされたときはやんやと喝采した。ところが不快なことにその後は私の期待に逆らってずーっと勝ち続けて千秋楽の優勝決定戦になってしまったのである。私が祈りを込めたから朝青龍が負けたでは面白くないから、この時ばかりは雑念を払って取り組みを眺めた。正直なかなか見応えのある勝負であった。お互いに意地と意地の突っ張り合い、力相撲のすえ白鵬が朝青龍を豪快に上手投げで仕留めたのでとにかくホッとした。
それにしても2場所も本場所から離れていた朝青龍に、稀勢の里以外の日本人力士が誰一人として刃が立たなかったとはあまりにもふがいない。なんとかして強い日本人力士を育てないことには話にならない。そのためにはどうすればよいのか、私には温めている一つの考えがある。相撲界をタックス・ヘイブンとするのである。
勝ち名乗りを受けて懸賞金の入ったのし袋の束を鷲掴みにする。後はどう使おうと力士の思うがまま、と思いきや、これを申告しないと脱税になってしまうらしい。お小遣いを貰っただけだと思うのになんとみみっちい話である。「タニマチ」が贔屓の力士にずっしりとした札束を与える。「ごっつあんです」と頂いたらあとはどう使おうと力士の勝手ではないか。ところがこれも税金の対象になるらしい。土俵に金が埋まっているとは昔から言われてきたこと、たとえ僭称であれ「国技」の伝統を相撲協会が言い、また国もそれを認めるのなら土俵を巡っての金の動きには昔同様、鷹揚であるべきなのである。「アメ」を引っ込めて「ムチ」だけで「国技」を維持するとはなんとも片手落ちと言わざるをえない。「アメ」で釣ってこそ新弟子たちも激しいしごきにも耐えられると言うものである。日本力士強化策として力士の貰う金には一切税金をかけない。効き目抜群であると思うのだが。
夜に入り大阪府知事選挙の開票が始まって間もなく橋下徹候補の当選確実が報じられた。38歳、全国最年少知事の誕生である。この年齢だけでも橋下氏に大きな期待をかけることが出来ると私は思う。というのは私が38歳ぐらいの頃、当時耳に入ってきたある説に力づけられて大いに仕事に打ち込んだからである。人間の創造的な能力が知力・体力相まって最高レベルに達するのが38歳頃という説が広まっていて、その証拠に、状況に応じて的確な判断をし、迅速な行動力が必要とされるアメリカの宇宙飛行士の平均年齢が38歳だというのである。素直にその説を信じて世の中に怖いものなしと張り切って仕事に打ち込んだ記憶が今でも生々しい。それから30年以上経っているから、現在では活力が最高潮に達するには40歳を超えるぐらいになっているかもしれないが、それならますます橋下氏には都合がよい。
私が橋下氏を知ったのは多分「たかじん」の番組のレギュラーとして出ていたからであろうと思う。実は昨日も女子マラソンと「たかじんのそこまで言って委員会」を往き来しながら観ていたのである。橋下氏に行政経験があるわけではなし、政治には全くの素人同然と言っていいのだろうが、だからこそそこに強みもある。ある一つの問題についてその本質が何であるのか、それを健全な常識で見抜く能力さえ備わっておれば、その解決に向けての方策を見つけるには大阪府職員が力強い助っ人となり実行に当たっても強力な戦力となってくれるであろう。大阪府民の生活向上に自分の人生を賭ける不退転の決意がありそれが府民に伝われば必ず人はついてくるものである。
自治体に議会などは不要というのが私の持論である。橋下氏はすべてを府民に直接訴え、その支持を基盤に大胆に自分の信じる道を歩んで頂きたいと思う。勇み足を恐れずに大いに問題発言をし、大いにもめ事を起こし府政を府民に分かりやすく伝えて頂く。過ちを覚れば直ちに改める柔軟性さえあれば、勇み足は前進への着実な跳躍台となる。府民との意思疎通に欠かせない広報活動にも新機軸を持ち込んで頂きたいものである。日和見の関西経済連合会のおじさまなどにも籠絡されず獅子奮迅の活躍を期待したい。
福士加代子選手、白鵬関、橋下徹弁護士と若い人々の活力に酔わされた日曜日であった。
アップに映し出される福士選手の顔面からは滝のような汗で素人目にも異常である。足取りも覚束ない。そして、ついに転倒した。でも起きあがり走り始める。伴走の監督が目に入ったのでストップをかければいいのにと思ったが、とにかく転びながらも競技場に戻り着いた。もうヨタヨタである。トラックでもまた転ぶ、ところがアレッと思った。立ち上がる福士選手の顔がなんだかほころび加減なのである。またがくっと膝をつく。そして立ち上がる。今度は間違いなく笑っている。トラックに入って転倒したのは3回だっただろか、最後に起きあがるときは「私の足が自分の思うままに動いてくれないことがあるなんて、大発見。これは面白!」と完全に自分を突き放して見ている福士選手がいた。自分を冷静に凝視するこの乙女のなんて逞しく素晴らしいこと、と私は大記録樹立よりも遙かにこのドラマに心を動かされたのである。
7時からのNHKニュースでは白鵬と朝青龍一敗同士の優勝決定戦が素晴らしかった。朝青龍には期待を裏切られ続きであった。次から次へと出て来る日本人力士にバタバタと投げ飛ばされる、そのシーンを見たさに毎晩テレビをつけたと言ってもよい。二日目、稀勢の里に後ろに回られて土俵下に突き落とされたときはやんやと喝采した。ところが不快なことにその後は私の期待に逆らってずーっと勝ち続けて千秋楽の優勝決定戦になってしまったのである。私が祈りを込めたから朝青龍が負けたでは面白くないから、この時ばかりは雑念を払って取り組みを眺めた。正直なかなか見応えのある勝負であった。お互いに意地と意地の突っ張り合い、力相撲のすえ白鵬が朝青龍を豪快に上手投げで仕留めたのでとにかくホッとした。
それにしても2場所も本場所から離れていた朝青龍に、稀勢の里以外の日本人力士が誰一人として刃が立たなかったとはあまりにもふがいない。なんとかして強い日本人力士を育てないことには話にならない。そのためにはどうすればよいのか、私には温めている一つの考えがある。相撲界をタックス・ヘイブンとするのである。
勝ち名乗りを受けて懸賞金の入ったのし袋の束を鷲掴みにする。後はどう使おうと力士の思うがまま、と思いきや、これを申告しないと脱税になってしまうらしい。お小遣いを貰っただけだと思うのになんとみみっちい話である。「タニマチ」が贔屓の力士にずっしりとした札束を与える。「ごっつあんです」と頂いたらあとはどう使おうと力士の勝手ではないか。ところがこれも税金の対象になるらしい。土俵に金が埋まっているとは昔から言われてきたこと、たとえ僭称であれ「国技」の伝統を相撲協会が言い、また国もそれを認めるのなら土俵を巡っての金の動きには昔同様、鷹揚であるべきなのである。「アメ」を引っ込めて「ムチ」だけで「国技」を維持するとはなんとも片手落ちと言わざるをえない。「アメ」で釣ってこそ新弟子たちも激しいしごきにも耐えられると言うものである。日本力士強化策として力士の貰う金には一切税金をかけない。効き目抜群であると思うのだが。
夜に入り大阪府知事選挙の開票が始まって間もなく橋下徹候補の当選確実が報じられた。38歳、全国最年少知事の誕生である。この年齢だけでも橋下氏に大きな期待をかけることが出来ると私は思う。というのは私が38歳ぐらいの頃、当時耳に入ってきたある説に力づけられて大いに仕事に打ち込んだからである。人間の創造的な能力が知力・体力相まって最高レベルに達するのが38歳頃という説が広まっていて、その証拠に、状況に応じて的確な判断をし、迅速な行動力が必要とされるアメリカの宇宙飛行士の平均年齢が38歳だというのである。素直にその説を信じて世の中に怖いものなしと張り切って仕事に打ち込んだ記憶が今でも生々しい。それから30年以上経っているから、現在では活力が最高潮に達するには40歳を超えるぐらいになっているかもしれないが、それならますます橋下氏には都合がよい。
私が橋下氏を知ったのは多分「たかじん」の番組のレギュラーとして出ていたからであろうと思う。実は昨日も女子マラソンと「たかじんのそこまで言って委員会」を往き来しながら観ていたのである。橋下氏に行政経験があるわけではなし、政治には全くの素人同然と言っていいのだろうが、だからこそそこに強みもある。ある一つの問題についてその本質が何であるのか、それを健全な常識で見抜く能力さえ備わっておれば、その解決に向けての方策を見つけるには大阪府職員が力強い助っ人となり実行に当たっても強力な戦力となってくれるであろう。大阪府民の生活向上に自分の人生を賭ける不退転の決意がありそれが府民に伝われば必ず人はついてくるものである。
自治体に議会などは不要というのが私の持論である。橋下氏はすべてを府民に直接訴え、その支持を基盤に大胆に自分の信じる道を歩んで頂きたいと思う。勇み足を恐れずに大いに問題発言をし、大いにもめ事を起こし府政を府民に分かりやすく伝えて頂く。過ちを覚れば直ちに改める柔軟性さえあれば、勇み足は前進への着実な跳躍台となる。府民との意思疎通に欠かせない広報活動にも新機軸を持ち込んで頂きたいものである。日和見の関西経済連合会のおじさまなどにも籠絡されず獅子奮迅の活躍を期待したい。
福士加代子選手、白鵬関、橋下徹弁護士と若い人々の活力に酔わされた日曜日であった。