日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

八ッ場(やんば)ダム 「アニメの殿堂」

2009-09-23 11:10:40 | 社会・政治
第三者的にみると、今の政治は確かに面白い。「八ッ場(やんば)ダム」や「アニメの殿堂」の帰趨がそうである。八ッ場ダム問題では読売新聞が次のように伝えている。

八ッ場中止方針堅持
地元要望に応えず  国交相回答住民の怒りに火

 「来るなら中止ありきでなく白紙で」――前原国土交通相が建設中止を表明した八ッ場ダム(長野原町)。前原国交相の視察を23日に控え、ダム建設推進を求める住民の思いは、またも届かなかった。

 長野原町などが19日に送った要請書に対し、前原国交相が21日に出した「コメント」と題する文書は、〈1〉建設中止の方針は変わらない〈2〉しかしながら、中止には地元や関係都県、利水者などとの合意形成が不可欠〈3〉じっくりと話し合う姿勢を堅持し、現在実施している生活再建事業は中断しない〈4〉理解を得るまでは、基本計画の廃止に関する法律上の手続きを始めない――の4項目からなる。
(2009年9月22日 読売新聞)

『〈1〉建設中止の方針は変わらない』の建設中止の対象はまだ始まっていない「ダム本体の着工」のことであろうか。というのも一方ではダム湖ををまたぐ高速道路とか、移転住民のための用地造成がすでに進んでいるからである。このように前原国交相のコメントの文言一つ一つについて、その内容を正確に掴む必要があるが、『〈1〉建設中止の方針は変わらない』は民主党のマニフェストを実行しますと大見得を切ったことでは格好がよいし、『〈4〉理解を得るまでは、基本計画の廃止に関する法律上の手続きを始めない』というのも民意尊重を宣言しているのだからこれもまた格好がよい。格好のよいもの同士、どのように折り合いをつけるのだろう。下手をすれば予算をストップさせて建設中止強硬断行と言うことにもなりかねない。〈4〉での前原国交相の采配のふるいように注目してみよう。

文部科学省ではさっそく川端達夫文部科学相と官僚との間のせめぎ合いが始まった。asahi.comはこう伝える。

 川端文科相と同省の副大臣、政務官の5人は同日、前政権のもとで今春成立した補正予算を見直すため、省内でヒアリングを実施。官僚側は同省関係の約1兆3千億円のうち、1761億円が削減可能との報告をまとめ、川端文科相らに示した。しかし、その中には、117億円の建設費がついたメディア芸術総合センターの中止は入っていなかった。

 これに対し、川端文科相は、ヒアリング終了後の記者会見で同センターについて「ハコモノを作るのはやめるのか」と見解をただされ、「はい」と明言。振興策を検討し直すよう指示したことを明らかにした。23日にもヒアリングを実施し、再度議論する考えだ。
(asahi.com 2009年9月23日3時2分)

官僚側が示した見直し額1761億円は、同省の補正予算総額の13%にしか過ぎず、このなかには民主党が「無駄遣いの象徴」と批判してきた国立メディア芸術総合センターの中止は入っていない。これで文部科学官僚の大臣への忠誠度は極めて低いことが明らかになったと言える。一方、川端文科相は40%を超える執行凍結額をまとめ上げてこそ省内、閣内における評価が確立すると言うものだ。どれだけ指導力を発揮するのか、これもまた展開が面白い。