日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

豊岡のバッグ 天橋立のあさりうどん

2009-09-16 18:03:16 | 旅行・ぶらぶら歩き
前日の大雨とうってかわりとても気持ちのよい秋晴れになったので、日曜日の朝、はやばやと家を出て、物好きにも豊岡の鞄屋巡りに出かけた。つい最近、梅田の大阪第1ビルの地下にある小さな店のショーウインドーに、店主のこだわりを感じさせる鞄が並べられていたので眺めていると、店員さんに声をかけられ、話をしているうちにショルダーバッグについ手が伸びた。厚みを感じさせない帆布製の頭陀袋のようなもので、気軽になんでもほうりこめる。それでいてA4サイズのフォルダーや500mlのペットボトルも難なく入るので気に入り買ってしまった。豊岡の製品と言うことだったので、豊岡に行けばもっといろいろと見られそうに思い飛び出したのである。

六甲北道路から中国自動車道に入り、舞鶴若狭自動車道、北近畿豊岡自動車道、そして一般道を乗り継いで豊岡に到着、JR豊岡駅横の有料駐車場に車を駐めて街の散策に出かけた。まずは腹ごしらえ。駅にある案内所で教えて貰った店で海鮮どんぶりと岩がきが美味しそうだったので欲張ってそれも注文、うん、美味しかった!



豊岡駅から大開通りという商店街が東へ1キロほど延びているが、日曜日とあってか店のほとんどが閉まっており、実に閑散としている。小泉郵政改革で地方が疲弊したそうであるが、この様子を見るとそれよりも遙かに以前からこのような状態であったのではなかろうか、と思った。ほぼ突き当たりで南北に走る「カバンストリート」と交差する。このストリートには確かに鞄屋が点在しているが、私のような日曜日に訪れる客はお呼びでない、とばかりに半分は店を閉めていた。まだ雪に埋もれる季節ではないのになんとも活気が感じられない。

一軒、どうも見覚えがあるバッグを飾っている店があったので入ってみた。見覚えがあるのも道理、三宮センター街にあるナガサワ文具店に麗々しく展示されているバッグ類の製造元兼店舗だったのである。店の人と話をしている間にも、2階からミシンの音が聞こえてきた。ちょっと気になるデザインのバッグを手にとって子細に点検する。撥水性のクロスに革がなかなか上質で、縫製も丁寧でまさに芸術品。手提げがついているがリュックにもなる。腕の力が衰えてきたときに出番かな、ととみこうみしていると、女性店員にナガサワ文具店に置いている品物よりこちらの方が材料の関係で4000円ほど高いけれど、同じ値段にしますと囁かれて、あえなく陥落してしまった。家に帰って眺めてみると、こんなのを背負っていると女の子に見えるのではないかと気になりだす。


このまま一路帰るにはまだ時間が早いので、何十年ぶりかに天橋立に寄ることにした。駐車場に車を駐めると、5時までには車を出してくれと言う。1時間少々に1000円とは高いと思ったが、地域振興に協力する。駐車場から二、三分のところにある回旋橋を渡ろうとすると、折しも橋が回り始めてその手前で待つことになった。そして目の前を大型の船が通って行く。これが実は思いがけない出会いであった。



松原をしばらく歩くと与謝野寛・晶子夫妻の歌碑があった。

   人おして 回旋橋のひらく時
           くろ雲うごく 天橋立

と晶子が昭和5年に歌った歌が刻まれている。その頃は人手でどのようにしてあの橋を回していたのだろうか。動力は違っても橋の動く瞬間に立ち会えたことがなによりの収穫に思えた。



回旋橋の先の石橋のたもとにある茶店に「あさりうどん」の張り紙があるのが目につき、帰りつくまでにまだ2時間はかかるので、ちょっと虫押さえに。思いの外美味しかった。

京都縦貫自動車道をお使いください、というような標示が出ていたので宮津天橋立ICより入る。綾部JCTで舞鶴若狭自動車道につながるから中国道の神戸三田まで1000円で行けると思ったのに、出るときに1750円と告げられた。途中で高速道を出たことはないのに何とも不思議、どうも分からない。それでも天橋立を出て2時間ほどで家に辿り着いたからよしとする。