日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

原子力発電所を頑丈に作りすぎるとどうなるのだろう

2007-08-29 12:24:06 | Weblog
裏の擁壁工事の進み具合を眺めるのがこの一月ほど楽しみだったが、一段落した模様である。擁壁は完成して土ももとに戻された。その過程の記録である。


擁壁外側の枠板とその内側の鉄筋作り(8月4日)



擁壁内側の枠板(8月5日)



足場を組んでコンクリートの流し込み(8月8日)



枠板を取り除いてコンクリート壁の出来上がり(8月10日)


 

コンクリート壁の内側に割石を一つ一つ人手で積み上げる。(8月20日)



割石のレベルまで土を戻すと、さらに割石をコンクリート壁に沿って積み上げた。(8月21日)



ほぼ出来上がり(8月24日)その後、さらに土を増やした。


取り壊した古い擁壁はほとんどがコンクリートで、申し訳程度に縦方向の鉄筋がちょろちょろと顔をのぞかせていた。それに較べると新しい擁壁の鉄筋量は段違いである。神戸市基準というのがあって、それに従っているとのことである。工事の人が「これだけ頑丈だと、今度壊すときが大変ですよ」と云っていた。

それで連想したのが原子力発電所である。柏崎刈羽原子力発電所の耐震強度への疑念から、現存の原発の補強に始まり今後ますます堅固な原発の建設ということになるのだろうが、そんな頑丈なものを作ってその先がどうなるのだろう。

私が1971年、アメリカニューヨーク州オルバニーに一時住んでいた頃、週末になると必ずドライブに出かけたが、私の好きなルートの一つがMohawk Trailと呼ばれている沿線が実に風光明媚なルート2であった。そのルート沿いにあるYankee Rowe Nuclear Power Stationという原子力発電所を訪れて見学したことがある。アメリカでは3番目、ニューイングランドでは最初の商用原子力発電所で、1960年に稼働をはじめたが32年後の1992年には完全に稼働を停止している。その後の運命がどうなったのか知らないが、原発の施設もそのまま『凍結』されてしまったのだろうか。

日本の原子力発電所も耐用年数がくれば、いずれは稼働を終える日が来るに違いない。頑丈に作れば作るほど壊すのに費用がかかりすぎて、その頃の日本の体力では放置するより仕方がなくなるのかもしれない。どのような見通しをそれぞれの電力会社が持っているのだろうか、知りたくなった。

Yankee Rowe原発のように山中に作られたものはいずれ樹木に覆われ埋没していくのだろうか。それに引き替え日本の原発は海岸沿いの景色のよいところに作られているようだ。100年後にはどのような姿になっているのだろうか。これが姫路城やノイシュバインシュタイン城のようなものならいくら古くなっても環境客を呼べるが、朽ち果てた原発ではそうもなるまい。

頑丈に作りすぎたものの付けがどう廻ってくるのか、なんとなく気にかかる。