日々是好日

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次期防衛大臣は石波茂氏がいい

2007-08-19 10:55:19 | Weblog
今回の防衛省事務次官問題でふだん表に出ないことが国民の眼に曝された。

政治主導で大臣が人事権を行使するさいに、官僚の抵抗を排除するためにも官邸に設けられたのが正副官房長官が構成する人事検討会議だそうである。各省次官人事もここで決定される仕組みとか。すでに大臣経験者の小池防衛相は当然この仕組みをご存じであろうに、このたびは何故この手順を踏まなかったのだろう。在任5年に及ぶ守谷次官を更迭するのが目的であれば、もし守谷次官の抵抗があったとしても、小池大臣が初志を貫徹するのに人事検討会議の存在は力強い味方の筈である。それなのに通常の手続きを踏まなかったばかりに、人事検討会議を経ずに次官人事を決定したことは正規の事務手続きに反するとして、こともあろうにターゲットである守谷次官から反撃されたのだから、これは小池防衛相の失態としか云いようがない。大臣としての面目丸つぶれである。

人事検討会議に次官人事を案件としてあげる前提として、小池大臣は守谷次官に先ず退任を申し渡し、事務手続きを進めるべく指示を与えるべきであった。それが人を遇する道である。理由は何であれそれを怠った小池大臣は《臆病というのでなければ卑怯である》

この件を巡って小池防衛相と守谷次官とのやり取りが面白い。nikkansports.comはこう伝える。先ず小池氏の言い分。

《人事構想を伝えようと6日夜、守屋氏の携帯電話を2度鳴らしたが、コールバックは7日朝だったと指摘。(中略)小池氏は「携帯に夜電話しても返事が翌朝というのは、危機管理上どうか」と述べ、「新聞を見て驚いたというが、私は連絡を取ろうとしていた」と批判した。》(2007年8月16日7時28分 紙面から、以下同じ)

いざと云うときに防衛大臣と事務次官との間で連絡がとれない、このお粗末には恐れ入った。小池大臣が云ったとか伝えられる「危機管理上どうか」という人ごとにしてよい問題ではない。そしてここでいろんな疑問がわき上がる。

ここで使われた携帯電話は絶対に盗聴される恐れのない内閣特別仕様なのだろうと、Dan Brown大好きの私は勝手に思っているが、たとえそうであっても連絡の具体的手段を防衛大臣たる者が軽々しく口にすべきでない、と「壁に耳あり障子に目あり」と防諜教育を受けた元『軍国少年』は思う。

といいながら詮索したくなるのが人の常、携帯電話が通じなければ直通の赤電話か何かを何故使わないのだろう。それより一体全体、緊急事態に防衛省の連絡手段がどのように機能するのか、そちらの疑問が大きくなってしまった。

次に守谷氏の言い分。

《「大臣から電話をいただき、2度つながらなかったことはあるが、その都度折り返している」と述べ、電話に出なかったのは小池氏と言わんばかり。》

「その都度折り返している」の先はどうなったのか、これを聞き出して伝えるのが報道の役割だろう。小池氏から電話があって守谷氏はなぜすぐに電話に出なかったのだろう。通話相手が小池氏であることがディスプレイに出ているからいったん無視して、それからおもむろに電話をかけ直したのだろうか。小池氏は受け取ったのだろうか、そして出たのか無視したのか。実はそんなことはどうでもいい。こういう『痴話げんか?』めいたやりとりを、マスメディアに公開するこの無神経な小池・守谷両氏が防衛省のトップであることに今更ながら唖然とした。

守谷氏の退任は決定したとのこと、当然である。いかなる事情であれ政治主導の人事に異を唱えたとあっては去っていただくしかほかに道はない。

国家公務員人件費の4割を消費する大自衛隊を率いる防衛大臣として、その器量不足をさらけ出した小池氏もさらばである。そこで私の好みの次期防衛大臣は石波茂氏であるが、安倍首相の面前でご本人に一度退くよう献言した以上、三顧の礼を尽くされても受諾するかどうかは微妙であろう。「云うことはしっかりしているが、目が据わるのが怖い」と妻は云っているが、これは『威』に転じればよい。