日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

五十歳年上の女性と歌う「埴生の宿」

2006-06-10 10:29:51 | My Song
里見 義作詞、ビショップ作曲「埴生の宿」は明治二十二(1889)年の「中等唱歌集」に掲載されている。

♪埴生(はにゅう)の宿も わが宿
 玉のよそい うらやまじ
 のどかなりや 春の空
 花はあるじ 鳥は友
 おーわが宿よ たのしとも たのもしや

 書(ふみ)よむ窓も わが窓
 瑠璃(るり)の床(ゆか)も うらやまじ
 清らなりや 秋の夜半
 月はあるじ むしは友
 おーわが窓よ たのしとも たのもしや

女学校で習ったのだろう、母が口ずさむのを聴いたことがある。原詩にある「be it ever so humble, there's no place like home」という歌詞などは「手鍋を下げてでも」の時代にノスタルジアを覚える私の心にいまでも生きている。しかし何かがあれば『家庭崩壊』が取り沙汰される昨今、映画「ビルマの竪琴」のなかで歌われた曲として記憶されている方がほとんどではなかろうか。

この「埴生の宿」を『マダム・バタフライ』三浦環が歌っている。存命なら私より五十歳は年長であるが、録音したときは四十八歳で私はまだ生まれていなかった。けれど今の私より二十歳は若い。昨日に引き続き、ふたたび世界的プリマに相手になっていただいた。幸せなことである。『時代』がかった歌い方も面白かった。二番の「おーわが窓よ」を一番と同じく「おーわが宿よ」と歌っているところはご愛敬である。

『共演』してそれなりに感じたことがあるので、私なりの『三浦環 観』をまた述べてみようと思う。