「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「白丁花」

2006-06-14 00:01:40 | 和歌

 「白丁花・はくちょうげ」が、相変わらず可憐な花を咲かせている。

 花時を迎えてもうかれこれ、一ヶ月ほどにもなるであろうか。長いこと花を咲かせるが、萎れうらぶれた姿を晒さないのは、白丁花の矜持であろうか。

 白丁花は生垣などにも使われるが、背丈はそれ程高くはならないようだ。花自体の大きさも一センチ足らずゆえ、どちらかと言えば控えめな花だ。ところが、傍によって丁寧に観察すると、花びらのフリルといい、仄かなピンクの放射線といい、莟みの先端の色合いも、中々にオシャレな白丁花だ。しかも高貴な香りも素晴らしい。

 お付き合い願っている知人にも、色々な方がおられる。一見地味で目立たないが、親しくお付き合いを重ねるうちに、人間味豊かなお人柄が「じわーっと」滲み出てくる友人がいるが、白丁花は何やらそんな花なのかもしれない。






             道行けば何やら床しき香りして

             ふと気がつけば白丁花かも
  


             目立たずも けわい整えひそやかに
  
             身を整えるは君が矜持か
  


             花なればやがて萎れるさだめにも
  
             うらぶる姿を晒さぬきみかも