近くの公園に、「米粒詰草」が小さな黄色の花を付けて、一面に広がっている。
米粒とはよく言ったものだ。ほんの小さな花が固まって咲くが、一つ一つの花の塊の直径が、五ミリ程度の可憐な花だ。子供達は、この花の筵の上にネッコロガッタリ、ジャレ合ったりして踏みつけているが、米粒詰草はそれが当然と言う風情で、平然と受け止めている。
子供の頃のことを思い出してみると、子供の記憶ゆえ当てになる筈もないが、信州の田舎には、この花は見かけた記憶がない。ひょっとすると、海外から渡来した品種かもしれない。
子供達にならって、虚庵居士も「こめつぶつめくさ」の花の筵に、手足を伸ばして寝そべって、暫しの「まどろみ」を堪能させてもらった。
子供らに真似て寝ころぶ草原は
ほのかな香りの夢幻なるかな
寝転べばこめつぶつめくさ拡がりて
たんぽぽタワーの高きを見るかな
草原にまどろみおれば子供らの
じゃれ合う声もかすかになりぬ