「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「こひるがお」

2006-06-08 18:13:15 | 和歌

 小昼顔が、清楚に咲いていた。

 「うつろ庵」と同じ町内に、竹枝垣を設えているお宅があるが、竹枝垣が古びて何とも居えぬ風情を醸している。このお宅は、別荘代わりにここを使っておられて、時々しか住人にはお眼にかかれない。普段は東京にお住まいのようだ。殆ど留守をされているので、当然のことではあるが、建物や、庭木などの手入れも侭ならないようにお見受けしてきた。果たして今年は竹枝垣に小昼顔が絡んで、花を咲かせた。  

 無責任な傍観者としては、小昼顔が絡んだ古びた竹枝垣は、この上ない初夏の情景で、このお宅の前を通る度に、楽しませてもらっている。

 願わくば、たまの滞在の折に、雑草と一緒に引き抜かないで欲しいものだ。






             頬紅を薄くはたくや小昼顔の
  
             花咲きにけり竹枝垣にも  



             何故ならむ浴衣の乙女の立ち姿に 
 
             思い重なるこひるがお哉  
 

 
             団扇絵に描き写して贈らむか

             孫の乳呑み児 持つ手を夢見て