「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「昼咲き月見草」

2006-06-07 01:15:44 | 和歌

 可憐な「昼咲き月見草」が、寄りそって風に揺れていた。

 この花は、繁殖力が旺盛とみえて、最近とみにあちこちで見かけるようになった。
月見草・大待宵草の仲間らしいが、元来、野の花は「種の保存の原理」に則り、逞しくなければ生き残れない。特に人間界との接点でも生き永らえるには、逞しさのみではなく、それなりに人間様に訴えるものが必要だ。人間社会に気に入られなければ、単なる雑草として人為的に淘汰されるのが宿命だ。

 ところで虚庵氏は、人間社会に受け入れられて来たのであろうか? リタイヤという現実は、人為的に淘汰され、自らそれを受け入れた結果なのではないのか?
「昼咲き月見草」が生き永らえ、人間界に受け入れられているのは、「可憐な花」を咲かせ続ける、魅力のなせる業と言えよう。

 このお宅のフェンスも、手入れなどせずに放置されているが、「昼咲き月見草」は放置してくれる環境を見定めて、根を下ろしているのであろうか。






             四姉妹の寄り添いて咲く昼咲きの
  
             月見草かも ひとえの衣で
  


             おぼろなる月影のもと相見むと
  
             誓いしをみなの風情を湛えて
  


             野の花の宅地に咲くは住み人も

             いと惜しきとぞ 思ほしめせか