「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「ブーゲンビリア」 

2006-06-27 01:07:10 | 和歌


 今年もまた「ブーゲンビリア」が、鮮やかなピンクの苞を広げて、目を愉しませてくれる季節になった。

 かつて「うつろ庵」の玄関先にも一株植えてあって、背丈もかなり高く生長して沢山花を付けた。何も知らない当初は、ピンクに開いた部分が花だと思い込んでいたが、暫らくすると、なかに筒花が咲いて、「おやおや」となった次第である。ものの本によると、フランス戦艦がソロモン諸島から持ち帰って拡がったという。想像であるが、若い士官と現地の乙女の熱い恋物語が秘められていたのであろうか。時の艦長の名前が、ブーゲンビリアだった。

 花時を終えて剪定する際には、大きな棘がアチコチにあって、時には腕や手に痛い思いをしたものだった。ご近所のオバちゃんから、「トゲのある庭木は、娘さんが縁遠くなると言うわよ」とのご忠告もあって、「うつろ庵」の庭から消えて久しい。

 それから何年かして、娘は結婚してニューヨークに根を下ろした。ブーゲンビリアを撤去した効果であろうか、トンでもなく遠くへ縁付いてしまったが・・・。


             色の名にその名をとどめる花あれど
 
             この色こそは ブーゲンビリア ! 







             みんなみの島乙女かも命かくる
 
             熱き想いは花と棘に 



             小さくも内に擁けるひたすらの

             花の想いを君知りたまふかや