「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「風蝶草」

2006-06-20 05:59:23 | 和歌

 昨年、ご近所の「おばあちゃま」に頂いた風蝶草が咲いた。

 おばあちゃまの庭に咲いていた、いや殆ど咲き終わって、長い髭に萎れた花びらが纏わり付いた「異形の花」を見て、花の名前を教えて貰ったのが、おばあちゃまとの馴れ初め。その時もお話し好きなおばあちゃまは、中々お話が止まらなかった。

 その日の夕暮れ近くになって、おばあちゃまが「風蝶草・クレオネ」と「姫檜扇・ひめひおうぎ」を持って来て下さった。夕暮れの門べでも、お話をたっぷりと愉しんでお帰りになった。その時の風蝶草のこぼれ種が育って、花を咲かせてくれた。

 昨日、おばあちゃまは通りすがりに「あら、咲いたわね」とひと言だけ声を掛けて行過ぎた。「姫檜扇はいかが?」とのひと言が無くて、虚庵居士はほっとした。「姫檜扇」は鉢植えの手入れが不十分だので、枯れてしまったかと心配したが、辛うじて芽を出したものの花を付けなかったからだ。         

 クレオネが、微かな風に揺れていた・・・。






             おばあちゃまの風蝶草ぞ咲きにけり
  
             「あら 咲いたわね」の ひと声涼やか 
 


             とまらないお話しどこまで続くやら
  
             花に始まり孫のことども  



             今日昨日おとといの花それぞれに 
 
             表情豊かなクレオネ揺れいて