早朝、車で自宅を出て、ゴルフ場近くの休耕地にさしかかったら、ポピーが咲き乱れていた。
広い畑に作物も作らず、休耕地となって久しいが、今年は一面にポピーの種を蒔いたのであろう、いろいろの芥子の花を咲かせて、ご丁寧にも「やすらぎの里」と書いた看板が立てられていた。畑の持ち主の気持ちに応えて、スタートの時間が迫ってはいたが、ポピーの花を写した。
蜜蜂の巣箱が近くにあるのであろうか、夥しい数の蜜蜂が、花芯に実を摺り寄せて、花蜜を吸っていた。花蜜だけでは足りないのであろうか、虚庵居士にも盛んに迫って来て、刺されはせぬかとヒヤヒヤであった。
虞美人草とスギナと、名も知らぬ雑草に、未だタップリの朝露が光っていた。
迫り来るスタート時間を気にしつつ
朝露踏んで芥子を写しぬ
耕さぬ畑を羞じるや地主さまの
虞美人草を咲かせる心は
玉光る朝露の野に踏み入らば
しとど濡れにし膝下までもが