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映画、しあわせはどこにある

 ショーンコネリーは007。ハリソン・フォードだとインディ・ジョーンズか。

 俳優と役柄とはかなり密接な関係にある。俳優に対するイメージが、彼らの演じた役によって固定されてしまうことがある。

 そういう意味で、この映画「しあわせはどこにある」にロザムンド・パイクを起用したのは少々問題があるのではないか。



 ロザムンド・パイクといえばあの「ゴーン・ガール」で強烈な印象を残した女優。潜在意識の中で、いつ彼女は本性をむき出しにするのだろうと思いながら見ていたのだが、何事も無く映画は終わってしまう。

 この映画は精神科の医師の書いたベストセラー小説を映画化したもの。主人公も精神科医で、幸せを求める患者達と接する中で、いったい幸せとはなんだろうと疑問を持ち始める。

 結局彼は中国、チベット、アフリカなどを巡る旅に出ることになる。その彼が精神的に成長していくというロードムービーだから、定番のストーリーで安心して見ていられるはずが、奥さん役がロザムンド・パイクということで、きっと驚愕のラストシーンがあると思っていたのに、、、

 幸福を求めて旅に出た主人公が結局幸せになるという「幸福の追求が不幸の源泉」という絶対的真理へのアンチテーゼのようなこの映画、実生活とは違うなあという消化不良感も少々残った。

 それに、最後のエピソードである脳波解析はいけません。作者の精神科医師としてはやりたかったのだろうが、役者の演技で表現して欲しかったエピソードだ。事実に基づく映画や有名な原作のある映画を面白く作ることはなかなか難しいのだろうな、と感じた映画であった。




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