■ハノイ開発研究会の勉強会で大使館勤務の幡野徹一等書記官の話が面白かった。日越治安当局の協力関係の説明だが政治機構や人事にも触れていてなかなか微妙な話しも聞けた。
特に興味があったのがベトナム共産党の影響力や情報・監視活動。上層部に公安出身者が多いということから情報監視活動が厳しいのではないかというような考えは憶測の域を出ないだろうという結論。体制が違っても総合的にはうまくいっているようだ。しかし三権分立がなく裁判の独立がないことや、裁判の開始時間の長さなどの違いで最近の事件で日本でベトナム女性が殺され裁判開始が遅れているとの誤解からベトナムで日本の司法制度の誤った非難がネットで拡散し緊張状態が続いたことの紹介などがあった。
在留孤児の話をした小松みゆきさんも僕の隣に座っておられてジャーナリストの彼女にずっと監視がついていたがようやくその監視員も退職して挨拶に来たという話もあった。体制がちがえば当然のことで逆にいつも安全を確保できているということでもあって柔軟な思考が必要とされる。
しかし、日本人の中には困った人がいることも確か。パスポートを紛失し出国許可を大使館に申請しておきながら、出国時に許可証をとりに現れず係員にわいろを渡して帰国してしまった人がいたそうだ。二股をかけられて面子丸つぶれの大使館としては今後の二国間の信用問題として悪影響をおよぼすこのような日本人には我慢できない事情はよくわかる。
社会主義国での仕事の上で問題になるのは上層部とのコネクションというより非常に強い縦割り組織にありそうだ。他の組織間の人の移動がなく、下部の組織が特にその傾向が強いようだ。どうしたらいいかという質問には自分で歩いて各部署で話をつける他ない、ということだろう。
この勉強会には周さんの旦那さんの川崎君も誘ったら会社の人と同伴して聞きに来てくれていた。
とにかく日越関係は今が1番良い時代を迎えている。
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