くまぐー日記

くまさんの電脳室リポート

西鋭夫の新説・明治維新

2019年02月03日 | Weblog

■スタンフォード大フーバー研究所のただ一人の日本人教授の画期的な「明治維新」が今は500円で読めるというのでネットで注文してビデオをダウンロードして聞いてみた。とても面白いし、アヘン戦争からの英国と国際的武器商人の世界戦略から説き起こす流れは僕好みの歴史観かもしれないが「金の流れを追う」といういかにもアメリカ的手法に納得するものがあった。同時に、結構右翼に間違えられそうな危なっかしい論説でもあるなと感じ、著者もその辺は十分承知の上で書いているらしい感じを受けた。

ネットで調べるとなるほど、これは高校生でも常識的なことをさも新説のように根拠もなく膨らませた自慢屋の空想だ。みたいな批判めいた投稿が目に付く。要は、スタンフォード大とフ-バー研究所は関係ないし、彼は研究所の研究員(フェロー)に過ぎず教授でもなんでもない、、そんな人の言うことは信用できない、、みたいな話だ。しかしワシントン大で歴史学やら教育学やらの博士号を持ち、日本の色んな大学で教授を務めていたようだし、信じられないような数値があっても、それは正確だという投稿もあり、とても賑やか。

西本人に言わせれば、とにかく読んでから言ってくれ、読まずに批判するような歴史教育を俺は批判しているんじゃないか!とでも反論しそうな感じだが、興味ある反論もあった。薩長と武器商人グラバーがを通じて英国と繋がると同時に幕府は仏米と繋がり南北戦争の余剰兵器の処理を画策していたのは高校生でも知っている常識だ、、、と言った投稿には僕もびっくり。西が説くのは前半で、後半の幕府側の背景など全く知らない、、がすごい仮説?、、常識?、、でも面白い。

歴史は事実に基づく空想だからそれに歴史観と名付けて格好つけてもつけなくても色々あると楽しい。それを特定の歴史観で現実の出来事をああだこうだという方が偏狭で意固地な考えだと思う。はからずもネット批判からそんな感じを受けた。

西のような思想家というかユニークな学究が僕の知るなかでも1人いたな。何とかリング診断法で自分に効く薬かどうかを一瞬にして判別する方法などを説いた、、日本では誰もが異端視するなか僕がNY時代にコロンビア大学で研究生活を送っていたことを偶然に知り、感銘をうけたことを思い出した。本人というより、米国の研究機関での許容力の広さを、、。西が言う、日本のノーベル賞受賞者は全員、米国の教育機関での研究で受賞している、というのを僕は身近に見聞きした経験から西の論法を楽しめる。

僕もCIAを作ったフーバー大統領のフーバー研究所が共和党のブレーンであることは知っているし、そのために非公開公文書を含む国際政治情報に接近しやすいという利点を使った研究だと理解できるので情報内容の判断に不安はない。

幾つか彼のレポートをUチューブで見たが皆独自の切り口で面白い。よく出てくる勝兵会というのは右翼関係かもしれないが、たとえば今のトランプ大統領の最大の強みは自分の金で選挙しているからだということは納得できる。ロスチャイルドはナポレオンとイギリスに金を貸して二股をかけ戦争で大金持ちになったこと。財閥は財産の散逸を防ぐため自由な結婚を認めないこと(だからロミオとジュリエットなのだ)坂本龍馬はフリーメイソンだったか?というよりフリーメイソンが国際戦争ビジネスで生き延びてきた秘密結社だと想像させるような語り口だったり、、、。面白い、、カネのながれに比例する米国文化・社会構造を論じながらカネに比例しない日本人観を打ち立てようと思わせるようなところも興味あり。面白い論客だと思う。

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