30坪+20坪の菜園

BIG FARMの農事日誌です。

谷川連峰主脈縦走ー巌剛新道~谷川岳~仙ノ倉山~平標山(2)

2016-10-19 | 登山

 
仙ノ倉山頂。ここで縦走の3分の2。やっとひと安心といいたいが、だいぶ疲れている


←10月14日(金)(1日目)から続く

[2日目]肩の小屋から万太郎山、仙ノ倉山、平標山を経て平標登山口バス停までの主脈を歩く。
 10月15日(土)  肩の小屋6:10ー7:05オジカ沢ノ頭ー8:25大障子ノ頭ー9:17万太郎山9:35ー110:20毛越乗越ー11:32エビス大黒ノ頭ー12:00エビス避難小屋12:15-12:50仙ノ倉山13:25ー14:10平標山14:23ー14:55平標山の家15:10-16:30平標登山口17:15(バス600円)=越後湯沢駅18:12(新幹線)=上野駅=20:26我孫子駅 


山旅2日目は主脈縦走の本番の日。この日も秋晴れ。心配は体力だけとなった。年寄りのわたくしは幸いにしていまだガイドブックのコースタイム通りに歩ける。それを参考にしてコースを3つに分けた。行動時間は10時間。1)肩の小屋から万太郎山まで3時間 2)万太郎山から仙ノ倉山まで3時間 3)仙ノ倉山から平標登山口バス停まで3時間、あわせて9時間、残り1時間が休憩時間になるーそんな予定で歩くことにした。敵は弱気である。体調はけっしてよくはなかったが故障することなく最後までこの時間割で歩き通せた。

これまでの経験では1日の行動時間が10時間を超えることはよくある。身構えるほどではない。しかしこの縦走路はアップダウが激しい。過去のことはすでに記憶にないから、今回歩いてみてこれほどまでとは思ってもみなかった。

5時起床。すぐに外に出て様子を見る。それほど寒くはない。登山道には霜が降りて、いちぶ霜柱が立っている。この程度ならまったく問題はないだろう。ごはんを2膳お代わり。朝ご飯はたっぷりいただく。

5時58分に日の出。肌寒いから一枚重ね着しようかと考えていたが、お日様が出たのでやめた。すぐに暖かくなるはずだ。


6時10分出発。朝日を浴びて左に俎嵓、右に目指すオジカ沢ノ頭。すがすがしい。同宿したソロの女性がすぐに後ろからやってくる。昨年も同じ時期にこの主脈を歩いたという。すぐに追い抜かれるだろうと思っていたが、最後まで前後して歩いた。おかげで予定のタイムをきちんと刻むことができた。最後に別れるときにそうお礼を言った。

ところどころ霜柱。


ササには霜が降りていた。



俎嵓が近くに見えるようになった。あいかわらずかっこいい。


この主脈縦走路は技術的には特に難しいところはない。あえて挙げればここオジカ沢ノ頭までの道。まだ出発したばかりで体が慣れていないから慎重にいく。



オジカ沢ノ頭の鎖場。切り立った岩場だ。

1時間ほどでオジカ沢ノ頭。
若い男性がすぐに来た。肩の小屋で一緒ではなかった。となると土合から朝早く登って来たのだろう。この縦走路を一日で歩く人を少なからず見かける。土合に車を置き、朝の3時から4時ごろに出て西黒尾根を経てこの縦走路に入る。平標登山口15時55分のバスに間に合うよう歩く。越後湯沢駅から在来線で土合駅に戻り車を回収する。

彼らはびっくりするほど速い。瞬く間に離れてすぐに姿が見えなくなる。ジジイになったいま、そんな芸当はできない。ただただ感心してしまう。

次に目指す万太郎山が目の前に。

オジカ沢ノ頭を下るとオジカ避難小屋。内部を見ると床が湾曲している。定員3人というがどう寝るのだろうか。いざとなったらぜいたくは言えないが、できたらパスしたい。

 小障子ノ頭。

小障子ノ頭を少し進むと万太郎山との鞍部に大障子避難小屋が見えてくる。

その内部。この縦走路でも最も大きい。定員は7人。先ほどよりこちらのほうがずっといい。水場がある。小屋手前、左手に笹原の中に沢への細い道が確認できた。帰りのバスでここで水を補給したという人に出会った。10分ほどかかるという。

ここから大障子ノ頭への登り。このあたりが一番きつく感じた。縦走だからアップダウンは当たり前だが、勾配がかなり急だ。脚への負担がすごいなと感じる。

大障子ノ頭。


大障子ノ頭からの下りに、危険ではないが厭らしい岩場が2カ所。だいぶ足が重くなった。こんどは万太郎山への登りに。この先が思いやられる。一歩一歩呼吸に合わせて登るほかない。万太郎山手前の吾策新道分岐。調子が悪ければここをエスケープルートに考えていた。ここを過ぎれば先に進むだけである。

すぐに万太郎山についた。予定通り肩の小屋から3時間できた。決して遅くはない。ここで大休止といいたいがゆっくりもできない。目の前にそびえるきびしいエビス大黒ノ頭とおだやかそうな仙ノ倉山、そんな山容が目に飛び込んでくる。こんどはあそこまで歩くのか。その時ふと、こう思った。あと3時間がんばればあの頂に立てると。あとゴールまで6時間と思わないで、とりあえず目の前にそびえるあそこまで3時間かと思うことで、それならがんばれるなと気が楽になった。


たびたび縦走路を振り返る。うーん、歩いてきた。山の表情は振り返ることで異なる姿を見せてくれる。これも楽しみのひとつ。


さあ、エビス大黒ノ頭と仙ノ倉山へ出立だ。心を奮い立たせて、という表現が決して大げさではない状態でいる。あそこまで行けばその後は楽になることは承知している。あと3時間のがんばりだと自分に言い聞かす。

万太郎山から最低鞍部の毛越乗越まで400メートル下り、そこから500メートル登り返すと仙ノ倉山になる。


万太郎山の山頂から下り始めてすぐに痩せ尾根。ここは慎重に。あとはササの原がのびやかに広がっている。ここは気持ちいいです。そこをソロの若者が進んでいる。ジジイのソロは絵にならないが、若者のそれは絵になる。このササの原の風景にへっこんだ心がいくぶん平らになった。

♪燃える秋 揺れる愛のこころ ひとは出逢い ともに生きてゆく…♪ ハイ・ファイ・セットの歌をくちずさむ余裕がほんの一瞬だができた

あっというまに万太郎山が遠ざかっていく。

越路避難小屋が見えてきた。

 その内部。定員7人だというが、同じ定員の大障子避難小屋よりも狭いかな? ここも過ごしやすそうだ。

 最低鞍部の毛越乗越。ここから仙ノ倉山へは500メートルの登りになる。

エビス大黒ノ頭へはかなり急登だ。きびしい登りになった。辛抱だ。

そう覚悟して登ったのだが、もうここが頂?と思えるほど意外と負荷を感じないで立てた。ここから仙ノ倉山まで30分ほど。気分がずっと楽になった。


まもなく仙ノ倉山。

エビス大黒避難小屋。仙ノ倉山への最後の登りの前に小休止。肩の小屋から前後して歩いているソロの女性もひと休み中だ。

その内部。床板が一部破損している。ここまで4つの避難小屋を見てきた。大障子と越路がおすすめ。わたくしなら水場がある大障子を選ぶ。

仙ノ倉山の山頂についた。やっとのことたどりついた。山頂は平標から来た登山者が多く休んでいた。近くの人が写真を撮りましょうかといってくれた。待ってほしい。とにかく心と体をまずは落ち着かせるのが先だ。下の写真を見ても疲れた表情をしているのが見て取れる。

今日のコースの3分の2を歩いてきた。肩の小屋から6時間40分。予定通りに歩けた。あと3分の1が残っているが、これから先はきびしいアップダウンはなく山容は一変する。もう安心だ。やったなという気分。ここで大休止だ。


来た道を振り返る。遠くまできたもんだ。

これから先、ゴールの平標登山口バス停まで3時間かかる。結構な距離がある。ここでゆっくりしたいのだが、そろそろ腰をあげないといけない。平標山への稜線が穏やかだ。いままでの厳しいアップダウンを歩いてきた身には戸惑う。前後して歩いてきたソロの女性がいう。ここまでのがんばりのご褒美です、と。うまいことをいう。

振り返ると、仙ノ倉山もこちらから見ると穏やかだ。


平標山。気分的にはここがゴール!

 平標山からは谷川岳がよく見える。いよいよお別れだ。ここで思案。下山は2通りある。バスの時間まで余裕がある。平標山の家で時間をつぶすことにしてこちらのルートを下山路に選んだ。


平標の紅葉もさえない。ドウダンツツジはすっかり葉を落としている。


平標山の家。冷たい水でのどを潤し、顔を洗う。なにを勘違いしていたのだろう。5時15分のバスに乗るためにはここを3時に出る予定でいた。これを忘れてしまっていた。時計を見ると3時を過ぎていた。あわてて下山を始めた。

いそいだ。まだ余力が残っていた。恐るべし老人パワーだなと苦笑するほどで、だいぶ早くにゴールの平標登山口バス停についてしまった。16時30分だった。日が落ちると冷え込んできた。バスが定刻通りにきて越後湯沢駅から新幹線で帰宅した。さすがに新幹線利用は便利なもんだ。

天気に恵まれ、美しい山並みを堪能できた。そして予定したタイム通りに歩けた。2カ月も山を歩いていないので不安があったが、なんとか歩き通すことができた。案外やってくれるもんだなと自分の体にほっとした。

それでまだまだ元気に歩けるなと自信をもったが、10月15日に帰宅してから次の3日間というもの両脚はひどい筋肉痛だ。歩行困難なほどだった。きょう19日にはほとんど回復した。確かにハードなコースだったが、これほどまでになるのはやはり年だ。来年はいよいよ古希。それを自覚して歩かないといけない。


        
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