30坪+20坪の菜園

BIG FARMの農事日誌です。

青春18きっぷで、ミツバ岳から屏風岩山東尾根(2)

2010-03-30 | 登山

ミツマタの群生地4カ所を巡るコース
甘い香りに酔いしれた一日だった



圧巻は最後の群生地だった。これでもかとミツマタが続く
 


山行日 2010年3月27日(土)日帰り
天気 雪のち曇り時々晴れ
山域 丹沢
メンバー 単独
コース&タイム
我孫子駅4:42=5:13日暮里5:16=5:27東京5:46=7:05国府津7:08=7:36谷峨駅7:46=8:20浅瀬入口バス停-8:45滝壺橋登山口8:55-10:00ミツバ岳10:15-11:10権現山11:30-12:00二本松峠-13:20屏風岩山13:45(東尾根)-14:40ミツマタ群落(680㍍付近)15:00-15:25東海自然歩道-15:35大滝橋バス停15:47=16:23谷峨駅16:32(国府津経由)=19:10我孫子駅


「これでもかというくらいミツマタの写真を多く載せたね。たしかに見応えがありそうだ」。さっそくにそんなメールをもらった。

このコースはミツマタの道だ。満開になった週末だけに多くの登山者がやってくる。有名だと聞いていたものの、よもやここまで登山者が多いとは思ってもみなかった。

このコース上には4つの群生地がある。
1、ミツバ岳山頂
2、ミツバ岳から権現山へ向かって少し下ったところ
3、二本杉峠から屏風岩山へ進んだ850㍍付近
4、屏風岩山の東尾根680㍍付近

ほとんどの登山者が権現山を経て途中の二本杉峠から上ノ原登山口へ下山してしまう。屏風岩山まで足を延ばす人は少ない。ミツマタは屏風岩山のほうがすばらしい。せっかくだから屏風岩山まで歩かれることをすすめる。それにコースは予想していた以上によく踏まれている。不安なく歩けるはずだ。

(詳報)
青春18きっぷを使っての山旅。三つ目のスタンプを押してもらった。丹沢へはいつもなら小田急を利用するのだが、青春18なので今回はJRになった。東京駅へ出て、東海道線で国府津駅、御殿場線に乗り換えて谷峨駅下車。そこから湘南富士急バスの西丹沢行きに乗る。



谷峨駅前のバス停に30人ほどが並んだ。ミツマタ目当ての登山者で込むことは予想されたがそれにしてもこの時期としては多い。新松田からのバスに全員乗れるのか。
この日の天気予報は晴れだった。ところがまったく晴れ間が見えないどころかバス停に並んでいると白いものがまじったものが落ちてきた。ミゾレだった。予想外の天気になった。ここでミゾレなのだから山は雪かと心配する。バスには全員が乗れた。体が触れあうほどの満員状態になった。



浅瀬入り口で下車。バスから下車したのはやはり30人弱。みんなミツバ岳を目指す。やはりここもミゾレだ。丹沢湖畔の桜は咲き始めている。このミゾレに震えている。

車道を30分ぐらい歩いた所が登山口の「滝壺橋」。団体がマイクロバスでやってくる。タクシーも次々と来る。さすがにこの人出にはあきれた。私もその一人なのだが、ここまですごいとは……。写真ではその様子が分からないが、ちょうど団体が出発したばかりだ。これを見て「先を越された。失敗したな」と。バリエーションルートだから登山道があっても細い道のはずだ。そうなると単独にとって団体は邪魔になる。追い抜くときに面倒だからだ。
滝壺橋の脇が登山口。「山と高原地図」にはここからミツバ岳を経て権現山まで登山道の記載がない。しかし一歩踏み出すとかなりはっきりした登山道が続いている。それだけミツマタを求めての登山者が多いということがわかる。
すぐにさきほどの団体に追いついた。この団体のアンカーはよくわかっていた。すぐに隊列を止めて後続の人たちに道を開けてくれた。「団体のおかげで渋滞だよ。隊列を止めて先に行かせてくれよ」なんて言わなくて済んだ。気持ちよく追い越す。

 

やはりミゾレから雪に変わった。登るにつれて山肌も雪になった。春のぼってとした雪ではなくパウダースノーだ。服についた雪は簡単にふるい落とせる。道は尾根の右側をジグザクに登るように切ってある。尾根をまっすぐに登ってもいける。



1時間ほどでミツバ岳。ここが1番目の群生地。手前からミツマタの群生地が見えてきた。頂上のあたり一面ミツマタの木ばかりだ。それも大きな木だ。これだけのミツマタの群生地を見るのは初めてだけに、さすがに迫力がある。ミツマタは公園などでよく見かけるが、さえない花とばかり思っていた。しかしこれはすごい。頂上からはミツマタの大きな木を前景にして富士を眺めらるというので、晴れの日に満を持して出かけてきたのだが、どういうわけか雪だ。あきらめざるを得ない。





山頂から少し下ると左側の杉林の中に2番目の群生地が広がる。1番目よりは規模は小さい。

 

 

権現山を目指す。途中にもミツマタの群落が多くみられる。足を止めては写真を撮っているのでなかなか先に進めない。それに急坂になると雪でぬかっているのでよく滑る。10時30分を過ぎたあたりから雪がやみ、ようやく薄日が差してきた。
急坂を登りきって権現山から西に延びる尾根に乗った。それを確認できた。今回はバリエーションルートだというので事前に地形をなんどもシミュレーションしてきた。だから常に地形を意識しながら登る。一般登山道なら地形を意識することはない。ただ道をたどって歩くだけだったのに最近は違ってきた。いい傾向だと思っている。

この権現山から西に延びる尾根にぶつかる場所でふと思った。逆方向、すなわち権現山からミツバ岳を目指してきたときに、西へ延びる尾根からミツバ岳への道に分け入ることができるのだろうかと。そのまま西へ尾根伝いに進んでしまいそうな気がする。現実はよく踏まれた道だからだれもが迷うことはないのだが、雪で道が覆われたときなど私などきっと迷うだろうなと思ってしまう。そんな思いがあったからか、これからも歩く機会がないとも限らないので、目安になる分岐近くの「境界見出標217」を撮っておいた。

権現山はちょうど昼食とするにはいいところ。やはり人が多い。私はミツマタに気を取られ、ここまで予定タイムよりもだいぶ時間がかかってしまった。昼食を早々に切り上げて屏風岩山に向けて出発した。

 

まずは二本杉峠に向けて下る。途中に立派な道標が出てきた。このコースではじめての道標だ。ここまで道標がまったくなかっただけに、不思議な整備状態のコースである。



二本杉峠まで急坂の下りになる。ここは慎重に下る。二本杉峠に降り立つ。ここにも立派な道標があった。「屏風岩山」を示すところに「(踏跡不明瞭)」と書いてある。しかし実際はよく歩かれている。目の前に尾根がせり出している。そこを登ってしまった。道標の指している方向がここから登れと言わんばかりだ。しかしこの尾根の左をまいて行くのが正解だ。そこをいくと目の前に急な尾根がそびえる。そこを登る。途中からロープが出てくる。この急な尾根をがんばって登りきると3番目の群生地が右側に現れる。



この屏風岩山への尾根にある3番目の群生地はよかった。1番目と2番目に比べてこちらのほうがいい。立ち止まって見入ってしまう。清楚な雰囲気があたりに漂う。あまり人の目にさらされていない山の気配がある。
二本杉峠からこの屏風岩山へのコースに入るとすっかりひと気がなくなった。ほとんどが上ノ原へ下りたようだ。この群生地で腰をおろして休憩しようか迷ったのだが先に進んだ。少し進んだところで悔やんだ。やっぱり休憩してミツマタをもっと観賞してもよかったかなと。 



3番目の群生地に気をよくしたものだ。道は明瞭で問題ない。尾根を歩いているなとここでも地形を意識しながら歩く。屏風岩山まで緩やかな登りだ。屏風岩山に着いた。ここで大休止。



さて、ここから東尾根をたどる。たぶん不明瞭な道で地図読みが要求されるだろうと思って念入りに地形図とにらめっこしてシミュレーションしてきた。結論から先に言おう。この道はすでに明瞭な道形が付いていた。たしかにバリエーションルートなのだがよく歩かれているのが分かる。私の地図読みの実力が試されるのか、と肩に力が入ったが、いざ足を踏み入れてみると、なんのことはない、拍子抜けするぐらいはっきりした道が続いていた。もちろん途中に道標はないものの特に迷うところはない。それでもせっかく事前準備してきたのだからと地図とコンバスと高度計で自分の位置を確認しながら歩いた。

下山は速い。すぐに4番目の群生地が見えてきた。この群生地が抜きんでてすばらしいことは資料で分かっている。私の期待は大きい。たしかにミツマタがずっと下まで続いている。くりかえすが、それはまるで川の流れのようにどこまでも続いているかのように見える。これはすごい。道は680㍍付近でこの尾根と別れて左にスギ林に入るのだが、このあたりから下がもっともすばらしい。このミツマタがどこまで続いているのかを見たいので尾根伝いにそのまま下りて行った。その群生地の先まで行って振り返るとそのすばらしだがいっそうよくわかる。甘い香りがあたり一面に漂っている。この4番目の群生地でその芳香をはじめて感じた。

そのまま尾根を下って行っても東海度自然歩道に出られるとは聞いていたが、ここは安全にとさきほどの分岐点まで戻り、杉林を少し下りはじめた。十分に満足できたという思いがあった。ところがここで歩みを止めて私は引き返したのである。もう一度見たいがために。私の足を止め、引き返させるほどの魅力があった。





ミツマタの花園に身を置いて、酔いしれた。おかげでだいぶゆっくりしてしまい帰りのバスの時刻が気になり、足早になった。最後はロープが張られた細い尾根の急降下になる。ここはあわてる気持ちを抑えて慎重に下りる。東海道自然歩道に出た。そこの小川で靴の泥を洗い流した。舗装された道を行くとまもなく右手に大滝橋バス停があった。





帰のバスはガラガラの状態だった。あれだけ多くの登山者はどうしたんだと不思議がるほど空いていた。少し前に「臨時バス」が出て、すべてピックアップしたんだとわかった。


               

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