楡 周平 著 「Cの福音」を紹介します。
航空機事故で両親を失い、異郷アメリカで天涯孤独となった朝倉恭介は、おのれの全知力と肉体を賭けて「悪」の世界に生きることを決心する。
NYマフィアのボスの後ろ盾を得て恭介が作り上げたのは、日本の関税法の盲点をつき、コンピュータ・ネットワークを駆使したC(cocaine=コカイン)の密輸の完璧なシステムだった。
驚くべき完全犯罪…しかし…。
主人公の朝倉恭介を中心に麻薬をめぐるさまざまな人間模様を描いたハードボイルド作品。
パソコン通信という現代の情報技術を巧みに利用して、この仕入れからその売買にいたるまで、相手に直接会うことなくして麻薬の管理をおこなうドラッグディーラーの朝倉恭介
彼を含むアメリカマフィアの元締めであるリチャード・ファルーシオ
「鸚鵡」(オウム)としてアメリカマフィアと恭介の間で麻薬情報を提供する稲田茂実や、麻薬をアメリカから日本に安全かつ確実に届けるために働く人々
そして、そんな恭介のビジネスをつぶそうとする同業者たち……。
リアリティがあり、一歩間違えればジエンドという状況を頭脳で切り抜けていく様はドキドキものです。
とにかく、おもしろい!
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