中国映画「活きる」を観ました。
1940年代の中国。
フークイは地元資産家の子息ながら賭けに狂って担保の屋敷と家財をすべて奪われ、妻子にまで出ていかれ老いた母と共にどん底生活へ。
半年後、長男が誕生したのを機に妻は戻ってくる。
心機一転、困窮する一家の家計を支えよう得意の影絵の巡業を始める。
そんな矢先、国民党と共産党の内戦に巻き込まれてしまう・・・。
冒頭は単なる博打好きの御曹子の自滅の物語かなと思いましたが、そこからが本題でした。
1940年代・50年代・60年代の中国の世相や政治背景が庶民にどう云う影響を与えたかを一つの家族を軸に描かれて行きます。
国共内戦、共産思想、三反五反運動、大躍進、文化大革命、毛沢東個人に対する批判・・・
何が吉となり凶となるのか、混濁とした時代に翻弄されながらも生きて行かなければならない。
そうして、新しい時代に血は受け継がれて行く・・・。
中国近代史を庶民の立場でリアルに再現した物語でした。
第47回カンヌ国際映画祭審査員グランプリ。