「小さいおうち」を読みました。
昭和11年、田舎から出てきた純真な娘・布宮タキは、東京郊外に建つモダンな赤い三角屋根の小さな家で女中として働き始める。
家の主人で玩具会社に勤める平井雅樹、その妻・時子、2人の5歳になる息子の恭一とともに穏やかな日々を送っていた。
ある日、雅樹の部下で板倉正治という青年が現れ、時子の心が板倉へと傾いていく・・・。
それから60数年後、晩年のタキが大学ノートにつづった自叙伝を読んだタキの親類・荒井健史は、それまで秘められていた真実を知る。
山田洋次監督によって映画化されたと云う事で読んでみました。
山田監督の作品と云えば”泣ける話”だろうな~、なんて勝手に想像して読み始めましたが・・・
戦前~戦後までの市民の生活が意外に淡々と描かれていました。
戦時中の話もさらりとしていてほどんど暗い影が感じられません。
ひっそりと静かに進行してゆくストーリーは、”久々に文芸作品を読んだな~!”と云う感じです。
第143回(平成22年度上半期) 直木賞受賞作
この小説の満足度:☆☆☆☆