桐野夏生 著 「グロテスク」 を紹介します。

世にも美しい妹ユリコを持つ「わたし」は、ユリコと離れたい一心でQ女子高を受験して合格し、スイスに住む両親と離れて祖父とふたり暮らしを始める。
エスカレーター式の名門Q女子高は厳然とした階級社会であった。
佐藤和恵という同級生が美人しか入れないという噂のチアガール部に入ろうとして果たせず、苛立つのを、「わたし」は冷やかに見守る。
夏休み前に母が自殺したという国際電話が入る。
ユリコが帰国するというので、「わたし」は愕然とする。
同じQ女子高の中等部に編入したユリコは、その美貌でたちまち評判になるが、生物教師の息子木島と組んで学内で売春し、それがばれて退学になる。
和恵はQ大学から大手のG建設に就職した。
そして二十年後、ユリコと和恵は渋谷の最下層の街娼として殺される。
昼間は一流会社の社員として働きながら、夜は売春婦に変貌する生活。あげくの果てに娼婦として殺されてしまったといわれている、いわゆる「東電OL殺人事件」を題材にして書かれた小説。