草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句 / 水澄む (四捨五入)

2013-09-08 | Weblog

水澄みて深みの紺のいや増せり

水澄めど光とどかぬ淵の奥

砂の舞飽かず眺めつ澄める水

澄める水足下に広し沈下橋

見下ろせば魚影俊敏水澄める

 

ももとせを超え行く母や月天心

望月のいよよ膨らみ沈みけり

白雲の月を過りて消えにけり

診断を聞きし夜より地虫鳴く

パソコンのデータ失せたり地虫鳴く

 

 九月の句会の兼題は「水澄む」「月」「地虫鳴く」等であったが詠みやすい「水澄む」が半数となってしまった。ご覧のようにほとんどの句が一物仕立てとなっている。取り合わせの句をと思うのだが、まだ修業が足らない。ご批判を仰ぎたい。

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8 コメント

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好きな句 (九分九厘)
2013-09-10 09:20:02
水澄みて深みの紺のいや増せり
 語呂がよくて、水の色が鮮やかで色彩感のある好きな句です。

ももとせを超え行く母や月天心
 百歳を超える人は仏様のようなお人です。そして、親孝行できる人はこれまた幸福なお方です。私の両親は早死にしましたので羨ましい限りです。

診断を聞きし夜より地虫鳴く
 この句は、最近の私にとって人ごとならぬ実感です。但し、入院中は冷房完備で、外の気候や人気と遮断され、季節感の全くしない環境ですね。俳句が全然浮かんでこなかったです。
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好きな句とコメント (かつらたろう(桑本栄太郎))
2013-09-10 10:22:27
☆砂の舞飽かず眺めつ澄める水
渓流の清冽なる流れの中では、水が澄むあまり鏡のように水中の様子を眺める事が出来ます。
澄み切った清流の中に、砂が舞い踊るとろ場の光景が一瞬想われ、清々しい一句です。

☆見下ろせば魚影俊敏水澄める
水の澄む清流の中では、魚影がはっきり見えます。又、水中に時折鱗が煌き豊かな魚影を眺める事も何度もありますね!!。小生も嘗ては、川釣りを嗜んでいましたので、清流の川原での遊び親しみ情景がとてもよく分ります。爽やかな句ですね!!。

☆ももとせを超えゆく母や月天心
自分が何歳になろうと、親は親。小生の母は6歳の時に亡くなりましたので、とても羨ましい限りです。「月天心」との季語に、作者と母上さまの長い想い出がうかがえ、素晴らしい取り合わせの句となりましたね!!。

☆診断を聞きし夜より地虫鳴く
夏の終わりから初秋にかけて、夜になればジー、ジーと虫が鳴き始めます。まだ秋の虫の音とはちがい、季節の代わる頃合を報せてくれます。人には誰でも、夜の闇に不安を抱くことがあり、これは人類の古代よりの本能のようです。長くて厳しい残暑もようやく通り越し、これからは爽やかな秋の到来です。充分お身体を労わられ、爽やかな秋をお楽しみ頂き、そしてご建吟を願っております。
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好きな句 (龍峰)
2013-09-11 21:54:28
四捨五入 様

何れの句も透明感があり、頂くのに迷いました。しかし、次の句を頂くことにしました。

水澄みて深みの紺いや増せり
湧き水でしょうか、流れている水は深くまで澄んでいる水。そして深いところでは紺色が濃おくなっている。実に透明感のある、観察眼の深い句です。

ももとせを越えて行く母や月天心
ご母堂様はお元気そうですね。今夜の満月の月も真上で輝いている。正にご母堂様の長寿を祝福しいるようですね。
愛情溢れた御句です。

パソコンのデータ失せたり地虫鳴く
小生も過去に一度パソコンのデータを一瞬に失くしたことがあります。天を仰ぎ自分の不運を嘆いたものです。おそらく作者も突然の事に同じように感じられたのではないでしょうか。そのような時に日頃あまり気づかなかった地虫の鳴き声が耳に入ってきた。作者の気持ちの動き、落差と変わらぬ地虫の声を対比させることにより作者の気持ちが鮮明に伝わってきます。
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お礼 (四捨五入)
2013-09-11 22:21:54
九分九厘 様

拙3句にコメント下さり有難うございます。
上の写真は梓川です。写真から分るように、水の透明度が高く、10メートル程先は紺色になってしまいます。色彩感覚を評価してくださり、ありがとうございます。

私の母はもうすぐ102歳になります。幼児のような面もありますが、意味の通った会話もできます。時々訪ねることにしてます。

この句は娑婆へ戻ってから詠んだものです。病室では安っぽい句しか読めませんでした。

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お礼 (四捨五入)
2013-09-12 14:06:51
かつらたろう 様

拙4句も取り上げて下さり有難うございます。
ご指摘のように川の流れの中でも砂の舞上がるのを見ることができるでしょうね。私が見たのは柿田川の伏流水が噴き出すところです。砂が舞い上がっても全く濁りがなく不思議な感じがします。

芦屋川の橋の上から川面を覗き込んで小魚が泳いでいるのを見かけると何となく安堵感が湧いてきます。水がきれいなことの証明だからでしょうか。

母はもうすぐ102歳となります。今はボケてしまっていますが子供たちにとってはかけがえのない母親です。

診断にもいろいろありますが、深刻な結果を告げられるとブルーになってしまいます。(現在の状況ではありませんのでお気づかいなく。)

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お礼 (四捨五入)
2013-09-12 14:30:28
龍峰 様

拙3句取り上げて下さり有難うございます。
水澄みての句は見たままの実写です。ご評価いただき恐縮です。梓川の透明度と冷たさには感動しました。

母は明治、大正、昭和、平成と苦労して生きてきましたが、今は幼児のようです。敬意を表して月天心としました。

パソコンは壊れるものと考えて外付HDを準備していましたが、直近のデータが保存されておらず帰らぬものとなってしまいました。ショックでした。
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深みさえ感じられる句 (ゆらぎ)
2013-09-12 16:35:24
四捨五入様
 術後という状況をを吹っ飛ばす快吟がならびました。一物仕立ては、わかりやすくていいです。下記2句を頂きました。

”水澄みて深みの紺のいや増せり”
ー単なる情景描写を超えて、深みさえ感じられます。西田幾多郎の歌が思い出されます・。
「わが心深き底あり喜びも
      憂の波もとどかじと思ふ」た。

ももとせを超え行く母や月天心
ー母上様、100歳おめでとうございます。いつまでも嬉しいことですね。”月天心”に、喜びが溢れているようです。
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お礼 (四捨五入)
2013-09-12 22:02:09
ゆらぎ 様

拙2句を取り上げて下さり有難うございます。
「水澄みて」の句を思いもかけず深読みしてくださり、感激です。西田幾多郎の歌を思い出しておられますが、この句はそのような思想とは無縁です。西田幾多郎は同郷(といえるかどうかは疑問ですが)ですがどうせ難解だろうと読んだことがありません。ゆらぎさんには脱帽です。

母はこの9月で102歳になります。東京の病院に入っていますので時々会いに行っています。敬意を表して月天心としました。
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